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赤峰和の「 国家破綻の考察5 韓国編5 韓国の思惑と駆け引き」

2014-03-24 00:00:00

《日本の思惑》

1997年12月のアジア通貨危機が韓国に飛び火した際の韓国へ救済融資は日本が100億ドルを拠出しました (IMF210億ドル、世界銀行100億ドル、日本100億ドル、米国50億ドル、アジア開発銀行40億ドル、先進国など総額550億ドル)。また、2008年には、日韓通貨スワップでの引出限度額を30億ドル相当から200億ドル相当に増額して、日本は積極的に救済措置をとりました。

ただし、日韓通貨スワップの増額措置に対して、韓国企画財政部長官尹増鉉は日本メディアの取材に、「韓国が最も厳しい時に外貨を融通してくれたのは、アメリカ、中国、日本の中で日本が最後だ。日本は出し惜しみをしている気がする。アジア諸国が日本にふがいなさを感じるゆえである。日本側がもう少し譲歩し、配慮すれば早く締結できるのではないか」と語っています。

なお、現在は、2013年7月の日韓通貨スワップ協定満期終了で、韓国との2国間には同協定は存在しませんが、チェンマイ・イニシアティブ(※1)において、日本は100億ドル、韓国は50億ドルの双方向スワップ取極を締結しています。期限は2015年2月までとなっています。

(※1)外貨準備として抱えるドル資金を活用し、東アジア地域で連携して通貨暴落などによる経済危機を防ぐ仕組み。

日本は。国としての韓国財政破綻時の際の救済措置は、おそらくは、チェンマイ。イニシアティブ分しか、しないのではないかとは思いますが、それでも、アメリカの思惑に振り回される場合と、日本の民間投資との関係で頭を悩ませることになるかもしれません。

とくに、後者については、週刊ポスト2013年7月12日号の記事によりますと、「三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の三大メガバンクの韓国企業に向けた貸し出しは1兆円を超えています。グローバルに展開する韓国企業の資金需要は旺盛で、脆弱な韓国金融界に変わって日本の銀行が融資を増やしているのが現状です。」との銀行関係者の発言を載せています。

この場合、韓国がデフォルトした場合は、日本の銀行救済のために、韓国を救済しなければならなくなる可能性があります。この辺が懸念材料です。

《中国の思惑=中韓通貨スワップ協定は発動するのか》

中国と韓国は双方のスワップ協定(中国側が3600億元=約5兆7700億円)を13年6月に3年間延長しました。ただし、中国自体が金融問題を抱えているだけに、韓国の通貨危機に対して、助けるのか、助けないのかの本音はまったく不明な状況です。

《アメリカの思惑=財政難で・・・》

アメリカは、韓国経済の動向には基本的に関心すらありません。むしろ、アメリカ自身の財政問題で頭を抱えていますから、それどころではありません、ですから、アメリカは日本に「アメリカ分まで韓国に拠出してほしい」という意図があって、妙に日本に圧力をかけてきているようにしか見えません。安倍総理の靖国神社参拝への「失望」とか、「日韓首脳会談の実現」などを表明しながら、「日韓双方で問題の解決」をはからせ、アメリカはさっさと蚊帳の外に逃げ出そうとしているのかと疑ってしまいます。

《韓国の思惑》

意外に上手く立ち回ってきたのかもしれません。韓国は、どれほど日本叩きをしても「日本の方が必ず頭を下げてくる」と計算しているような気配があります。その計算とは二つあって、日本から韓国への融資や資本投下などは、前述のメガ・バンク以外に、かなり減ったとはいえ26億9000万ドルもあります。それを人質にとって、「韓国を支援しなければ日本の企業が倒産するぞ」と日本を恫喝してくるかもしれません。国際政治学者の永井陽之助風にいえば「弱者の恫喝」です。

それと、もうひとつは、韓国の狡猾な作戦は、通過スワップを世界各国と結んでいますし、ベトナムやマレーシア、シンガポールなども韓国の債権が大量に購入しているそうですから、韓国が仮にデフォルトになると、連鎖反応を起こします。「そうなったら、日本も困るだろう。だから韓国を支援せよ」と、これまた弱者の恫喝をかけてくるかもしれません。

こういう場合、多国間で連鎖した財政破綻を救済するよりも、原因となった韓国を救済する方が、金額はすくなくて済むのだそうです。そのような、背景を計算していたのなら、韓国もなかなか狡猾といわざるをえません。

今度のパククネを交えての、日米韓の首脳会談も、こうした思惑を含めて出てくることが十分に予想されます。

つづく 09:00予定
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