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中国の地方都市が初デフォルト 運悪く巻き込まれる韓国

東京のはじっこで愛を叫ぶ 2014-06-27

意外な展開です。地方政府のデフォルトは影響が大きいため、中央政府が救済すると見られてました。

と言うのも、地方政府は地方債の発行が認可されてないため、地方政府資金調達事業体(LGFV)の運用する債券で資金を調達してました。このLGFVが理財商品の一部を発行していたのです。地方政府がバックにあるからこそ、デフォルトの可能性は無いと考え、たくさんの人が理財商品を買いました。

また、日本の夕張市やアメリカのデトロイト市のように、地方政府の破綻は、市民生活に甚大な影響を与えます。中央政府の責任も大きく、助けないわけがないと考えられていたんですね。

しかし、日本の会計検査院に当たる部署が、今月の24日になって、9都市でデフォルトが発生していたことを公表したのです。

「中国9省でデフォルト 300兆円超の債務爆弾」
審計署トップが24日、全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会で行った予算執行と財政収支報告で明らかにした。省名など詳細は明らかにされなかった。財政が悪化した9省で計579億3100万元分は債務借り換えなどで返済したが、最終的に8億2100万元分は償還期限が過ぎても返済できなかったと いう。

http://news.infoseek.co.jp/article/26fujizak20140626012

579億元を、8億元まで縮小したのですが、日本円にして約134億円分間に合いませんでした。しかも一気に9都市です。
中国の中央政府は、この134億円の内訳に大きな企業や、幹部の財産に影響しないと判断したということなんでしょうか?
でも、地方政府が担保しないことに、納得できる市民は少ないでしょう。中央政府は、まだ事態を軽く見過ぎている気がします。

■借り換えで延命する地方政府の未来

「中国のマンハッタン化に影落とす幽霊ビル-投資ブームの後遺症」
同地区の開発に関わった天津市の地方政府資金調達事業体(LGFV)は、13年の収入が68%減少し、今年返済期限を迎える債務の3分の1にも満たなかったことを明らかにした。

スタンダードチャータードの大中華圏調査責任者、スティーブン・グリーン氏(香港在勤)は、「いずれは報いを受けることになるだろう」と指摘。LGFVが 銀行融資返済のために債券を発行していることは単なる「時間稼ぎ」だと述べ、銀行救済や公的資金注入による資本増強などで「国民はつけを払うことになる」 との見方を示した。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7T2XK6KLVRC01.html

地方政府の財源は、理財商品で手に入れた資金で土地開発を行い、その売却益で債務返済してきました。しかし、土地バブルに便乗して開発しまくった結果、在庫が溢れかえり、今暴落の一歩手前まで来ています。開発した不動産が売れなければ、財源不足に陥り、発行していた理財商品はデフォルトを起こします。

上記の記事の通り、借り換えはその場しのぎの対策であり、いずれ破綻を迎えるでしょう。地方政府は、現状を打開するため、規制緩和を行い、販売促進しようとしました。

「中国地方都市、不動産規制の緩和決定取り下げ」
フフホト当局は先週、ウェブサイトで、住民登録の有無にかかわらず2戸以上の住宅購入を容認する方針を発表。また優遇金利で取得できる住宅ローンの上限も、これまでの30万元から50万元に引き上げた。

しかし、ロイターが確認したところ、この通告は25日午後までに削除されていた。

地方政府にとっては、不動産市場が活況であれば土地の売却収入増が見込まれる。そのため不動産セクターの支援策をとることが多いが、こうした地方政府の政策は一部、中央政府によって阻止されたという。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0F105120140626

せっかく開発した不動産が値崩れしたのでは、地方政府の債務は拡大するだけです。そこで、中央の方針に逆らい、2戸以上の住宅購入を推進しようとしました。しかし、国民全体に新たな不動産を供給したい中央政府は、不動産価格が適正価格まで落ちてくる現状は、歓迎する事態です。

結果、地方政府の規制緩和策が、途中で撤回される騒ぎとなりました。では、破綻寸前の地方政府の問題を、中央政府はどう解決しようとしているのでしょうか?

「中国大手企業にバタバタと連鎖倒産の危機」
中央政府は2009年の4兆元の財政出動の時のような救済策を出してはいない。その代替策として「限購令」の解除や、「棚戸区」と呼ばれるスラム街の再開発、公共住宅普及の強化などを挙げ、実需層の掘り起こしを狙う。だが、これもまた固定資産投資であることに変わりはなく、過剰な不動産を増やすだけ、という結果になりかねない。

 不動産投資は、中国人にとってはいわばアヘンのようなものかもしれない。「不動産の下落によってもたらされた信用危機を、また不動産で解決しよう」というのだから、依存症は重篤化していると言わざるを得ない。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40893?page=5

この機会にスラムを再開発しろよ、というわけです。狙いはわかりますが、こういう事業は旨味が少ないものです。また、不動産の下落によって起きている危機を、不動産で解決するのはまず不可能でしょう。

中国の中央政府は、莫大な資金を保有しており、それを放出すれば波は乗り切れると専門家は見ています。でも、どうも事態に対する対処法が場当たり的になってきました。本当にこのままで、ソフトランディングできるのでしょうか?

