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日米間にすきま風が吹いているとメディアが報じる理由

 突然ですが、日米間にすきま風が吹いていると、最近メディアでよく言われるようになっています。そう思いませんか? 春も間近だというのにですよ。

 国内のメディアのみならず海外のメディアまでそのようなことを指摘する。否、海外のメディアがそのように報じるので、国内でもそのような報道が多くなっているのかもしれません。しかし、いずれにしても、すこしばかり不自然さを感じないでもないのです。

 メディアによる最近の報道ぶりを振り返ってみましょう。

・2014年2月17日 毎日新聞社説:オバマ氏訪日 すきま風吹く日米関係

・2月19日 Financial Times:Washington regrets the Shinzo Abe it wished for  「待望した安倍首相を今は悔やむ米政府」

・2月20日 Wall Street Journal:  Abe Adviser's Remarks Stir Controversy 「首相補佐官、米に『失望』発言の波紋―靖国参拝で」

・2月21日 日経:日米関係にすきま風? 2カ月間の動き振り返る

 しかし、報道だけではないのです。というのも、そうした報道に加え今度は米議会調査局が突然、日米関係に関する報告書のなかで次のようなことを指摘したからのです。

 「米国の助言を無視し、不意打ちで参拝した事実は政府間の信頼を傷つけた可能性がある」、「(米国の制止を振り切って参拝した安倍首相は)日米関係を複雑化させる指導者としての本質をはっきりと証明した」

 これがどこかの新聞社の一つの記事に過ぎないのなら、それほど深刻に受け止める必要もないかもしれませんが、米議会調査局がそのような指摘をしているのです。しかも、極めて短期間にそのような分析を行っている訳ですから、むしろ冷静で客観的な分析を行った結果と言うよりも、最初に結論ありきと考えた方がいいでしょう。

 いずれにしても、何故メディアは日米間にすきま風が吹いているなんて言うのでしょうか?

 やっぱり安倍さんが昨年12月に靖国参拝をしたから?

 それも影響しているのでしょう。

 それに、取り巻きの人々の発言も相当に影響していると思われます。

 NHKの籾井会長、同じくNHKの長谷川経営委員と百田経営委員。そして衛藤首相補佐官に本田内閣参与まで。これらの人たちの発言が相当に米国を刺激した可能性は否定できません。

 例えば、百田委員の発言。「アメリカは東京大空襲や原爆で日本人を大虐殺した。この大虐殺をごまかすために東京裁判をやった」

 次に、衛藤補佐官の発言。「米国が『失望した』と言ったが、むしろ我々のほうが『失望』という感じだ。米国は同盟関係の日本を、なぜこんなに大事にしないのか」

 確かに米国にとっては、日本がアメリカに物申した感がない訳ではないでしょう。しかし、その程度のことで、これほどのリアクションが起こるものなのか、と。

 というのも、安倍内閣は、相変わらず米国に対しては忠誠心の固まりのようにも見えるからなのです。

 だって、そうでしょう? 憲法違反の恐れがあると言われても、集団的自衛権が憲法で認められるとまで言う訳ですから。そこまでして米国と運命を共にしたいと言っているのが安倍総理なのです。

 なのに、何故米国は急に日本を見放すかのような言動を放つのか、と。

 そんなに靖国神社に参拝したことが気に障ったのでしょうか?

 しかし、米国自身にとっては、それほどのことではないのです。だって、彼ら自身が、靖国参拝は、韓国や中国を刺激するだけだから得策ではないと言っているからです。つまり、靖国参拝は、直接には米国をそれほどは刺激しないが、韓国や中国を刺激し、そうなればまた日本とそれらの国々との緊張が高まるから止めとけと言うのです。

 貴方には、米国の論理が理解できるでしょうか?

 私は、米国の言い分は、少しおかしいような気がしてなりません。

 というのも、日本と中国、或いは韓国の仲は、12月の安倍総理の靖国参拝を契機により一層悪化したとはとても思えないからなのです。というよりも、それ以前から最悪であった、と。だから、何も変わってはいない、と。韓国や中国が以前にも益して、2月の靖国参拝を問題視しているとはとても思えません。

 米国の言い分に少しばかり無理があると思いませんか?

 確かに、以前からオバマ政権としては、中国や韓国との間での関係改善に向け努力すべきだというようなことを日本に言っていました。だから、その意味では靖国参拝などは止めておけとも言っていたことになるでしょう。そして、そうしたアドバイスに安倍総理は従わなかった、と。

 要するに、米国にとっては、安倍総理が靖国に参拝したということよりも、自分たちが言ったことに従わない安倍総理に失望しているということなのです。

 忠実なポチだと思っていた日本の総理が、ポチらしく振る舞わなくなっていることが気に入らないということなのです。

 では、何故ポチはご主人様の命令を聞かなくなったのか?

 それは、ご主人様が日本には殆ど関心を示さないからなのです。

 ご主人様は、慰安婦の問題に拘る韓国の方ばかり向く、と。だから、ポチは寂しさを感じ始めたのです。ご主人様が、ポチを散歩にでもよく連れて行くのであれば、靖国には参拝するなという命令を聞いたかもしれません。だから、米国が、日本の総理が言うことを聞かなくなっているので、日米関係が複雑化しているなんて、そう簡単には納得が行かないのです。

 米国が安倍総理に失望しているのには他にも理由があるのです。それは、安倍総理がネオコンと仲がいいだけでなく、ロシアのプーチン大統領と何度も首脳会談を重ねているのが大変気になっているのです。

 日本とロシアが仲良くすることについて、米国としては、表向き何らクレームを付けることはできません。

 それはそうでしょう? 米国が国交を断絶しているような国と日本が仲良くするのであれば別ですが‥ロシアと仲良くなったからと言って、どうやって文句をつけることができるか、と。

 しかし、そうは言っても、内心米国としては大変に気がかりなのです。

 何故安倍総理はそのような態度を取るのか?

 お父さんが、ロシアとの外交を重視していたから?

 それもあるかもしれませんが、オバマ大統領が自分のことを少しも大事にしないからプーチンに近づいている面もあるのです。

 米国にとって、安倍総理に失望するさらなる理由としては、TPP交渉に関し、日本が殆ど譲歩を姿勢を示さないこともあるでしょう。

 いずれにしても、ここにきて急に日米間においてすきま風が吹き始めているなんてことをメディアが報じ出しているのは、米国自身が動いていることが大きいと思うのです。

 要するに、もう少し言うことを聞く日本の総理であって欲しい、と米国は言いたいのです。

 しかし、それでも安倍総理の態度に大きな変化が見られなかったとしたら?

 その時には、安倍総理はルーピーだとアメリカ側のメディアが言いだして、安倍降ろしが始まるのではないでしょうか。もっとも、オバマ大統領の人気がその前に落ちてしまう可能性もありますが‥

以上  小笠原 誠治 2014/2/26
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