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韓国の原発が危うい…「部品不良」「品質偽造」で故障頻発

2014.2.18 08:00

 韓国の原子力発電所で稼働停止が頻発している。タービン発電機の故障など致命的な問題には至っていないが、「トラブルが多すぎる」(関係者)と指摘。韓国の原発をめぐっては部品の性能証明書が偽造されるなど不祥事もあり、2035年までに5~7基の原発を追加建設する基本計画をまとめたものの、その安全性を懸念する声が出始めている。

 ■3カ月連続で稼働停止する原発

 朝鮮日報(日本語版)によると、韓国の電力事業者で原発や水力発電所などを運営している韓国水力原子力は1月29日、慶尚北道蔚珍郡のハヌル原発5号機が自動停止したと発表。放射能漏れなど致命的な問題は起きなかったが、これで韓国の原発は昨年11月の古里1号機、同12月のハンビッ3号機と3カ月連続で稼働停止した。

 いずれも原子炉などへの影響はなく、故障は軽微とはいえ、それでも毎月のようにどこかの原発が止まっている。こうした状況もあり、朝鮮日報は昨年12月8日付で『昨年1~10月の原発利用率は75・2%と1988年(73%)以来の低水準にととどまった』と報じた。

 全原発が稼働停止している日本では、火力発電所が想定外のフル稼働を余儀なくされ、トラブルで停止する事例は少なくない。しかし、原発は火力ほど故障が頻発することはなく、日本の電力関係者も「原子力技術は世界共通で確立しており、韓国が特に原子力の技術が劣っているというわけではないと思う」と分析する。その上で「韓国は原発の安全性に対して極端な甘さがある。日本に比べ、品質保証やチェック機能の仕組みが全く根付いていないことは明らかだ。今の日本ではありえない話」と厳しく言い放つ。

■同じ日に2基が停止する異常さ

 この言葉通り、2011年以降、韓国では原発が稼働停止するケースが急増している。12年10月には同じ日に新古里1号機とハンビッ5号機がそれぞれ故障で停止する、という異常事態に陥った。その後も稼働停止は同国内の原発で相次いでいる。

 韓国では、1978年に古里1号機が商業運転を開始以来、23基の原発を保有している。初期の原子炉はほぼすべて海外企業の建設だが、90年代半ばからは国産技術による建設が中心になりつつあるとみられる。

 稼働停止の背景には、前出の関係者が指摘するように安全性に対する甘さとともに、原発をめぐる不祥事も関係している。

 ■原発部品約1万点の品質が偽造

 11年11月にはハンビッ5、6号機で偽造部品の使用が発覚し、同国原子力安全委員会が長期的な運転停止を指示。中国の新華社日本語経済ニュース(電子版)によると、韓国で過去10年間、原発建設のために仕入れられた部品のうち1万900点超の品質合格証書が偽造された疑いがあるという。

 昨年6月には性能証明書が偽造された不良部品が使われていた事件で、韓国検察が韓国水力原子力の本社などを家宅捜索し、幹部が逮捕。韓国で頻発する原発停止は「問題」というよりも「事件」であり、偽造部品の使用が同国の原発の安全性を著しく低下させている。

 全23基のうち7基が故障などで稼働停止(昨年12月時点)に追い込まれる中、韓国政府は今年1月、2035年までに総発電量に占める原発比率を現在の26%から29%に高める「第2次国家エネルギー基本計画」を決定した。この比率向上には5~7基の原発を追加建設しなければならないが、「品質保証など原子力の安全を揺るがす事件が起きているのにもかかわらず、原発をやめたくてもやめれない経済的な事情が韓国にはある」と別の日本の電力関係者は話す。

 国民の不満が噴出しているものの、輸出産業が主力の韓国では、いまなお一部の財閥系製造業を優遇している。前出の関係者は「原発をいかに多く稼働させ、いかに多くの電力を生み出すかということしか見えていない。原発に対して安全を疑ったとしても立ち止まれず、前に進むしかないという風土があるのでは…」と指摘する。

 ■建設中の原発2基に不備発覚

 このため、稼働中の原発トラブルだけでなく、朝鮮日報によると、昨年10月には建設中の新古里3、4号機ではケーブルに不備が見つかり、両機とも完成時期が半年から1年ほど遅れることになったという。これも原発の安全性に対する甘さとみられ、第2次エネルギー基本計画の実現性について「今の安全性の認識では、事故や品質偽装など同様のスキャンダルが多発するのではないか…」(関係者)と懸念する。

 電力を多く使用する夏と冬、韓国では毎年のように電力不足が懸念される。突然のブラックアウト(大停電)が起きれば、国民生活だけでなく、製造業へのダメージも大きく、それは韓国と貿易関係のある欧米アジア各国にも影響を及ぼすことになる。また、韓国は原発ビジネスを積極的に進め、輸出にも注力しているだけに、安全認識の低さに警鐘を鳴らす関係者も少なくない。

 過去の稼働停止はタービン関係などの故障で、原子炉への致命的な問題はないが、「日本では考えられないような安全性の甘さや不祥事が発生しており、いつ重大事故につながっても不思議ではない」と日本の出如区関係者は危惧(きぐ)する。
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