■囁かれる9月危機説

「中国、不動産のチキンレース 最初にたじろぐのは誰か」
不動産情報の調査会社の幹部は「今や膠着(こうちゃく)状態になっている」と述べ、「開発業者たちは、政府がひとたび成長への圧力に屈すれば市場が近く底入れするとの見方に賭けている」と語った。

 買い手は譲歩する公算はほとんどないようだ。今年1-4月の不動産売買は金額ベースで10%減少した。人々が様子見姿勢をとり、安値になるまで手控えているためだ。

中国政府は、地方政府が土地収入に依存しないように説得しようとしている。しかし収入不足を直ちに埋め合わせることは困難だ。在庫が12年2月にピークに達した後は政府が介入し、利下げして通貨供給量を増やした。

海外中心の不動産ファンドのジェリー・ワング最高経営責任者(CEO)は「通常、開発業者は、市況の下降が始まって約6カ月ないし1年でキャッシュフローの問題に直面する」と述べ、「9月以降、広範な投げ売りになると予想している」と述べた。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304817704579593240382073848

中国の銀行で取り付け騒ぎがあったように、市民レベルにもジワリとした不安感が広がっています。それが臨界点まで達したとき、クラッシュが起きるのです。

そうした市民マインドが本当にわかっているのか、中国政府に見え隠れする見通しの甘さが気になります。

■中国の金融担保不正が更なる影を落とす

「中国の「二重担保」捜査、金属市場に波紋」2014/6/13
ある中国企業が複数の銀行に対し、同じ量の金属に重複して抵当権を設定しているのではないかと地元当局が調査を始めたのだ。家主が一つの家を担保に複数の貸し手から融資を引き出すようなものだ。潜在的な損失は数億ドルに達するとみられ、銀行やトレーダーは状況の把握に追われている。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1302D_T10C14A6000000/

理財商品の担保の一つとなっていた、鉱物資源。鉱物を担保に金を借り、運用して鉱物の在庫を積んでいる倉庫ごと支払う方法が広まっていました。借りる金利より、中国の通貨「元」の上昇の方が高かった上に、鉱物の価値自体も上昇し続けていましたから、なんのリスクも無く錬金術のように利益を出せたんですね。

しかし、中国の景気は低迷を始めました。通貨「元」の上昇も止まったことで、担保の現金化が始まります。そこで2重担保という詐欺が発覚したのです。

この鉱物担保不正疑惑が、更なる進展を見せました。

「中国:偽装された金取引、融資944億元の裏付けに-審計署報告」2014/06/27
中国の審計署(会計検査院に相当)は、偽装された金取引が944億元(約1兆5400億円)相当の融資の担保となっていることが判明したとする報告書をウェブサイトに公表した。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7RLDQ6JTSEA01.html

金の他、アルミニウムでも不正担保があったと報道されています。この不正担保問題がこれからも拡大すると、鉱物担保によって融資を行ってきた海外の金融機関が、一斉に融資を引き上げにかかる可能性があります。

また、既に銅や金の相場が下落を始めており、金を財産化してきた人は、多大な被害を受けることになるでしょう。

こうした中国の危機に、「運悪く」巻き込まれてしまったのが、お隣の韓国です。

■景気低迷で、『金』に走った韓国の悲劇
韓国が景気低迷により経済に打撃を受けているのは、ご存知の通りです。

中国の理財商品の一部が、鉱物を担保にしていたせいで、金を筆頭とする鉱物資源は高値を続けてきました。そのため韓国では、銀行金利より有利な『金』に注目が集まり、金投資の大ブームが2013年に起きていたのです。

「韓国で金買い入れブーム、海外大口投資家は疑問視(1)」2013年03月11日
おかしなことだ。海外の大口投資家は金の割合を減らしているのに、韓国では金買い入れ熱風が吹いている。

数日前に新韓銀行プライベートバンキングセンターの担当者は1日中金のインゴットバーを求めるのに冷や汗を流した。ある老紳士が訪ねてきて100億ウォン分を買うと言ったためだ。彼は「全財産を金に変え、死ぬ時に子どもに税金の負担なく相続する」としてインゴットバーを買っていった。

http://japanese.joins.com/article/210/169210.html?servcode=300§code=310

まさか1年後に金相場が下落するとは、韓国の人たちも考えてなかったでしょう。

他にも、韓国は鉄鋼などの輸出や観光の呼び込みなど、中国との関係を深めてきた最中でした。最悪のタイミングで中国の危機が、韓国を巻き込もうとしています。

外から見ると、ヤバいことこの上ない状況ですが、当事国ではそうは感じていないようです。

中国のキャッシュ保有額を見ても、いざとなったら先に危機を迎えるのは韓国になるかもしれません。周辺国も、ただでは済まないだけに、今から心構えが必要そうです。
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