Entries

赤峰和の「国家破綻の考察7 中国編1 ソ連崩壊時に似てきた 」

2014-03-25 00:00:00

中国には 「3大バブル」といわれるものがあり、そのバブルがはじけそうになっているといわれています。「影の銀行(シャドーバンキング)」の深刻化、社債のデフォルト(債務不履行)に続き、中国経済最大の病巣とされる大手不動産の破綻です。この詳細は、後述することとして。いまや日本を追い越して世界第二位の経済大国になった中国が、国家としても破綻の危機にあるのではないかとささやかれ始めました。

もし、そうなったときには、世界経済に与える影響は極めて大きいと思われますので、もし、中語句が財政破綻した場合にどうなるのか、もしかすると、経済の問題だけではなく、政治にも影響がでて、中国崩壊・分裂までに至るのではないかと思い分析してみることにしました。

なお、韓国の事例を取り上げたときは、アルゼンチン・モデルであろうとして、国家が消滅するにはいたらないという検証でした。しかし、中国の場合は、経済という問題と、政治という問題が,不可分になっており、また社会主義体制であることに問題の所在がありそうに思えます。つまり、中国が発表する経済数値は、実際の経済数値ではなく、政府によって操作・管理されている見せ掛けの数値の可能性が高く、信用しづらいということなのです。

そして、中国政府がそのような経済統計を操作しているということは、社会主義特有の「計画経済」であるということですから、経済が崩壊すれば、政治も連鎖的に崩壊してしまうのではないかと推論付けられるのです。

その実例が、1991年にありました。ソ連の崩壊です。戦後のヤルタ体制において、アメリカと世界分割しながら覇権を競っていたソ連が、あっけなく崩壊していくことには誰もが信じられない思いでした。それほど、強固な政治体制とおもわれていたからです。ミハイル・ゴルバチョフが大統領を辞任し、これを受けて各連邦構成共和国が主権国家として独立し、ソビエト連邦が解体されてしまいました。

ソ連崩壊により成立した国は、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、エストニア、グルジア、カザフスタン、キルギス、ラトビア、リトアニア、モルドバ、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウクライナ、ウズベキスタンの15カ国にも及びました。その中でも、ロシアはソ連の継承国家として、ロシア連邦(地域或いは民族によって区分された83の連邦構成主体)となりました。

では、なぜ、磐石とも思えたソ連が崩壊したのか。元大阪経済大学学長の上島武氏の講演(労働通信2003年11月号)によれば、経済的要因、政治的要因、民族的要因の三つをあげています。その要点だけをかいつまんで紹介して見たいと思います。ただし、要点の解釈は「意訳」です。

経済的要因(上島説):社会主義経済の失敗①「労働生産性をめぐる闘争」

国有企業が労働生産性の向上を促しても、労働者の立場からすると、「働いても、働かなくてもいいや」ということにもなり、「適当にはたらいとけ」ということになってしまった。

②計画経済のいきすぎ

市場経済にまかせるべき日用品にまで、計画経済の中に組み入れて、目標を定めてノルマ化した。経済学者からも「あれは、計画経済ではなく、統制経済、切符配給制度」とまで揶揄された。

③国民生活の向上は後回しに

重工業と軍事産業ばかりに重点を置いたので、慢性的に日用品が不足し、社会福祉・厚生も後回しになった。ゴルバチョフが大統領に就任したときは、統計上は全部黒字になっているのに、労働生産性の低さと計画経済の失敗で国有企業や農業部門は赤字になっていた。

政治的要因(上島説):特権階級が成立し、彼らが利益を独占した

革命の直前には「読み書きできるものなら誰でも、企業や国家の管理ができる」といっていたのを逆手にとって、「読み書きできるもの」が支配階級になって、政治的な決定権と経済的な特権をひとりじめにしてしまった。

民族的要因(上島説):連邦国家、多民族国家をやめてしまった理由は抑圧と差別

①二つのソ連邦構想の対立

ソ連構成国を、ロシアと他の加盟国が。横ならびで平等の資格をもつのか、それとも、ロシアを上位にして、あとは下部として従属させるのかという議論の末に、後者となって、ソ連内の反目、不満を内向させることになった。

②民族エネルギーの爆発と連邦崩壊

形式上は、平等にソ連邦に加盟するというかたちをとりながら、実際は二重三重の上下関係のなかにおかれてきた各国家も、二重、三重、四重の差別があって、民族的なエネルギーが社会主義的な連邦的な再生ではなくて、そこから分離・離脱に向かった。民衆の何十年間のつもるうらみと重なってしまったから。

かなり、強引に短くまとめてしまいましたが、ソ連崩壊の模様は、その本質においては、中国も同じ道をたどるだろうなということを容易に想像させるものです。経済も崩壊すんぜんであり、政治も党幹部だけが一人勝ちをしていて庶民は貧しく、そして、民族問題を抱えながら一方的に弾圧する姿勢は、ソ連と全く同じに見えます。

そうした事実をふまえつつ、中国分析を行ってみたいと思います。

(つづく)
スポンサーサイト
  • コメント : -
  • トラックバック : -

Appendix

最近の記事