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赤峰和の「アジア各地での緊張状態をどうみるか?」

2014-05-24 00:30:00

現在、アジアでは朝鮮半島での砲撃、中国での内乱寸前の状況、中越間の紛争、タイ軍部のクーデターなどか起きていまして、アジア各地はかなりややこしい状態にあるといえます。これらの事象をどうとらえるかという問題がありますので、ここでは、中国、朝鮮半島問題に絞って解説していきたいと考えます。

この中で一番問題となるのは、5月22日の中国北西部の新疆ウイグル自治区ウルムチ市内の朝市で起きた爆発事件です。31人が死亡し、94人が負傷したと報道されています。事件は http://sankei.jp.msn.com/world/news/140522/chn14052213400005-n1.htm 参照。

中国の習近平国家主席は4月下旬、同自治区を視察したその日に爆発時件が起こり、テロ対策の徹底を指示したばかりでした。そして、CICA首脳会議(※1)で、「中国は新アジア安全観の提唱者であり実践者だ」と強調したその日に再びテロが発生したことは、習指導部にとって大きな痛手となりました。国内においても、国際社会においても指導者としての権威と面目を失ってしまったからです。

(※1)CICAアジア信頼醸成措置会議:アジア地域の相互協力と信頼醸成を推進するため1992年にカザフスタンのナザルバエフ大統領が提唱した国際会議。首脳会議は今回が4回目で、2014~16年の議長国は中国が務める。加盟しているのは中ロ、中央アジア諸国、中東、南アジアなどの24カ国・地域で、日米両国など13カ国・機関はオブサーバー参加している。20~21日に上海で開かれる首脳会議には11カ国の国家元首と首相1人が出席する。(時事ドットcomから引用)

当ブログも「新疆ウイグル爆発、習政権、韓国と同様の危機に陥る」で中国専門家の意見を次のように述べています。

・国家主席が直接出向いてパフォーマンスをしたばかりなのに、実際には警察が何の役にも立たず、事件を未然に防ぐことさえできなかったと言うことが、一番のショックだったわけです。
・簡単に警備体制を破られてしまったわけですから、実際には軍はもとより、警察に対するコントロール機能も失っているようです。
・統治能力が無いのに、侵略ばかりしたがる中国の実態がさらけ出された事件のようです。
・政府はあまり智恵がないので、さらに強圧的な体制を敷いて弾圧を強めるようです。実はそれが中国政府の命取りとなるようです。

おそらく、この爆発事件は残念ながら連鎖反応が起きるでしょう。それに対して中国政府が弾圧を加え、それに反発する人々がまたテロ事件を起こすという負の連鎖が続くはずです。これは、中国という帝国主義国家が自らの領土拡張欲を諦め、本来の中国の領域までにもどらない限り、永遠に続いてしまうでしょう。モンゴル自治区、旧満州と言われる東北三省、チベット、そしてウイグル、さらには中国が現在手を伸ばしている東シナ海、南シナ海からの完全撤退以外、中国は紛争の煩いを避けることはできないのです。

倉山満さんの《中国の歴史サイクル》に当てはめますと、中国は、まもなく内乱にいたるという段階に来ている」ということがわかります。

《中国の歴史サイクル》 1:新王朝の設立⇒2:功臣の粛清⇒3:対外侵略戦争⇒4:漢字の一斉改変と改鼠歴史書の作成⇒5:宦官、閨閥など皇室側近への跳梁⇒6:秘密結社の乱立と農民反乱の全国化⇒7:地方軍閥の中央侵入⇒8:1から繰り返しです。

現段階が6にすでに入っているのはお分かりの事と思いますが、農民反乱(民族独立運動含む)は報道されていないだけで(報道規制による)、いまは頻繁に起きているといわれています。

しかも、中国に詳しい専門家筋によりますと、当ブログ「中国とロシアは蜜月???」の中で

「要は軍が先行して勝手に動き回っている状況です。中国共産党は『軍が勝手にやっている』とは言えないので苦悩しているようです」。と分析していまして、習主席は、「中国共産党中央軍事委員会主席」として軍部を掌握する立場にあるのですが、完全に統制する能力を欠いているようです。

