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サンゴ密漁者たちは今、中国で国賊扱いされている

- 日刊SPA!(2014年12月16日16時11分)

 小笠原諸島近海に突如、出現した中国の大漁船団。赤サンゴの密漁を行う彼らの存在が報道されると、両国の政府間のつばぜり合いも激化した。しかし、このまま深刻な国際問題に発展するかと思われた矢先、中国側の方針転換もあり、事態は沈静化した。日本では、その後、この事件に関する続報はほとんど聞かれなくなったが、実は中国では思わぬ“その後”を迎えている。

「まさか帰国したら犯罪者、国賊扱いにされるなんて思ってもみなかった」

 こう語るのは小笠原諸島へ赤サンゴ密漁に参加したという劉鄭氏(仮名)。浙江省杭州出身の劉氏は、帰国後は当然、「日本の鼻をあかした男」という好待遇を得られると信じていたという。

「しかし、港に戻ると市民に囲まれて国の恥だとか罵りを受けました。逃げ帰ると家で待っていたのは杭州市の行政管理官ですぐに連行されたんです。結局、船も没収、3年の党員資格停止と漁業権剥奪を言い渡されて……」

 このような処置をとられたのは劉氏だけでない。福建省福州市の「愛国漁民」を自称していた朱光氏(仮名)も周囲からの猛烈な吊し上げにより、家族ぐるみで移住を余儀なくされたという。

「漁業権も船も没収され、赤サンゴ漁獲での換金も、一時停止される始末です。地元紙や会報誌で海賊野郎とか反共産党の鼠だの顔出しで書かれて生きていけない」

 中国では反日活動といえば、「愛国無罪」が半ばまかり通っていたイメージがあるが、なぜ今回に限り、このような事態になっているのか。密漁に関与した漁民たちが過酷な法的、社会的制裁を受ける理由を新華社通信福建支局員のT氏はこう説明する。

「密漁は反日感情を煽る意味で黙認という形を夏までは当局がとっていたんです。乱れがちな国内の結束を図る意味で必要な“ガス抜き”だった。ところが、11月のAPEC後に日中関係改善の模索をとった途端に法的処置も厳格化し、梯子を外したんですね。現在、党自ら火消しに躍起。これまで“活躍”していた反日扇動家もなりを潜めてしまっています」

 日中関係改善の動きの裏で、ここ数年、過激化していた反日運動が「なかったこと」にされる日も近いのかもしれない。

中国人船長、密漁認める=小笠原沖のサンゴ―横浜地裁
時事通信(2014年12月16日17時12分)

 小笠原諸島周辺の日本領海内でサンゴを密漁したとして外国人漁業規制法違反罪に問われた中国福建省出身の漁船船長許益忠被告(39)の初公判が16日、横浜地裁(成川洋司裁判官)であり、許被告は起訴内容を認めた。

 検察側の冒頭陳述によると、許被告は沖縄・尖閣諸島周辺でもサンゴ漁をしたことがあり、雇い主に「給料を2倍にするから(小笠原諸島の)父島に行け」と言われた。逮捕の際は、サンゴを保管していた箱を海中に投棄した。採っていたのは高値で取引される赤サンゴだった。
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