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韓国、経済停滞で動転「日本」へ融和姿勢「模索」始まる (いまさら韓国に配慮する必要はない)

勝又壽良 2014-08-21 04:55

韓国外交が日本の重み知る 日韓関係の安定が全て支配

あれだけ自信満々だった韓国が、経済停滞が鮮明になるとともに、すっかり自信をなくしている。先に、約4兆円の緊急経済対策を決める(法案化の段階)など、景気テコ入れに本腰を入れている。頼みのサムスンは、4~6月期の営業利益(連結決算)が前年比で3期連続の減益になっている。他産業も軒並み不調である。

慰安婦問題では、朝日新聞が「誤報」を認めたことで、韓国の「反日」への勢いが削がれてしまった。日本国内では、早くから朝日新聞の誤報が明らかにされていた。当の朝日新聞がそれを頑として認めず、逆に騒ぎを大きくし国際的な日本批判を招いたのだ。朝日の慰安婦報道は、これまで韓国にとってまたとない「援軍」であった。それが、朝日による「誤報」承認で、支え棒が消えてしまった。その衝撃たるや、まことに大きなものがあるのだ。

先ず、韓国が経済面での日本の重要性を再確認してきた事実を紹介したい。

私は8月14日のブログで、韓国経済が「反日」の限界を知って、目を覚まし始めたと記した。その一部を再録する。下記記事の筆者は、鄭徳亀(チョン・ドック)氏は、韓国政府の元産業資源部長官である

① 「韓国の命綱であり東アジア産業協力の輪である付加価値の鎖の移動経路は、日本から始まって韓国を経て中国と東南アジアへと反時計回りに移動する。実事求是(注:事実に即して真理・真実を探求すること)的に判断すると、韓国は付加価値の鎖の流れに存在するどの国とも対立して生きる余裕はない。特に特定の国とさらに近いため、他の国と遠ざかれば、国益の損失を甘受しなければならないだろう。韓国は鋭い洞察力と均衡感覚を持ち、中国が抱える内的危険要素を考慮しながら、経済的利益の均衡と外交安保的勢力の均衡全体を見て、『連米和中』の基本立場を堅持していけるよう忍耐心を持たなければならない」。(韓国紙『中央日報』8月2日付け)

韓国の命綱は、言うまでもなく経済である。具体的には技術開発である。その「始発点」は日本であると明確に認識している。日中関係が悪化しているなかで、「中韓」が親密な関係を構築すれば、当然に日本が反発する。そうなると、日本企業は韓国への進出を抑えるし、日本から韓国企業への技術移転は起こらない。韓国は中国と親密になることによって、とんだ代償(コスト)を払わせられる。つまり、日本の「反発」を十分に考量して、慎重な外交的対応が必要だと言っている。日本経済については、IMFからも評価されているのだ。中国は、相変わらずの「めちゃくちゃ」な日本経済批判である。公式機関から見ると、次のように専門的な高い評点が与えられている。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は7月29日、IMFが最新の世界経済見通しのなかで、日本の2014年成長率予測を引き上げた。これについて、「アベノミクス効果の反映であるのは明白だ」と述べたのだ。IMFは、日本の今年の成長率を1.6%と4月時点の予測より0.3ポイント上方修正したのである。ラガルド氏は、6月にまとまった成長戦略第2弾の内容からみて、「第3の矢への批判が日本政府にも伝わり、段階的に実行に移されている」と前向きな見解を示した。

IMFは韓国経済に対して、次のように指摘している。経常収支黒字の対GDP比が、輸出増加と輸入減少によって、2012年の4.3%から昨年は6.1%まで上昇した。この点が批判されている。IMFは2%を推奨水準としているからだ。韓国は、IMFから辛口のコメントを受けた。一方、日本が高い評価を与えられた。

何かにつけて日本と張り合う韓国にとって、プレッシャーを受けたことは疑いない。改めて、アベノミクスへの見直しムードを高めたのだ。これは同時に、韓国の対日外交見直しに繋がっていることは間違いない。韓国外交は、現金なもので「日本復活」に賭けはじめたとも言える。再び、中国から日本への「乗り換え」が始まったと見て良い。強そうな側に立つ。こういう国民性なのだ。

