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「クマラスワミ報告書」修正への動き始まる

赤峰和の時事解説 2014-09-08 00:00
 
国際人権委員会は、経済社会理事会(ECOSOC)に属していた組織ですが、2006年6月19日、国連総会の補助機関として国際連合人権理事会へと格上げの上、改組されています。しかし、かつての国際人権委員会による「日本への勧告」が、未だにさまざまな分野で影響を与え続けています。

たとえば、最近でも、「国連差別撤廃委員会(※1)」から「ヘイトスピーチ規制と慰安婦への謝罪と賠償勧告(※2)」がなされましたが、これなども国際人権委員会での、日本への勧告に基づく偏見が尾を引いていると思われます。

(※1)国連差別撤廃委員会:元農水官僚で政治評論家の林雄介氏は、本委員会を「国連本体ではなく、勧告に強制権がない格下の下部組織。国連が正式に日本にヘイトスピーチ規制と慰安婦謝罪を勧告するには日本が最多当選理事国の差別撤廃委員会の上部組織、国連経済社会理事会の決議が必要。さらに、総会決議も必要。この手続きがないものは国連の正式な意見ではない。」と述べています。

(※2)ヘイトスピーチ規制と慰安婦への謝罪と賠償勧告:産経新聞2014.8.29
国連の人種差別撤廃委員会は29日、人種差別撤廃条約の履行を調査する対日審査を踏まえ、慰安婦問題について、慰安婦に対する人権侵害を調査し、責任者の責任を追及することなどを勧告する「最終見解」を公表した。最終見解では、アジア女性基金による「償い金」支給など日本側の取り組みを「留意する」とする一方、「真摯(しんし)な謝罪表明と適切な補償」を含む包括的な解決を目指し、慰安婦への中傷や問題を否定する試みを非難するよう求めた。(中略)。最終見解は在日韓国・朝鮮人らへのヘイトスピーチ(人種差別的な憎悪表現)の問題にも懸念を表明。責任ある個人や団体を捜査し、必要な場合は起訴するよう要請した。

林氏の言うように「拘束力はない勧告」とは言え、国連の関連機関や関係者は、依然として「従軍慰安婦問題」を引きずっているように思えます。

国連人権高等弁務官(※3)、慰安婦問題で「強い遺憾」2014.8.6産経
国連のピレイ(※4)人権高等弁務官は6日、日本の慰安婦問題について、日本政府の対応が不十分と強い遺憾の意を示した上、「包括的で公平、かつ永続的な解決策を追求するよう求める」との声明を出した。ピレイ氏は慰安婦を「性奴隷」とした上で、この表現を否定する主張や、それに反論しない政府の対応に懸念を表明。慰安婦問題は「歴史でなく現在の問題」であり、「正義と償いが実現しない限り、これら女性への人権侵害は続く」と強調した。

(※3)国連人権高等弁務官:国連の人権活動に主要な責任を持つ。任期は4年で、すべての人がすべての人権を効果的に享受できるよう人権の促進と擁護を図り、重大な人権侵害に対応し、人権侵害防止のための行動を取ることも求める。

(※4)ナバネセム・ピレイ氏(南アフリカ):特定秘密保護法案についても懸念を表明した。これについて当時の自民党の外交部会長だった城内実代議士が「罷免・謝罪要求」をした経緯もある。なお、中国の人権問題については言及していない。

さて、こうした原因となったのは、朝日新聞の慰安婦捏造記事と、それを証拠として報告書を作成したスリランカのクマラスワミ氏によるものです。
ここで、改めて、どういう経緯でクマラスワミ報告書が作成されたのかを振り返ってみます。

クマラスワミ報告書は、1996年1月から2月にかけて国連人権委員会に報告された「女性への暴力特別報告」に関する報告書です。スリランカ人の特別報告官ラディカ・クマーラスワーミーの名前をとって「クマラスワミ報告書」と呼ばれています。この報告書は、現在の女性問題についての報告を目的としていましたが、韓国の市民団体からの「従軍慰安婦被害者は現在も生存している」という強い働きかけを受けて、付属文書(※5)という形で作成されました。

