Entries

“ナッツ副社長”問題はセウォル号と同じ構図 背景に傲慢オーナー一族

zakzak 2014.12.20

 大韓航空機の機内で同社の趙顕娥(チョ・ヒョナ)前副社長(40)がナッツの提供の仕方が悪いと傍若無人な振る舞いをした「ナッツ・リターン問題」。韓国では、航空法違反や証拠隠滅教唆容疑で趙氏の逮捕も近いと伝わる。オーナー一族という社会的地位を背景にしたこの問題は、今年4月に発生し、同国史上最悪の海難事故となったセウォル号沈没との共通点も囁かれている。現地事情に詳しいノンフィクション・ライターの高月靖氏がリポートする。

 韓国ではナッツ・リターン問題を、まだ記憶に生々しいセウォル号の悪夢になぞらえる報道が少なくない。「大勢の乗客の命を預かりながら、法を守る意識が全くない傲慢なオーナー一族」というイメージが重なるからだ。

 趙氏を刑事告発したNGO関係者は「セウォル号事故以来、韓国社会は安全と社会常識の回復を叫んできた。今回の事件は、オーナー一族という特権で安全法規が簡単に無力化することを(改めて)示した」とコメント。別のニュースサイトも「大韓航空は清海鎮海運(セウォル号の運航会社)と異なり、安全対策に膨大な労力を注いできた。だがその努力すら、オーナー一族の前では無為に帰すのが韓国社会の現実だ」と論評した。

 また、京郷新聞社サイトは9日、ネットユーザーの意見として「セウォル号事故もオーナーが好き勝手にやっていたのが原因。大韓航空と清海鎮海運は同レベルではないか」という内容を紹介。

 18日にも識者の話として「(2つの事件とも)韓国社会に典型的なコネで仕事を解決しようとする無能かつ強欲で不誠実な人間が招いた。趙氏に対する市民の怒りが、セウォル号対策につながることを望む」との話を伝えた。

 一方、「趙氏とセウォル号を結びつける報道は以前にもあった」と語るのは、現地日本人メディア関係者。その背景は、大韓航空がソウル都心で進めてきたホテル建設計画だ。

 「同社は2008年、3つの中学・高校と隣接してホテル開業に規制がかかる用地を取得。地元の反対をよそに、行政訴訟で強引に建設を認可させようとした。だが2012年に最高裁で敗訴が確定。翌年に趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長が朴槿恵(パク・クネ)大統領に直訴して規制緩和法案が動き出したが、財閥優遇との政権批判を招いている。そして一部メディアが今年5月、『(カネのために子供を犠牲にした)セウォル号事故に何も学ばないのか』と同社を批判したわけだ。現地の複数報道によれば、このホテル計画を陣頭指揮していたのがほかでもない趙顕娥氏だった」(先のメディア関係者)

 セウォル号事故の際に構造的な原因の1つとされた官民癒着もそのままだ。

 18日に韓国公営放送KBSが、事件を調査する国土交通省の不正疑惑を伝えた。飛行機から降ろされた責任者の男性(チーフパーサー)らの聞き取り調査に大韓航空の役員を同席させ、趙氏に有利となるよう陳述確認書を修正させたという。

 一袋のナッツから露呈した韓国財閥の闇が、全て暴かれる日は来るのか。
スポンサーサイト
  • コメント : -
  • トラックバック : -

Appendix

最近の記事