韓国外交が日本の重み知る
韓国紙『中央日報』(8月11日付け)は、「韓国、外交の危機は日本から来る」との記事を掲載した。

② 「外交が国家間の疎通だとすれば、韓国外交は危機にある。日本とは2012年8月、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島(ドクト、日本名・竹島)を訪問して以来2年間、首脳会談が開かれていない(今年3月の韓日米首脳会談除く)。北朝鮮との非核化交渉は途切れて久しい。6カ国協議も2008年12月が最後だ。幸い韓米・韓中関係は良いが、いつも危険な綱渡りだ。そこで国内外の外交専門家30人(日米中専門家9人含む)に大韓民国の外交の現在と未来を尋ねてみた」。

韓国は、これまで一貫して対日外交では「高姿勢」であった。韓国外務大臣は、駐韓日本大使と一度も会わなかった。むろん、岸田外務大臣とも一対一の会談を避けてきた。理由は、日本が「歴史認識」を改めない限り、「会ってはやらない」という高飛車な態度である。それが、すっかり様子が変わってきた。先にミャンマーで開かれた日韓外相会談では、韓国も今後は定期的に会談することで合意した。まさに、「豹変」である。

「外交が国家間の疎通だとすれば、韓国外交は危機にある」と言っている。韓国が、日本との会談を拒否してきた結果である。日本へ高飛車に出ていたが、気がついたら周辺の状況がすっかり変わった。そのことに危機感を表明したものだ。思い出しても不愉快になるほど、韓国は、大統領を初めてとして外務大臣にいたるまで、日本を格下国家扱いしてきた。その度ごとに、私は韓国の子供じみた態度を批判し続けてきた。韓国の態度の裏には、「日本経済弱し」と見くびってきたことは疑いない。

「外交の裏に経済あり」というのは、私の一貫した外交論だ。経済がしっかりしていないと、外交面でも他国から侮りを受ける。中韓が揃って、外交面で日本を見くびったのは、日本経済が傾きかけていた結果である。中韓を「恨む」よりも、経済を不安定に陥れた日本政治の不甲斐なさを批判すべきかも知れない。その意味で、小沢一郎氏の権力闘争一筋の政治行動は、大いに批判されて当然なのだ。

③ 「専門家たちは、韓国外交の危機が日本との関係から来ていると答えた。最も至急に解消すべき脅威だとも述べた。特に日中関係の場合、今より改善しようが悪化しようが、すべて韓国に否定的な影響を与える恐れがあると評した。日中関係が悪くなると否定的な影響を与えるという回答は全体の半分近い14人だった。実際に起きる可能性を、『1点(可能性がほとんどない)~10点(必ず起きる)尺度』で尋ねると、平均5.5点だった。専門家の中の12人は、日中関係の改善も韓国外交にとって負担になりうると答えた。北朝鮮と日本の関係改善も、韓国外交のリスク要素だと見た。現実化する可能性も平均5.2点になった。韓国に及ぼす影響を『1点(非常に否定的)~10点(非常に肯定的)尺度』で尋ねると平均2.8点で、非常に否定的だった」。

韓国内外の外交専門家30人(日米中専門家9人含む)のアンケートによれば、「韓国外交の危機が日本との関係から来ている」と答えたのだ。これは、きわめて意外な結果と言うべきかも知れない。韓国は、日本を「スルー」して中国へ接近して、「これ見よがし」の振る舞いをしてきた。現実は、冒頭に上げた「技術伝播」が日本を起点として始まり、韓国へ伝わる。さらに、中国へ伝わってゆくという過程を想定すると、韓国が日本と外交的に疎遠になるデメリットは計り知れないのだ。韓国は、日本を無視できるのでなく、日本に無視されるリスクを背負っていることに気づいたのだ。

「日中関係の如何に関わらず韓国へ影響する」と見る根拠は不明である。これには、「中韓が密接な関係を維持している」という重要な前提があるはずだ。中韓が一体化して「反日」をやっていれば、日本企業は中韓を「スルー」してASEANへ進出していく。日中関係が改善すれば、日韓関係はどうなるか。アンケートでは韓国に負の影響を及ぼす、としている。日本外交にとって、韓国のウエイトが急速に低下していることを示唆している。日中関係が改善しても、日本は韓国を従来のように重視しない。そういう結論になるのだ。韓国は、中国の「付属品」扱いされるから、日本から軽視されるという前提条件が隠されている。韓国は、中国から離れて「独立」することだ。そうなれば、日本も「日米韓三カ国関係」に戻って、それなりの対応をするであろう。