(※5)附属文書1における日本政府への勧告:日本軍によって設置された慰安所制度が国際法違反であることを認め、その法的責任をとること。日本軍性奴隷制の被害者個々人(元慰安婦)に対し、原状回復と賠償を行うこと。慰安所について、日本政府が所持するすべての文書の完全な開示。名乗り出た日本軍性奴隷制の女性被害者、個々人に対し書面による公的謝罪をなすこと。歴史的現実を反映するように教育内容を改めること。慰安所への募集及び収容に関与した犯行者をできる限り特定し、かつ処罰すること。

なお、この報告書が作成される前の段階では、日本弁護士連合会(日弁連)が1992年に戸塚悦朗弁護士を海外調査特別委員に任命し、海外の運動団体と連携し、国連へのロビー活動を開始していました。なお、戸塚弁護士らの政治的活動は日弁連内部から目的外・職務外行為であるとして批判され、戸塚弁護士は1998年には解嘱されています。「性奴隷」という言葉を国連で広めるきっかけを生み出したのも戸塚氏です。

さらに付言すれば、こうした国連の場に、日弁連が関わってロビー活動を積極的に行ったことは大問題です。当時の日弁連会長だった土屋公献氏も日弁連が、国連において慰安婦を「性的奴隷(Sex Slaves またはSexual Slavery)」 として扱い、国連から日本政府に補償をおこなうように働きかけたと言明しています。これを考えますと、日弁連の罪は極めて重いといえるはずです。

また、クマラスワミ報告書作成にあたっては、日本語が理解出来ない彼女のために協力した日本人がいることも指摘されています。こうしたことから、現代史家の秦郁彦氏は「事実誤認が甚だしく、学生レポートなら落第点」と評しています。さらに、アジア女性基金理事の大沼保昭東京大学名誉教授も、「学問的に水準が低く、信頼できない情報源に依存している。法的な議論にも問題点がある」と総評し、落第点だと評しています。

ところで、クマラスワミ報告書への日本政府による反論はしたものの、すぐにそれを撤回するという愚挙を行っています。

1996年3月、日本政府は報告書を「極めて不当」「無責任で予断に満ち」「歴史の歪曲に等しい」「受け入れる余地は全くないなどと厳しく批判した全42ページにも及ぶ反論文書を作成して、国連人権委員会に提出しました。

しかし、それをすぐに撤回しています。

その理由は、「反論することで、かえって慰安婦問題の議論を起こしかねないと懸念したため」とされていますが、当時の村山富市首相及び河野洋平外相周辺による何らかの圧力があったのではないかといわれています。

もし、それが事実だとすれば、村山談話、河野談話の二人が、ここでも反日行為を働いたことになります。ここは、問題としてはっきりと記憶しておかねばなりません。

以上が、今日、慰安婦問題で国際社会から日本が指弾される最大の原因となったクマラスワミ報告書についての解説でしたが、今後の展望を考えてみたいと思います

まず、新聞報道を2本ご覧ください。
菅官房長官「朝日報道が影響」 慰安婦の国連報告書 2014.9.5 産経
菅義偉(すがよしひで)官房長官は5日の記者会見で、慰安婦を強制連行された「性奴隷」と認定したクマラスワミ報告書の元特別報告者が修正の必要性を否定したことに関し、「報告書の一部が、朝日新聞が取り消した(吉田清治氏の証言に関する)記事の内容に影響を受けているのは間違いない」と指摘した。朝日新聞の慰安婦報道がクマラスワミ報告書の根拠の一つとして影響を与えたとの認識を政府として示したといえる。(中略)菅氏はクマラスワミ報告書について「わが国の基本的立場や取り組みを踏まえていないことは極めて遺憾だ」と不快感を表明し、「強制連行を証明する客観的資料は確認されていない」と強調した。

慰安婦問題、政府が国連広報強化へ 2014年09月06日 読売
政府は5日、朝日新聞がいわゆる従軍慰安婦を巡り、「朝鮮人女性を強制連行した」とする吉田清治氏(故人)の証言を報じた記事を取り消したことを受け、慰安婦問題が現在も議論されているスイス・ジュネーブの国連人権理事会などでの広報活動を強化する方針を固めた。(中略)具体的には、慰安婦を組織的に「強制連行」した証拠は見つかっていないが、日本政府は、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)を創設して元慰安婦に償い金を支給するなど、女性の人権問題の観点から道義的な責任を果たしてきたと丁寧に説明し、理解を得たい考えだ。

