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赤峰和の「国家破綻の考察10 中国編4 政治の崩壊」

2014-03-28 09:00:00

こうやって中国の現実をみてみますと、あまりにも格差が広がりすぎて収拾がつかなくなっています。なかでも、高級幹部の蓄財は目に余るものがあります。高級幹部や不正蓄財した人の師弟は、海外に留学し、しかも永住権まで取得させて、万が一、政府が転覆しても自分の妻子は生き延びれるように、命も財産も保全しています。

このような目に余る行為が横行しているのに、一般庶民は告発しないのでしょうか。どうも、告発する気にはならないようです。その理由は、一つが、権力者を告発すると、「告発を揉み消された上で、自分の身に危険が及ぶかもしれない」ということ、そして、もう一つは「告発をしても自分には一銭の得にもならない」からだとのことらしいのですが・・・。

しかし、例外はあるもので、この汚職摘発を「政策として実行した人」がいました。薄熙来(はくきらい)という政治家です。2007年には内陸部の主要都市である重慶市のトップ(共産党委員会書記)に就任した人物です。(写真左から2番目)

薄熙来は、就任早々、貧富の格差が深刻で腐敗した役人や警察ら権力者が威張り散らしている現状や、それに対する大衆の不満が爆発している重慶社会の危険な現実を的確に把握していました。その上で、彼は、低所得者層に未だ根強い毛沢東の政治手法をまねて、「共同富裕」のスローガンを掲げ、格差是正や平等・公平をアピールし、民衆をひきつけました。そして、大衆を動員し、「打黒」という腐敗した官僚を追放するキャンペーンを展開しました。それにより、彼は、重慶市では1500人以上を摘発させるという成果をもたらし人民に拍手喝采を浴びました。

それにもかかわらず、薄熙来の現在は、「無期懲役」の判決が言い渡され、政治的権利の終身剥奪と全財産の没収が宣告されています。実に不思議な光景です。彼の罪状は、「5000億円近い不正蓄財」と「海外送金」などによるものとされています。しかし、あとで取ってつけたようなものでもあり、内部の権力闘争に負けたからだという見方がもっぱらです。

まさに、これなどは、中国の歴代王朝にもよくある内部の権力闘争、そのものです。薄熙来裁判は。彼を嫌う前の国家主席であった胡錦濤と、彼を擁護していた元の国家主席だった江沢民の権力闘争のなれの果てで、結果として、胡錦濤のグループが全面勝利したということなのでしょう。

(前国家主席・胡錦濤、現首相・李克強) vs (元国家主席・江沢民、薄熙来)
(現国家主席の習近平は、江沢民、薄熙来に近かったが、日和見主義だった。)

さて、内部の権力闘争の一つの例として、薄熙来裁判をあげてみましたが、このような権力闘争というのは、中国人のDNAに引き継がれているのか、まことにも凄まじいものがあります。中国の歴史書に関しては、日本人の作家がよく書いていますので、そうした書籍をよく読んでいただきますと、日本人の権力闘争とはまるで違うものに感じられると思います。中国の政権内部で繰り広げられる権力闘争は、それ自体が戦争のように感じられます。

中国内での権力闘争は、ある意味で派閥間の抗争でもあります。これらの派閥の頂点に立つのが、最高指導部=「中国共産党中央政治局常務委員会」という名称の7人のメンバーで。ちなみに、序列第1位の国家主席・習近平 、第2位の国務院総理(首相)李克強、第3位の張徳江・・・などとなっています。

このわずか7人にも派閥があって、大きくは、団派、上海派、太子党に分けられるようですが、太子党もさらに二つに分かれるといいます。また、この次のクラスになりますと、さらに分かれて、「八大派閥に分類される」といいます。また、こうした派閥間の争いで、中国も、民主党時代の日本と同じく何も決められない状態であるといわれています。

また、このなかで、国家主席の習近平の地位が安定しているのかといえば、そうでもないようです。まるで歴代最弱の国家主席の中では最弱のごとくといわれています。アメリカのオバマと同様、政権基盤が磐石ではないようです。そこで、共産党内世論や人民の不満を解消するために、かつての師匠である「江沢民の反日」を利用して、まとめようとの意図があったようです。

なお、余談になりますが、習は、就任早々、国内矛盾の目くらましのために、さらには中国の太平洋進出のために、尖閣及び沖縄に攻め込むつもりでしたが、自衛隊の防衛力に恐れをなして断念したといわれています。

『余命3年時事日記』さんのブログ「驚きの中国軍事委員会(遺稿記事)」参照

現在、習は、尖閣諸島攻略を完全に諦めてしまいました。おそらくは2020年の東京オリンピックまでは、軍拡につぐ軍拡を行い、海軍力を整備していく方針のようです。軍事予算にそれが明確に現れています。その分、日本をターゲットにできなくなりましたので、台湾、マレーシアに目を向けているのではないかと思います。

そういえば、台湾で現在大騒ぎとなっている「両岸サービス業貿易協議」問題や、マレーシア航空機事件などに国民の目を外にそらせておいて、ガス抜きをはかり、政府批判をかわしてしまおうという考えなのかもしれません。

いずれにせよ、中国国内が、政治的にも、権力闘争の嵐で、危険な兆候に満ち満ちているのは間違いありません。

(つづく)
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