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中国の現実 株価は上昇し資本は逃げ出している。 何が中国に起こっているか?

おゆみ野四季の道  新 (27.4.26)

 4月24日のブルームバーグのWeb版の記事を見て思わず笑いこけてしまった。
そこには「株高と資本流失が同時に進行する謎、中国経済の先行きに警鐘か」と記されていたが、株高と資本流失はどう考えても話が合わないという記事だった。

注)上海総合指数は昨年末から、香港ハンセン指数はこの四月に入ってから急激な上昇をしている。一方15年3月の資本流失は約3兆円だった。

 中国は世界最高の7%の経済成長をしているから株は連日のように値上がりしているのはわかるが(ただし最近まで長い間低迷していた)、一方なぜ資本収支はマイナスになるのかとこの記事を書いた記者は悩んでいる。
「おかしいではないか、一方は株式市場に資金が集まり、一方で大量の資金が海外に逃げ出している。何が起こっているのか分析できない・・・・」

 だがこの現象はいたって自然な現象だと山崎経済研究所の山崎所長は解説する。
まずブルームバーグは中国政府が発表した年率7%のGDPの上昇をそのまま認めているが、これがそもそもの間違いの始まりだという。
中国経済はすでに成長がストップしており、それは15年3月の電力使用量がマイナス数字になっていることでも確認できる。7%の経済成長とそのエネルギー源である電力のマイナスとは全く整合性がない(鉄道輸送量はかなり前からマイナス数字になっている)。

「中国は大発展している。輸送するものはなく生産するものもない。だから大発展だ」
統計担当者の鼻息は荒いが、何しろ中国のGDPの成長は統計担当者の腕一つにかかっているから当然だ。
だから本当は「なぜ経済が失速しているのに株式は上昇するのか」と問われなければならないと山崎所長は言う

この正確な答えは中国人民銀行が今年に入って2回預金準備率の引き下げを行い、都合30兆円の資金を市場に放出したからである。株価は経済実態とは関係なく中央銀行が資金供給を行えば急激に上がる。日本でもアベノミクスが発動されて日銀が大幅金融緩和を行ったとたん、企業業績とは無関係に株価は上昇した。
市場に散布された資金は基本的には中国国内にとどまるため(資本の自由化がされていない)株式と不動産に集中する。設備投資など行ったら過剰生産に輪をかけるだけだからだ。
しかし不動産は完全にマイナスのスパイラルを描いているので今手を出すのは危険だ。その結果資金は株式に集中し、株式は経済実態と無関係に上昇しているのだと山崎所長は解説する。

注)中国の金融緩和策については以下に詳述してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-fc83-1.html

 一方資本流失が起こるのは中国経済に見切りをつけた大企業の幹部や党の幹部が輸入やサービスの費用と偽装して資金を海外に移転させているからだ。
中国では一般の人が資金を海外に送ることはできないが(だから国内の株式投資に資金が集中する)大企業や党の幹部は取引を偽装して資金を海外に送金できる。
何しろ取り締まりのそう元締めが自分なのだからなんでもござれだ。
「警察も検察も判事も税関もすべて俺の支配下にある。俺はオールマイティーだ!!」

 中国人民銀行の約30兆円の資金はこうして国内株式と海外への投資資金や輸入代金に化けて一斉に中国から逃げだしている。
あまりのひどさに北京政府は金を持ち逃げした幹部100人を指名手配し、外国の警察が逮捕してくれたら保有資産を折半するとまで提案しているありさまだ。
「資金を持ち逃げした100人の悪党を国際手配した。だから人民よ許してほしい!!」習近平氏が泣いて頼んでいる。

 かくして中国は株式だけが上昇し、一方共産党幹部による資金の国外逃亡が続いてせっかくの人民銀行の資金緩和も今一つ効果が上がっていない。これが中国の現実でもはや収拾が付かない段階に中国経済は来ていると山崎所長は言う。

「国有企業もデフォルトが始まったし、上海の大手不動産会社の社債もデフォルトだ。ブルームバーグの記事など読んで中国がまだ成長しているなどと幻想を持っていると、投資資産をすべて失うことになる」と山崎所長が警告していた。
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