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「国」より「姫」が大事な朴槿恵大統領の側近たち

zakzak 2014.10.16
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 韓国がまた暴挙に出た。朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損(きそん)で在宅起訴した、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対し、ソウル中央地検は14日、出国禁止措置を3カ月延長するよう法相に要請したのだ。国際社会の「言論弾圧」「報道の自由の破壊」といった批判を受け、同国国会では与野党が激突した。法治国家とは思えない判断を下す背景に、側近らが「姫(=朴氏)を守ること」を第一とする韓国の特異性があるという。ジャーナリストの室谷克実氏が迫った。

 「姫は絶対に守らなければならない」-。青瓦台(大統領府)の秘書官たちは、こういう信念で固まっているようだ。

 青瓦台の首席秘書官は大統領の最側近だ。韓国官界の格付けでは閣僚もしくは次官クラスであり、実態としての権力は閣僚以上だ。

 秘書室長は国務総理と同等の格付けになっているが、それは建前。国務総理のはるかに上にいる政権ナンバー2だ。

 彼らにとって最高の責務は、いつの間にか「国家・国民のため」よりも「姫を守ること」に変質していた。

 姫の権威とは、どんなものか。

 8月5日午前、夏休み明けの閣議に出てきた姫はどうやら機嫌が悪かった。軍内部で「いじめ暴行死」「いじめを受けての自殺」が相次いだうえ、旅客船「セウォル号」オーナーの変死体が40日間も「ホームレスの死体」扱いされていたことなど、権力維持の基盤である「軍検警(軍と検察、警察)ブロック」の不祥事が際立っていた。

 姫が絶対の対日カードとしてきた「慰安婦の強制連行」についても、朝日新聞が同日朝刊で、さかのぼって記事を取り消してしまった。これも機嫌の悪さの原因の1つだったのだろう。

 この閣議で姫は「一罰百戒」「責任を負うべき者は責任を取らなければならない」などと述べたと報じられている。

 その7時間後、陸軍参謀総長と警察庁長が辞表を提出した。参謀総長は同日、前線視察に行っていた。警察庁長は通常通り出勤して、普段通りの業務に当たっていたというから、所管閣僚から「姫のお怒り」を知らされるまでは辞める気などサラサラなかったようだ。

 「軍検警ブロック」の検察も何かしなくてはならない。そこで青瓦台の意向をくんで、産経新聞前支局長に対する右翼団体からの告発状を受理したのだ。わが“お仲間”の朝日新聞をいじめている産経新聞ならちょうどいい、とばかりに。

 検察当局は、前支局長が「遺憾の意」ぐらいは述べると踏んでいたようだ。そうしたら、「誤報の責任を認めた」ことにして、国外退去処分で一件落着と。

 ところが、前支局長は“罪科”を認めない。それで困ってしまい起訴まで2カ月もかかってしまった。

 外国人記者を元首に対する名誉毀損で起訴したら、国際的にどんなリアクションがあるか、検察当局も考えただろう。

 「外国メディアの韓国批判なんて、すぐに忘れ去られるさ」と見たのかもしれない。ともかく、ここまで来て起訴しなかったら、国民は「噂はやはり正しかった」と思い、野党が勢いづく。「事ここに至っては起訴するしかない」-。私は、こういう流れだと思っている。

 前支局長問題に限らず、「国家・国民のため」より「姫を守ること」「姫のご機嫌を損なわないこと」を中軸にしてさまざまな政策が動く…。この国の未来は真っ暗だ。 

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。
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