そうなれば、前述の倉山氏の歴史サイクルに当てはめれば「7:地方軍閥の中央侵入」となり、その時期については何ともいえませんが、中国も国家分裂にいたる可能性が高くなってきたといえるでしょう。

但し、その場合、注意しなければならないのは、そうした分裂や国内の不満の目をそらすために暴走を始める可能性が高くなったともいえます。つまり、ナショナリズムを喚起して、隙があればそこをつついてくるということをしますので、警戒を怠ってはいけません。日本においては、尖閣周辺と朝鮮半島の動向には目を光らせておかねばなりません。

さて、次に、朝鮮半島情勢ですが、北朝鮮の砲撃と韓国の応戦のニュースが駆け巡りましたのでそれを簡潔に述べます。まずは、報道から。
北朝鮮、韓国艦近くに砲撃 応射も被害なし 北方限界線南側海域 msn産経 2014.5.22

韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮の朝鮮人民軍が22日午後6時(日本時間同)ごろ、黄海上の南北軍事境界線と韓国が位置付ける北方限界線(NLL)の南側海域で哨戒活動をしていた韓国軍の艦艇付近に砲弾2発を撃ち込んだ。同艦艇はNLL周辺の北朝鮮艦艇近くに5発を応射した。双方に被害はなかったもようだ
この問題については、いまのところ、北朝鮮による挑発、もしくはパククネ政権への揺さぶりと見られますので、これで朝鮮戦争の再開に至るとは考えられないと推測しています。もし、北朝鮮が韓国に侵攻するなら、地下トンネルを通じて瞬時に青瓦台を占拠していたはずです。

金正恩第一書記にとって、いまの韓国の状態では、「併合してもデメリットの方が大きい」と考え始めたようだとの情報も寄せられています。但し、情勢と言うものは、何かの弾みで瞬時に変わるものですから、警戒だけは怠りなく続けねばならないでしょう。

なお、一部の報道で、沖縄県久米島沖での「大きな噴煙を見た」という話が流れましたが、どうもこれは、「米軍による中国を意識した爆撃訓練のようである」との情報がよせられています。

また、タイの軍部のクーデターは、国内を二分した争いに収拾をつけようとしたものと思われます。また、中国とベトナムについては、いまは小康状態になっているようです。

ところで、こうした状況について、専門家にご意見を伺いましたので読者にご報告します。

・中国政府はテロの犯行としていますが、反政府活動がテロ化しているわけです。
・今回報道されているのは、都市で起きた事件で、衆目の前で発生していますので報道しています。
・実際の死亡者数は50数名に上っています。
・実は地方では連日反政府活動が頻繁に発生し、もっと多数の死傷者が出たり、役人が殺害されたりしている事件も多発しています。
・軍が市民に加担したりした「反乱事件」とも言える事態もあったようです。
・原因は「格差と役人の腐敗」なので多くの国民も活動を支持しているようです。
・つまり「自分たちの犠牲の上に政府の役人は金を手に入れ威張っている」と反発するのです。
・中国政府は国家として「行政の改革による解決策」を講じることが出来ず、相変わらず力で弾圧することだけを考えているようです。

・朝鮮半島では昨日、北朝鮮が韓国軍に向けて砲撃したと伝えられていますが、北朝鮮が先に砲撃したことは事実のようです。
・ただし問題は、北の砲撃に対し韓国軍が応射するまでの時間が長すぎたことにあります。
・北の砲撃に対し即応できず40分近くかかっていたようです。
・韓国政府も「軍よ、お前もか」との批判を恐れ発表を控えているようです。

・タイのクーデターは軍による一時的な収拾策と見てよいと思います。
・タイの国王が出てきて軍部との調整を図り、改めて国民選挙による政権が出来るようです。
・タイ国王はかなりの高齢ですが、まだ国民の信望は厚い人のようですので解決の糸口が見出されるようです。

・ベトナムは政府も国民も中国のやり方には怒っています。
・勝手な掘削作業は絶対に阻止する構えでいます。
・中国は面子があり撤退しないつもりですが、掘削作業はまったく進みません。
・ベトナムは「中国には絶対負けない」という妙な自信もありますので、中国としても力だけで押していくには相当なエネルギーが必要になります。
・中国はアジア首脳会議(CICA)での習近平の声明もあり、いずれ撤退せざるを得ないようです。
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