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台湾も怒る中国の歴史修正プロパガンダ 河野氏「右翼政治」発言がどれだけ利用されやすいか分からないか

【阿比留瑠比の極言御免】 2015.2.26 07:08更新

 これほどあからさまな歴史修正主義国はあるまい。中国の王毅外相が23日、国連創設70年を記念する安全保障理事会の討論会で行った演説をみて、その余りに堂々とした事実の歪(わい)曲(きょく)ぶりにかえって感心した。

 王氏は名指しこそしないものの「過去の侵略の犯罪を糊(こ)塗(と)しようとしている国がある」と日本を批判し、中国の歴史について次のように語ったのである。

 「戦後70年間、国連の創設メンバーで、安保理の常任理事国の中国は、常に国連憲章の精神に従い、国連の役割を支え、平和と安定を守ることに尽くしてきた。今日の開かれた討論会が、反ファシスト戦争勝利と国連創設70年の記念の序幕になることを望む」(25日付読売新聞朝刊)

 中国の言う反ファシスト戦争とは抗日戦争のことを指すが、これには台湾が異議申し立てをしている。

 「抗日戦争の主役は国民党が主導した『中華民国』の国軍だったという歴史に向き合うべきだ」

 台湾の国防部報道官はこうクギを刺している。
また、立法院(国会)外交・国防委員会の有力者、林郁方氏は今月16日、産経新聞の取材に「共産党軍が戦ったのは後方と辺境のゲリラ戦だけだ」と指摘した。

 そもそも、中国は王氏が主張するような国連の創設メンバーではない。国連が発足したのは1945年10月であり、中華人民共和国の建国はその4年後の49年10月だ。中国が台湾に代わって国連に加盟するのはさらに20年以上あとの71年10月なのだから、もはや何をか言わんやである。

 ちなみに、国連憲章23条に安保理常任理事国として記されているのはいまだに中華民国だ。中国は手続き上、その権利を継承したとはいえ、何でも自分の手柄にするのは無理がある。

 「人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権および基本的自由を尊重するように助長奨励する」

 国連憲章1条にはこう明記されているが、中国が常にこうした精神に従ってきたと誰が言えるだろうか。チベット、ウイグル、内モンゴル…反証を挙げれば枚挙にいとまがない。東シナ海や南シナ海で、「法の支配」の実現ではなく「力による現状変更」を目指しているのはどの国か。

 そんな国が戦後70年の今年、臆面なく正義の味方面(づら)し、国際社会で日本悪玉論を流布する宣伝戦を仕掛けてきているのである。

 「戦後70年間、日本は平和で自由で民主的な国を構築し、近隣諸国、アジア諸国の発展のため支援し、貢献してきた。こうした日本の歩み、正しい日本の姿を発信していきたい。オールジャパン態勢で行っていくことが大事だ」

 菅(すが)義(よし)偉(ひで)官房長官は24日の記者会見でこう述べた。まさにその通りだと納得していたところ、同日に親中派で知られる河野洋平元官房長官が講演で次のようなことを語っていたと知り、頭を抱えた。

 「今は保守政治というより、右翼政治のような気がする」

 安倍晋三首相や日本政府に歴史修正主義者というレッテルを貼りたい中国や、欧米の偏向メディアが「元政府高官で元自民党総裁の河野氏ですらこう言っている」とお墨付きにして利用しそうなセリフである。

 何を口にしようと言論の自由だが、ホンの少しでも国民の迷惑も考えてもらいたい。(政治部編集委員) 
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