Entries

】“悪しき前例”TPP難航は「韓国のせい」…「米韓FTAの韓国“弱腰”が米の強気招いた」日本恨み節

zakzak 2014.12.23

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の難航は韓国のせいだ-。日本政府内では最近、こんな恨み節が聞かれる。確かにTPP交渉は日本が合流した昨年に続き今年も年内の大筋合意が断念されたが、韓国は交渉参加12カ国に名を連ねていない。なぜ韓国がTPPをめぐって非難されなければならないのか。

韓国の屈服が禍根

 「米国が降りればまとまるんだけど、そんなことは一切やらない。自国の要求を他の参加国に飲めといってくる。相手が降りるのを待っている」

 日本の通商筋はこうぼやく。

 TPP交渉のブレーキとなっているのは詰まるところ米国の強硬な交渉姿勢にあるというわけだ。実際、交渉は日本の重要農産品の関税をめぐる日米協議の決着がつかず、知的財産などルール分野に関する米国と新興国の対立も解けていない。その結果、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)にあわせて開かれたTPP首脳・閣僚会合では交渉の越年が確実となった。

 となると、交渉難航の責めを負うべきなのは、やはり米国という印象を受けるが、通商筋は怒りの矛先を韓国に向ける。

 「米韓自由貿易協定(FTA)交渉で韓国が米国の要求に屈服したから、米議会は強硬姿勢が他国にも通用すると思い込んでしまった。おかげでTPP交渉でも、米国はアジア各国に高圧的な態度で臨めばいいと思っている」

 TPPを韓国も含むアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想実現の重要な基礎と位置づける日本の通商筋の目には、当時の韓国の“弱腰”が大きな禍根を残したと映っているようだ。

米議会反発で追加交渉

 では、問題の米韓FTA交渉は実際、どんなものだったのか。

 交渉は2006年、当時のブッシュ、盧武鉉両政権のもとで始まり、翌07年にいったんは合意に達した。だが、両国議会の承認が得られず、追加交渉という異例の事態に発展。ようやく批准にこぎ着けたのはオバマ、李明博両政権下の11年だ。

 追加交渉を余儀なくされた背景には、米議会などから「韓国側の市場開放が不十分」との反発があがった影響が大きいとされる。

 最終的な合意内容にも米国の要求が色濃く反映された。最初の合意時には、韓国製乗用車に対する米国による輸入関税の撤廃時期について「即時撤廃」とされていたが、最終的には「5年後までの廃止」に先延ばしすることで決着。さらに米自動車業界が参入障壁と反発していた韓国の安全・環境基準も、米国車への適用緩和で合意した。

 協定は12年3月に発効。両国は発効後5年以内に、貿易品目の95%で関税を撤廃することになっている。韓国は農産品でコメを関税撤廃の例外とすることに成功したが、それ以外の品目は「事実上の貿易自由化を強いられた」とみる向きもある。

 米国は米韓FTAの自由化水準をTPP交渉が目指す最低水準としたい考えとみられ、重要農産品5分野の関税を守りたい日本にとっては“悪しき先例”だ。

日本はやっかいな相手

 とはいえ、日本の交渉筋に韓国の二の舞いになるつもりはさらさらない。

 日米協議は日本の農産品関税の扱いに関して難航していた牛・豚肉、乳製品に加え、改めてコメも争点に浮上している。コメは関税を維持する代わりに、日本政府が関税なしで輸入する「ミニマムアクセス(最低輸入量)」を拡大する方向となっていたが、ここにきて米国が過大な拡大を要求してきているとみられる。

 これに対して日本の交渉筋は「何としても交渉を有利に進める」と米国の圧力には屈しない構えだ。

 自動車分野でも、米国は韓国と同様に日本の安全・環境基準の緩和を求めているが、日本は断固拒否する姿勢を崩していない。

 日本の政府高官は「米国にとって日本はやっかいな交渉相手だろう」と自認するが、もちろん、いたずらに対立を深めて交渉全体を頓挫させるような事態は避けたいのが本音だ。

 TPPは韓国などに比べ出遅れていた経済連携の取り組みを一気に挽回する日本の通商戦略の柱に位置づけられ、日米主導で先進的な通商秩序をアジア太平洋地域に構築する狙いもある。

