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「国連改革」主張した安倍首相 第2次世界大戦の呪縛を解く時

zakzak 2014.10.02

 米国がシリア空爆に踏み切るなど国際情勢が緊迫する中、安倍晋三首相は国連での演説で、21世紀にふさわしい国連改革と安全保障理事会常任理事国入りを訴えた。国連改革はなぜ必要なのか。そして日本の常任理事国入りの可能性はあるのだろうか。

 実際のところ、国連はあまり機能していないといわれる。今回の米国によるシリア空爆の背景になった「イスラム国」問題でも国連は無力である。よく知られているように、最終的な国連の平和維持行動には、安保理のお墨付きが必要であるが、安保理常任理事国のうち1カ国が反対しさえすれば、議案が成立しなくなる。

 国連が出てこられなくなると、加盟国は当面ら自衛権で対応せざるを得ない(国連憲章第51条)。ここでの自衛権とは個別的又は集団的自衛権である。この自衛権は、国内法における個人の正当防衛に相当する国の固有の権利だ。

 正当防衛は、日本の刑法第36条にも書かれているが、自己又は他人の権利を防衛するためであり、自己と他人をあえて分けていない。これと同様に、国際社会でも、個別的自衛権と集団的自衛権を峻別(しゅんべつ)せず、両者をシームレスに考えている。

 世界の国の中でも、自衛権を個別的と集団的とで峻別するのは日本だけである。これまで憲法上の制約から峻別すると解釈されてきたが、世界の憲法を見れば日本と同様な規定を持つ国(フィリピン、韓国、ドイツ、イタリア等)も存在するが、それらの国で集団的自衛権を特別視する国はない。

 日本でもようやく世界並みに集団的自衛権の行使を容認するようになった(あくまで権利なので、実際に行使するかどうかは別問題)。しかし、今の国連のままでは、国連の出番はなく、自衛権の行使を余儀なくされる場合も出てくる。

 だからこそ、国連の改革を行って、各国の自衛権に頼るのではなく、国連としてしっかり世界平和を構築することが必要になってくるというわけだ。いろいろな国連改革の案が出されているが、日本が常任理事国になることが手っ取り早い。日本は、非常任理事国としての実績も豊富だ。

 来年は国連発足70年という節目だし、シリアやウクライナ問題などで本来の役割を果たせない国連への失望もあるので、日本はドイツ、インド、ブラジルとともに、常任理事国入りを訴えている。

 日本の常任理事国入りについて、米国、英国、フランスは好意的で、国連加盟国のうち150カ国以上は賛成であるといわれている。しかし、常任理事国の中国は反対であるので、そう簡単にはいかない。他の常任理事国も、第2次大戦の戦勝国の特権を失いたくないのが本音だろう。

 世界平和のためには、もうそろそろ第2次世界大戦の呪縛を解き放たねばいけない。加盟国がそれぞれの自衛権に頼らず、日本としては、国連の下での平和維持行動という「正論」を貫き通すのが、平和国家の国益にも合致するだろう。 
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