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中国と韓国の戦略破綻(6) 中国の狡猾な罠に落ちた韓国

赤峰和 2014-04-07 00:00:00

韓国パククネ大統領の「反日告口外交」が、中国の習近平国家主席を篭絡させたのかと思えるようなことがありました。安重根(アンジュングン)記念館をめぐっての中韓の共闘問題です。

4月4日付の毎日新聞にこういう記事が掲載されました。

隣人:日中韓 孤立する日本/2(その1) 安重根記念館 中国、苦肉の「新設」 民族問題波及恐れ

初代韓国統監・伊藤博文を暗殺した朝鮮の独立運動家、安重根(アンジュングン)をたたえる「記念館」の主要な展示品は、もともと近くの施設にあったものを移しただけだったことが分かった。中国黒竜江省のハルビン駅で1月に開設されたが、規模も縮小されていた。中国の習近平国家主席が「私が直接指示した」とまで述べた「記念館」開設は、「暗殺」という手段を取った安重根の「英雄視」が国内に与える影響を抑えつつ、歴史問題では「中韓共闘」を演出したい中国側の「苦肉の策」だった可能性が高まった。安重根を巡っては韓国側が「石碑」建立を中国側に要望してきたが、中国側が消極姿勢を崩さなかった経緯がある。中国政府が国内少数民族のナショナリズムへの飛び火を懸念したとされ、石碑は実現していない。記念館は、昨年6月に訪中した韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が習主席に要望し実現。駅の貴賓室を改装しオープンした。中国外務省は「安重根は中国人民の尊敬を受けている」と述べ、新設をアピールしていた。

しかし「記念館」の展示品の多くはハルビン駅から約1・5キロほど離れた朝鮮民族芸術館で展示されていたもので新設というより移転。中国側関係者は「記念館」に展示されている安重根の胸像や揮毫(きごう)などについて「説明文などを変え、芸術館に展示されていたものを持って行った」と証言した。《以下略》

最初にこの記事を見たときは、パククネ大統領に篭絡された習近平主席の作戦ミスかと思いました。なぜなら、このような「テロリスト」を顕彰するのなら、「習近平主席を暗殺したら中国東北地方(旧満州)の独立の英雄になれる」と思う人が出ても不思議はない、と思ったからです。逆説的な「テロ」のすすめかともったくらいです。 

そこで、確認の意味で、中国問題の専門家にお伺いしてみましたら、意外な回答に驚いてしまいました。これは、習近平国家主席の韓国に対する狡猾な計略だというのです。以下の解説をご覧ください。

・こういう流れにすることは最初から中国側の計算に入っていました。
・最初から「韓国にはこう言っておけばいい。形だけやった振りをすればいい。」と考えていたようです。
・実は朴大統領からのささやきや提案ではなく、習近平主席からの申し出だったようです。
・習近平は日米韓の関係が壊れることを望んでいます。
・そのためには韓国が日本を敵視することは都合が良いわけです。
・目的はそれだけのようです。
・中国にとって韓国と仲良くすることは、中国経済にとってもそれほど大きなメリットがあるとは考えていません。
・習近平はしたたかで狡猾です。

この視点でもう一度情報を整理しますと

1)習近平主席は、パククネ大統領の甘いささやきにのってしまったかにみせかけて、歴史問題で「中韓共闘」を演出した。それは、韓国と日米を離反させる目的だった。

2)また、「反政府テロの英雄像」は中国政府や習近平主席自身に直接ふりかかってくる。そこで、まず、駅の貴賓室を改装して「記念館」として作った上で、「記念館」の展示品の多くはハルビン駅から約1・5キロほど離れた朝鮮民族芸術館に移転して展示した。

3)そして、ハルピン駅広場前にある記念館は、入場は無料となっているものの、入り口を警備員が固め、入館に際しては身分証やパスポートの提示、氏名や身分証番号の記入が求めるようにした。

ということになります。

なるほど、こういうやりかたなら、中国は韓国に恩義を売りながら、自国のテロを防ぐことになるということになります。これで、中国は、韓国を完全に取り込んで、日米と縁を切らせることに成功しました。

先日の日米韓の首脳会談はその厳然たる事実を見せ付けたセレモニーであったことがわかります。しかも、事前に、習近平主席はパククネ大統領と会って、きつく釘を刺しています。そのためでしょうか、パククネ大統領はオランダ王室の晩餐会に胃痛で欠席しています。

それでも韓国側は、依然、中国を手玉にとったつもりなのでしょう。こういう新聞記事もあります。

安重根記念館に代表団派遣か=5月初旬、日本を刺激も―韓国 時事通信 4月4日(金)11時7分配信

【ソウル時事】韓国紙・韓国日報は4日、中国ハルビン駅に開設された朝鮮独立運動家、安重根の記念館に、韓国政府が5月初旬に代表団を送る方針だと報じた。韓国政府関係者の公式訪問は初めてとなる。(以下略)

もはや、韓国は完全に中国の掌でころがされています。こうしたことを考えるならば、中国という国家に深く根付く計略の体質を甘く見てはいけないということがわかります。中国から発せられる言葉、非難する言葉の中にも、また、甘くささやいてくる言葉の中にも、計略が潜んでいますので、どんな場合でも単純に割り切って考えるのは危険なようです。

このことは、中国に迎合する政治家やジャーナリストも心得ておくべきことだと思います。 つづく

中国と韓国の戦略破綻(7) 狡猾な中国の計略に対抗するには 2014-04-08

中国という国は実に、したたかです。六韜三略(りくとうさんりゃく)や孫子の兵法などで、単に武力を用いるだけでなく、計略づくめで国家や人びとを篭絡させていきます。こうしたことは、諸葛孔明でおなじみの三国志(演義)の世界でご存知のことと思います。