 これに警戒感を募らせる韓国は今月、同じくTPP交渉に参加していない中国とのFTA交渉で実質的に妥結したが、「関税撤廃される品目に自動車が含まれない。その他も時間をかけて撤廃されるため、当面は日本経済に大きな影響はない」(経済産業省幹部)との見方は強い。

 一方で、TPPが成立すれば、巨大な自由貿易圏の恩恵を受けられる日本は海外需要の獲得競争でライバルの韓国より有利になるのは確実。それだけに日本は国益を確保しつつ交渉を早期に合意に持ち込む覚悟と実行力が求められる。

「日本はアメリカの属国じゃない!」・・・甘利大臣激怒!
保守速報   2014年12月23日16:00

第3次安倍晋三内閣が24日、発足する。安倍首相は現内閣の閣僚をそのまま続投させる方針だ。
来年2月の大筋合意を目指す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、 甘利明TPP担当相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表が再び火花を散らすことになる。

属国じゃない!

貴殿と自民党の大勝おめでとうございます-。甘利氏のもとに19日、1通のメールが届いた。
フロマン氏からだった。2人はこれまで日米双方の国益を激しくぶつけ合い、ギリギリの交渉を繰り広げてきた。

「日本はアメリカの属国じゃない!」

自動車分野の協議では、米韓自由貿易協定(FTA)を引き合いに安全基準や環境規制を米国に合わせるよう高圧的に迫るフロマン氏に対し、甘利氏が声を荒らげることがあった。
逆にフロマン氏が「本気でまとめる気があるのか!」とすごむ場面も…。

 それだけに、交渉が8合目にさしかかった9月下旬の米国での日米閣僚協議、10月下旬のオーストラリアでの12カ国閣僚会合の際、甘利氏は政府関係者らに徹底して箝口令(かんこうれい)を敷いた。交渉を続けているさなか、妥協点はこんなところか…という空気が日本側から少しでも表に出れば、一気に米側に押し込まれてしまうからだった。

電話仲間の2人

 ただ、協議を重ねるたび、フロマン氏が「2人で話すから出ていってくれ」と事務方を退席させることが増えた。2人で腹を割った話し合いを続け、フロマン氏は「自分は甘利氏としか交渉しない」と公言するほどになった。頻繁に電話で話をするようにもなった。9月の第2次安倍改造内閣が発足する前には、こんな電話でのやり取りもあった。

 フロマン氏「トランジットで成田空港にいる。会えないか?」

 甘利氏「なんで俺が成田まで行かないといけないんだ。いま忙しい。しかも9月3日には内閣改造があるんだからね」

フロマン氏「じゃあ9月だといつ会える?」

 甘利氏「内閣改造があるって言ったよね!?担当閣僚が替わっているかもしれないでしょ」

 オバマ米大統領が11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までの大筋合意を目指す考えを表明していた。フロマン氏に焦りがあったのか、甘利氏が続投するかどうか感触を探りたかったようだ。

最終ラウンドのゴング

 しかし、APECに合わせた11月の大筋合意は失敗し、越年が決まった。交渉全体の目標期限の設定も見送られた。大筋合意は参加12カ国の経済規模の8割を占める日米間の交渉の行方がカギとなる。それだけに、両政府は来年2月の決着を目指して協議を加速させる構えだ。

 14日投開票の衆院選で、安倍内閣の継続が確定的となった。それにもかかわらず、フロマン氏から電話はなかった。

 甘利氏も選挙期間中、自民党公認候補の応援のため全国各地に足を運んだが、街頭演説などでTPPの話題に触れることはなかった。

 「アベノミクスは道半ばなんです。経済の好循環をつくる。この道しかありません!」。選挙戦最終日の12月13日も東京都世田谷区内で、街宣車にのぼり演説した。経済政策「アベノミクス」の成果と継続の必要性を訴えたものの、TPPに関しては一切、言及しなかった。

 沈黙を続けてきた交渉のキーマン2人。ただ、19日のフロマン氏のメールには、祝意とともにこう記されていた。まるで交渉の最終ラウンドのゴングを鳴らすかのように。

 「自民党の劇的な勝利は日本経済再生とTPP交渉妥結に向けた貴殿の努力の助けとなるでしょう」
スポンサーサイト
  • コメント : -
  • トラックバック : -

Appendix

最近の記事