韓国が、中国の「付属品」扱いされることは、韓国外交にとって青天霹靂(せいてんへきれき)な話しだ。韓国が慰安婦問題で世界中に日本の悪口を言いふらしている。この現状から見て韓国は、日本がまともに相手とする国家でなくなった。日本側がこう腹を括っていると外交専門家は判断しているのであろう。日本が、韓国の要求に対して固いガードの姿勢を取っている理由は何か。少しでも譲歩すれば、後から際限ない要求が出てくるからである。韓国が、自ら招いた日韓関係「蹉跌」の原因である。

「北朝鮮と日本の関係改善も、韓国外交のリスク要素だ」と見ている。拉致被害者問題は、日朝関係に突き刺さった問題である。これさえ解決すれば、日朝関係は正常化に向かう条件が整う。残された課題は、核開発である。中韓が北朝鮮との関係悪化に悩んでいる一方で、日本は米朝の関係改善へのガイドたり得る資格を持つ。私は、拙著『韓国経済がけっぷち』(アイバス出版)で、前記のような外交の可能性を指摘した。中韓が逆さになっても日本外交に及ばない舞台が、今こうして生まれようとしているのだ。韓国が、中国とともに日朝関係に神経を払っている理由である。

④ 「ミャンマーで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域安保フォーラム(ARF)で脅威は現実化している。日本の岸田文雄外相は8月9日(現地時間)、王毅・中国外相と会談をしたのに続き10日午後には北朝鮮の李秀勇(リ・スヨン)外相と朝日外相会談を行った。韓国外交部の虚を突いた会談だった。専門家たちが韓国外交の最も大きな威嚇要因を日本だと挙げたのは、韓日関係がほかの国との関係にも悪い影響を及ぼしているためだ」。

ASEAN地域安保フォーラムで、日本の岸田外相は中朝の外相と相次いで会談した。韓国は、日本外交によって、「脅威は現実化している」という受け取り方である。韓国は長いこと、「日本が北東アジア外交で孤立している」と囃し立ててきた。韓国は中国とともに、日本外交へ対決する姿勢できたのだ。それが見事に逆転した、というのである。日本外交を余りにも甘く見過ぎてきた結果である。

韓国内外の外交専門家たちが、「韓国外交の最も大きな威嚇要因を日本だと挙げたのは、韓日関係(の悪化)がほかの国との関係にも悪い影響を及ぼしているためだ」としている。日本を悪者に仕立てて成立する「韓国外交」は、そもそも異常である。同じ価値観の日本を、世界中に「非道徳国家」として喧伝する。この韓国に問題があるのだ。技術的に、ひとかどならぬ支援を受けている日本を、ここまで悪し様に言う韓国に、日本が愛想を尽かすのは避けられない。日本はもはや、韓国の国益を勘案した外交方針を立てる必要性はなくなった。日本の悪宣伝をする韓国の利益を考慮することはないのだ。純粋に、日本外交が普遍的な価値観に立脚して、恥ずかしくない外交政策を採用すればすむのである。日韓関係は、ここまで修復不可能なレベルに達している。
日韓関係の安定が全て支配

⑤ 「延世(ヨンセ)大学国際学大学院のハン・ソクヒ教授は、『韓日関係が良ければ日中関係がどうなろうが大きな影響を及ぼすことはない』として、『だが今のように韓日関係が良くない中で習近平・中国国家主席と安倍晋三・日本首相が首脳会談を行えば、韓国外交に大きな負担になるだろう』と話した。国家間の関係で、歴史や安保問題などどちらかの一部分が関係全体を規定させてはいけないという指摘も出た。フランク・ジャヌージ米国マンスフィールド財団事務総長は、『韓日関係や日中関係など北東アジア情勢はお互いがウィン・ウィンの関係に展開するのが望ましい』として『米国と中国も競争している時はあるが、関係改善のための公式・非公式の対話通路を常に作ってある』と話した」。

延世(ヨンセ)大学国際学大学院のハン・ソクヒ教授は、実に冷静な発言をしている。その通りだと思う。日韓関係が悪いから、韓国は日中関係や日朝関係の影響を受けるのだ。日韓関係が良好ならば、日中や日朝の影響を受けないはずである。さらに、ハン・ソクヒ教授は「国家間の関係で、歴史や安保問題などどちらか一部分が、全体の(外交)関係を規定させてはいけない」とも指摘している。これも正論だ。韓国は日本に対して「歴史認識」一本槍で反省を迫っている。この問題は、1965年の日韓基本条約で解決済みである。それを、反故にして再三にわたり「日本批判」の種にしてきた。