ただし、こういう計略(謀略)の世界観は、日本人にとっては大変苦手なようで、安倍総理以前の自民党政権も、民主党政権も、簡単に中国の計略に引っかかっています。この原因は、おそらく、これまでの政治家たちが、国家の利益よりも、個人の利得、名誉欲などを優先しているからです。その欲望を見透かされて、中国の計略にはまってしまったという結果になったのだと思います。

ですから、田中角栄氏のように利権をちらつかされて言いなりになるか、橋本竜太郎氏のようにハニー・トラップに引っかかって屈服してしまう。こういう私利私欲を優先する政治家たちが、自民党から民主党、さらには社民党から生活の党に至るまで、中国の計略に落ちてしまいました。

なお、中国の手に落ちた政治家を見抜くのは簡単です。誰でもすぐにわかります。ある日突然、媚中派になって、中国の利益を代弁し始めるからです。「沖縄の米軍基地を移転させます」とか「集団的自衛権の行使には疑問がある」とか言っている人ですから見分けが簡単につくでしょう。

こういう人たちは、自民党にも長老を含めて国会議員の中にも存在しますし、また、民主党にも一部の例外を除いて(松原仁さんや長島昭久さんらの十数名)、全員が中国傀儡になっています。ほんのちょっとした言動で、日本の立場に立っているのか、中国の手に落ちているのかがわかるものなのです。

それと余談ですが、中国の外交術にこういうものがあります。

「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。そしてやがては国が滅ぶ。」

これから考えると、中国で大歓迎される日本の政治家は、日本では悪い政治家というのがよくわかります。

さて、日本の政治家の多くがいかに中国に手玉にとられていたのかの事例をもう少し挙げましょう。

1972年の日中国交正常化交渉が始まった時点から、日本の政治家たちは中国の狡猾なやりかたに騙され続けています。田中角栄―大平正芳ラインはこの交渉の妥結を急ぐあまり、周恩来首相(当時)にいともたやすくひねられています。最大のミスである「尖閣諸島棚上げ」を約束してしまい、また、「戦争賠償の請求を放棄」を確認しながらも、別の形での戦争賠償である巨額のODA援助で、中国を巨大な「反日国家」として育て上げてしまいました。田中角栄氏らの罪は重いものがあります。

また、このときの共同声明を見れば信じられないことが書いてあります。

「日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。」

この文言を、歴代の中国指導部は知らないはずはありません。しかし、ただの紙切れの約束としか思ってないでしょう。そうであればこそ、民主党政権時代は、媚中派ばかりだとなめてかかられ、尖閣諸島の侵入や、海上保安庁巡視船への体当たりなど、威嚇攻撃は激しさを増すばかりでしたので。計略の百戦磨中国人にしてみれば、日本人なんて簡単に騙せるとも思っているのでしょう。

倉山満さんの『嘘だらけの日中近代史』の冒頭にこんなこと書かれています。

中国を理解する三つの法則を覚えてください。
一、力がすべて
二、陰謀でごまかす
三、かわいそうな人たち
つまり、ただひたすら殺伐としているのが中国なのです。徹頭徹尾、暴力や金銭、あるいは社会的立場など、自分と相手のどちらが強いかだけを計算して行動します。この点で、世界一の冷徹さを持つ民族です。日本人など到底、及びもつきません。弱肉強食、万人の万人に対する闘争こそが中国大陸の本質です。

こう考えていきますと、唯一、「中国人とは接しない」という以外には方法がなくなってしまします。しかし、これだけ、地球規模での人びととの交流が始まる時代では、このような逃げ腰は許されるはずもありませんし、また、中国の計略に侵食される世界の人びとを見捨てるわけには行きません。中国の「悪の拡大」を阻止せねばなりませんから。

ただ、幸いなことに、中国が手も足も出ない戦略を打って出ている方がおられます。安倍総理です。

なぜ、安倍戦略が有効なのかということを考えますと、安倍総理には私心がないからです。これが、中国にとっては一番苦しい。私心があれば、金銭面やハニー・トラップなどの人間の欲望に対しての攻撃を仕掛けて篭絡してしまえるのですが、私心がないと攻撃できない。

そもそも計略の前提が成り立たないことになります。その場合の唯一の計略は、「悪口を言って、周囲を動揺させる」という方法しかとれません。当然、その悪口を聞いて中国と一緒になって悪口を言う人は、勿論、中国の傀儡ですが・・・ 安倍総理への悪口はリトマス試験紙みたいなものなのかもしれません。

このように、国家の指導者に私心がなければ、その国はなにも恐れるものはありません。さらに、中国という国が計略を得意とするということを見抜いていて、いまは何の計略を使っているのかを知った上で、中国と接すると中国はお手上げになります。計略は計略と見抜かれた瞬間にその有効性を失いますから。

中国が、もし、「虎の巻」で有名な『六韜』を使うのでしたら、こちらも『六韜』の本質を使えばいいだけのことです。「中国という小人」には「君子の心構え」で臨めば、中国は対抗できません。「文韜」にはこうあります。

・君子の楽しみは志を実現すること、小人の楽しみは物を得ることである。
・天下の利益を共有しようとすれば天下を手中に収める事ができるが、独り占めにしようとすれば天下を失ってしまう。
・前に進んで人と争ってばかりいてはいけないし、後に退いて責任逃れを事としてもいけない。
・誠というのは天地神明に通じるもの、ましてや人間に通じないわけがない。

中国の計略をいち早く見抜いて計略を無効にして、己の欲得なく、国家の大義のため動くことこそ、これからの日本に求められるものになるでしょう。これが、国際社会で尊敬される国家になるための指針だと思います。 (了)
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