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世界の枠組みの中心であるアメリカが機能しないという悪夢

BLACKASIA 2014-07-30

世の中には、「大きな枠組み」というものがある。現在の世界は、アメリカを中心とした中で世界が動くという「大きな枠組み」によって動いている。

その前は、イギリスを中心とした中で世界が動くという「大きな枠組み」があった。さらにその前はスペインを中心とした「大きな枠組み」があった。

この「枠組み」の中で世の中が動いているときは、世界を巻き込む激動は比較的抑えられていることが多い。要するに均衡(バランス)が保たれている状態だ。

しかし、中心となる国が何らかの原因で弱体化するようなことになると、抑えが機能しなくなる。その結果、あちこちで動乱が起きて、世の中が激動の渦に巻き込まれる。そして、世の中が大きく変わっていくことになる。

現代の社会がアメリカを中心として「大きな枠組み」ができているのだとすれば、アメリカが弱体化すればその「大きな枠組み」が機能しなくなる。そして、世界は徐々に動乱に向かって行くのである。今、世界はそのようになりつつある。

アメリカ自身も、ひどい状況に陥っている

ここ数年来、第二次世界大戦後の秩序が次々と崩壊していることに気がついているだろうか。

現在、イスラエルとパレスチナの暴力が再燃しているが、他にもシリア、イラク、リビアと、アラブ圏の大混乱がどんどん拡大している。これに、ウクライナを挟んでロシアと欧米が激しい対立を見せるようになってきた。

東アジアも2010年から一気に領土問題が先鋭化して、日本、中国、韓国が激しく対立しようとしている。2012年は中国でも反日暴動が吹き荒れたが、今後も暴力的な事件も起きて、さらに状況は悪化するのは間違いない。

そして、「大きな枠組み」の中心となっているアメリカ自身も、ひどい状況に陥ろうとしている。

オバマ大統領はまったく戦争できない大統領であることが露呈し、アメリカはもう外交的に機能していない状況だ。また、国内でも、移民問題から格差問題まで、何ひとつ解決することができないまま、いたずらに時間を消費している。

グーグルやアップルは好調だし、アメリカが崩落するなんて嘘だという意見もあるかもしれない。

しかし、アメリカは2008年まで金融工学で金融立国を成し遂げたと胸を張っていたが、これらはすべてリーマン・ショックで吹き飛んだことを忘れてはならない。

その頃、「シティやバンカメは好調で、それらは世界最大の時価総額を持つ銀行群だ」とアメリカは誇っていた。それが、一瞬にして吹き飛んだのが2008年9月15日だった。

それ以来、アメリカは迷走に次ぐ迷走を繰り返して弱体化の道をひた走っているのである。その結果、第二次世界大戦後の秩序が次々と崩壊しているのが現代の姿である。

一国の深刻な問題が、次々と周辺国に連鎖する

アルゼンチン、ベネズエラ、ホンジュラス、ブラジルのような南米の新興国も、先進国の経済停滞で成長が失速しており、行く末を危ぶまれている。

中国もまた一党独裁の弊害が国内問題として現れている。今や国内でテロから暴動から環境破壊までが、国そのものを崩壊させかねないほどの危機になっている。

結局のところ、世界は経済で結びついてしまったのだから、一国の深刻な問題が、次々と周辺国に連鎖していき、まとめてすべてが駄目になる。

アメリカ中心主義の中で、アメリカが失速するにつれて、世界中で暴力と対立が先鋭化する。その結果グローバル経済そのものも立ちゆかなくなる。

そして、グローバル経済の一角でどこかの国が大失敗してしまったとき、全世界がそれに巻き込まれていく。アルゼンチンが今、国家破綻に最も近いのだが、アルゼンチン以外は問題がないのかと言えば、すべての国が問題を抱えている。

当のアメリカですらも例外ではない。アメリカはここ数年、何度も債務上限の問題でデフォルト危機に陥っているが、そうやって世界の中心が弱体化しているのである。

世界に君臨していたアメリカが追い詰められている。今後、よほどうまく立ち回らないと、アメリカはツケが払えなくなって首が絞まる。

これは日本も例外ではない。例外どころか、日本は世界でもっとも累積債務を抱えた国であるのは誰でも知っている。

日本政府はこの累積債務を消すために、消費税をアップしてツケを返すのだが、消費税を数%アップしたところで、1000兆円を超える債務は返せない。

最終的に、日本国民は貯めていた現金のすべてを、インフレや増税によって政府に取り上げられることになる可能性もある。

いったん問題が起きると、世界中が巻き添えになる

うまくいっているときはいいが、いったん問題が起きると、それが世界中を巻き添えにしていくのがグローバル経済である。全世界が「つながった」のだから仕方がない。

グローバル経済は、トラブルが玉突きのように連鎖していくシステムなのだ。だから、経済危機や経済情勢悪化のような問題は伝染病のように世界に広がる。

これは、アメリカと中国が入れ替わったら問題が解決するという単純なものではない。

今の世界の「大きな枠組み」はアメリカを中心として作られたものなのだから、アメリカが弱体化したり崩壊したりすると、世の中は根底から変わってしまうのである。

資本主義もグローバル経済もアメリカを中心とした枠組みの中で生まれ育ったものだから、そういったものがアメリカの崩壊と共にすべて消え去ったとしても不思議ではない。

アメリカが弱体化するというのは、「大きな枠組み」そのものが消え去るということだ。

アメリカを中心とした枠組みが機能しないと分かったら、世界は均衡(バランス)を崩してしまう。抑えが機能しなくなり、あちこちで動乱が起きて、世の中が激動の渦に巻き込まれる。

世界を見れば、現に今、そうなっているのだ。

アメリカは、オバマ大統領の指揮下にある限り、この弱体化から逃れることはできない。

かと言って、次の大統領が誰になるのかはまったく誰にも分からないので、オバマ大統領が下野したところで、その瞬間にアメリカが立ち直ると決まっているわけではない。

世界の枠組みの中心であるアメリカが機能しないという悪夢を、私たちは見ているのである。

果たして、アメリカは再び輝きを取り戻せるのだろうか。それとも、凋落して世界は動乱に落ちるのだろうか。ここ数年来、状況は芳しくないのは事実だ。
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