日本が韓国に対して、態度が「引ける」のは致し方ない。ましてや、朝日新聞の「誤報」から焚きつけられた「慰安婦問題」は、日本がむしろ被害者でもある。朝日新聞の責任は重大である。新聞販売への悪影響を考えて、これまで誤報を認めようとしなかったのだ。慰安婦問題の舞台裏が明らかになった以上、韓国はいつまでも突っ張っていることの不利を悟るべきだ。韓国もまた、朝日新聞「誤報」の犠牲者かも知れない。

冒頭で取り上げた、「韓国内外の外交専門家30人(日米中専門家9人含む)に大韓民国外交の現在と未来に関するアンケート」について、さらに突っ込んだコメントが出てきた。朝日新聞誤報が明らかになったことが影響しているはずだ。

『中央日報』(8月13日付け)は、次のように伝えている。
⑥ 「国内外の専門家30人に、『朴槿恵政権が外交的に最も処理が未熟だった点』を尋ねた。30人のうち21人が『韓日関係の管理』と答えた。圧倒的に多かった。韓国外交の危機が日本からくるという分析と一致する。具体的に専門家が指摘した事件には、朴大統領の今年の3・1(独立運動)記念日の演説が挙げられた。当時、朴大統領は『加害者と被害者という歴史的な立場は1000年が流れても変わることはない』と述べた。7月、中国の習近平国家主席との特別昼食会が終わった後、『両首脳が日本の集団的自衛権推進に懸念を表した』と朱鉄基(チュ・チョルギ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官が公開したのも惜しまれる場面だった。韓中が連合して日本を牽制する姿を見せたうえ、米国が支持する日本の集団的自衛権問題を、公開の場で取り上げたのも適切でなかった」。

私は、朴大統領に対して失礼ながら「外交オンチ」と言ってきた。ここで取り上げられている内容は、「外交オンチ」そのものをズバリと指摘しているのだ。外交専門家の7割が、「日韓関係の管理」に失敗したと言っている。朴大統領の「加害者と被害者という歴史的な立場は1000年が流れても変わることはない」は、痛烈な日本批判であるのだ。

一国の元首が、婉曲的にでも日本を批判すれば国民は敏感である。現在の韓国民の「反日」は9割を超えている。朴大統領は、日本を謝罪させる魂胆であったろう。だが、朝日新聞誤報によってこの目論見は瓦解した。先の中韓首脳会議では、日本批判を堂々とやってしまった。すべて、朴大統領の「浅慮」の結果である。「外交オンチ」と言わずして、何と言うべきであろうか。まさに、「女性大統領の執念」とでも言えようか。

⑦ 「キム・ハングォン峨山政策研究院中国研究センター長は、『中国としては、歴史問題のために日本との関係が良くない韓国を、自分たちの戦略通りに扱いやすい相手として無視する可能性もある』と話した。ナムグン・ヨン国際政治学会長は、『全般的に安倍政権を非難するのに率先するような姿として映るのは賢明でなかった』と指摘した。米国・日本の専門家6人のうち5人も韓日関係の悪化を処理が未熟な事案に挙げた。ウッドローウィルソンセンターのロバート・ハサウェイ・アジアプログラム局長は、『韓日関係が悪化すれば、韓国の政治・経済・安保利益がすべて阻害される。韓日関係の回復が朴槿恵政権の“ナンバーワン”外交目標にならなければいけない』と主張した」。

韓国は現在、中国に利用されていたことに気づいたのだ。このことは、当時から私がブログで指摘し続けてきた点である。中国は、「合従」(同盟)を崩して「連衡」(1対1の関係)へ持ち込むのが外交戦略の基本である。始皇帝の「合従連衡」政策は、これを言うのである。この手にまんまと乗せられたのだ。日韓関係(合従)を崩して中韓関係(連衡)へ持ち込もうとしたのである。その危険性に、外交専門家が警鐘を鳴らしているわけである。「韓日関係が悪化すれば、韓国の政治・経済・安保利益がすべて阻害される。韓日関係の回復が朴槿恵政権の“ナンバーワン”外交目標にならなければいけない」。その通りである。朴大統領は、この言葉を拳々服膺(けんけんふくよう)しなければならない。余りにも高い授業料を払ったのである。
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