ただし、当のクマラスワミ氏は、最近の日本マスコミの取材で「慰安婦たちには逃げる自由がなかった」と強調。「慰安婦を『性奴隷』と定義したのは妥当だった」、「修正の必要ない」と述べたと言われています。

日本政府もやっとみこしを上げたようです。また、当ブログでも別途解説しましたように、高市総務大臣がNHKに対し「NHK国際放送を通じ『正しい情報』発信」を要請しています。

国際社会ではいまだ日本が偏見にさらされ、海外在住の日本人が厳しい批判の中にいます。政府は早急に至問題解決にあたって頂きたいと思います。

特に、外務官僚のみなさんには、日本国民の名誉を守るためになお一層のご尽力をお願いしたいと思います。

ここで識者の見解を伺います。

・国連人権理事会は、国連の存在同様、実質的な問題解決能力はありません。
・国連の設立経緯や常任理事国の設定の仕方など、国連そのものが、非理事国の人権を踏みにじり、民主的に作られているとは言えません。
・また、戦争状態にある国家同士であれば、相手国の国民の人権など深く考えずに武力行使しているわけです。
・アメリカ、ロシア、中国などが代表的な例です。
・国連で問題になっても、常任理事国の一国でも反対すれば決議されません。
・そんな国連の中の一機関である人権理事会に、どのような権限があるか推して知るべしです。
・しかも人権理事会は、正確な事実や史実に基づいた調査がされているかどうかは疑問です。
・実際には政治的な圧力で調査できない案件のほうが多いのです。
・そんな中で、韓国政府関係者や、日本の担当者の提言をもとに検討された「慰安婦問題」は、人権理事会の担当者たちにとっては非常に衝撃的であったし、どこの国の圧力もない、やりやすい仕事だったわけです。
・担当者のクマラスワミ氏は、背後に悪質な意図があったことは知らず、「韓国側と日本側、双方の意見を聴いて報告書を作った」と考えていたようです。
・日本政府は、朝日新聞社の記事取り消しもあり、この問題の正確な検証作業に入っているようです。
・検証の過程で、関係者の国会招致などの可能性もありますが、何よりも、国際社会にある誤解を解消することに注力しているようです。
・慰安婦問題は日本国民の共通の心の重みとなっています。
・政府、関係省庁、またマスコミ各社も総力をあげて解決に力を注いでいくことを期待しています。

ここで、いいニュースが入ってきました

日本、非常任理事国当選確実に バングラ不出馬、安倍首相に表明 産経新聞2014年9月6日(土)21:29

【ダッカ=桑原雄尚】安倍晋三首相は6日午後(日本時間同日夕)、南アジア2カ国歴訪の最初の訪問国バングラデシュに到着し、首都ダッカの首相府でハシナ首相と会談した。ハシナ首相は来年10月の国連安全保障理事会非常任理事国選挙への立候補を取り下げ、日本を支持すると述べ、安倍首相は謝意を示した。両国は非常任理事国選でアジア太平洋枠の1議席を争っており、日本の非常任理事国当選が確実となった。

首脳会談後の共同記者発表でハシナ首相は「非常任理事国選で日本支持を喜んで宣言する。バングラデシュの立候補は取り下げる」と表明。安倍首相は「ハシナ首相が両国間の歴史的に良好な関係を踏まえて立候補を取り下げ、わが国への支持を決断したことを深く感謝し、高く評価する」と語った。

会談では、安倍首相が積極的平和主義の意義と集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定を説明したのに対し、ハシナ首相は日本の取り組みに歓迎の意を表明。両首脳は来年前半に外務次官級協議を実施することで合意した。「ベンガル湾成長地帯構想」に基づき、都市高速鉄道やエネルギー安定供給など4分野で協力を進めることでも一致した。

これで流れが変わりそうです
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