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【安倍首相ミュンヘン会見(1)】「強い者が弱い者を振り回すのは認めない」

産経   2015.6.9 00:53

 安倍晋三首相はドイツ・ミュンヘンで記者会見し、中国やロシアを念頭に「力によって一方的に現状が変更される。強い者が弱い者を振り回す。これは欧州でもアジアでも世界のどこであろうと認めることはできない」と強調した。詳細は以下の通り。

 「先月、福島で開催した太平洋・島サミット。ツバルのエネレ・ソポアガ首相は巨大サイクロン・パムに襲われたときの恐怖をこう表現しました。『私たちの島が沈んでしまう』。地球の温暖化は海面を上昇させ、南太平洋に浮かぶ美しい島を消滅の危機にさらしています。首相はさらにこう訴えました。『もう時間がない。島に住む人々をどうか救ってほしい』。日本は東日本大震災と(東京電力福島第1)原発事故を乗り越え、温室効果ガスについて野心的な削減目標を掲げました」

 「しかし、地球規模で進む気候変動に対処するためには、すべての国が参加する新たな枠組みを作り上げることが不可欠であります。今回のG7サミットでは世界のリーダーたちと、その確固たる方針を確認しました。世界をリードする国々が年に一度集まり、世界が直面する課題について、ともに議論し、ともに立ち向かう。G7サミットは40年の長きにわたり、そのときどきの課題に強調して取り組む場となり、世界の平和と繁栄に貢献してきました。テロや感染症の脅威、女性の人権。今年のサミットでも、こうした新たな課題に世界が手を携えて取り組んでいく。その強い意志を共有することができました」

 「議長を務められたドイツのメルケル首相のリーダーシップに心からの敬意を表する次第であります。私たちには共通の言葉があります。自由、民主主義、基本的人権、そして法の支配。基本的な価値を共有していることが、私たちが結束する基礎となっています。だからこそ、G7は連帯してウクライナの安定を支持する。この方針は揺るぎないものであります。今回のサミットに先立ち、私は日本の総理大臣として初めてウクライナを訪問しました。ウクライナ国内の改革を加速するため、日本はこれからもあらゆる可能な協力を惜しまないことをポロシェンコ大統領に申し上げました」

 「改革を進め、持続的な成長を実現するためには何よりも平和と安定が必要です。力によって一方的に現状が変更される。強い者が弱い者を振り回す。これは欧州でもアジアでも世界のどこであろうと認めることはできません。法の支配、主権、領土の一体性を重視する日本の立場は明確であり、一貫しています。ロシアやウクライナを含む全ての当事者が停戦合意を誠実に履行すべきであります。いかなる紛争も力の行使や威嚇ではなく、国際法に基づいて平和的に解決すべきである。こうした原則を私は国際社会で繰り返し訴えてまいりました。このサミットでもG7の友人たちから強い支持を得ることができました。そうした平和的、外交的解決は対話なくしてはありえません。対立は対話をやめる理由にはなりません。むしろ課題があるからこそ、対話すべきであります」

 「これがG7ではなく、G8であったら、この場に(ロシアの)プーチン大統領がいるはずでありました。冷戦終結後、私たちはロシアを受け入れ、G8として世界的な課題に取り組んできた実績があります。ロシアには責任ある国家として国際社会のさまざまな課題に建設的に関与してもらいたい。プーチン大統領との対話をこれからも続けていく考えであります」

「来年はいよいよ日本が議長国となり、伊勢志摩に世界のリーダーたちをお招きすることとなります。眼下に広がる志摩の豊かな海は、太平洋からインド洋にまでつながっています。アジアやアフリカのたくさんの国々の思いを胸に日本は議長国として世界の平和と繁栄のため、世界のリーダーたちと率直に話し合いたいと思います。さらにせっかくの機会でもありますので、伊勢神宮をはじめ、日本の伝統や文化、美しい自然を存分に味わっていただきたい。日本のふるさとの素晴らしさを世界に発信する機会にしてまいりたいと思います」

【安倍首相会見(2)】「プーチン大統領の訪日実現したい」ー2015.6.9 01:05更新
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 --ウクライナ情勢の対応。米露の対立も鋭くなっている。中国の海洋進出をG7としてどう対応するか。温度差があるが、緊密に連携できるか。米露の対立がある中、プーチン大統領の年内訪日は実現できるか

 「私はこれまで、日本の基本的な立場として、法の支配、主権、領土の一体性を尊重すべきこと。そして次にいかなる紛争も力の行使や威嚇ではなく国際法に基づいて平和的に解決すべきことを繰り返し主張してきた。今回のサミットでもウクライナ情勢であれ、南シナ海、東シナ海の情勢であれ、世界の課題に取り組む上でG7の結束が必要であることを訴えた。こうした主張に対してG7の首脳からは強い賛同や支持を得ることができた。わが国は来年G7サミットの議長国となる。議長国の立場としてG7が世界の課題に対応していく上で結束が必要であることを主張し、議論をリードしていきたいと思います」

 「自由や民主主義や基本的人権、法の支配と言った基本的価値を共有するG7こそが結束して出すべきメッセージを発出していくべきだと思う。ロシアとは戦後70年たった現在もいまだに平和条約が締結できていないという現実があります。北方領土の問題を前に進めるため、プーチン大統領の訪日を本年の適切な時期に実現したいと考えています。具体的な日程については今後準備状況を勘案しつつ、種々の要素を総合的に考慮して検討していく考えであります」

--来年の伊勢志摩サミット。G8はあるか。プーチン大統領が今年、東京に来たときにこの件を話し合うか

 「G7サミットは自由、民主主義、法の支配、人権といった基本的価値を共有する主要先進国の首脳が世界が直面する議題について率直に意見を交換するフォーラムであります。今回のサミットを通じ、他のフォーラムにはないG7ならではの濃密な議論の意義と重要性を改めて認識した。来年は日本がG7の議長国となり、伊勢志摩に世界のリーダーをご招待します。8年ぶりのアジアでのサミット開催となります。アジア太平洋地域の視点を取り入れながら、世界の平和と繁栄のため、世界のリーダーたちと率直に話し合いたいと思います。ウクライナ情勢の現状にかんがみると、現時点ではロシアを含めたG8で意義のある議論を行えるとは考えがたいと考えています。しかし、同時にシリア問題あるいは、イランの問題、イランの核開発の問題、あるいは北東アジアにおける北朝鮮の問題などについてもロシアの建設的な関与も必要である」

 「これは今回G8においても多くの首脳はそういう認識を共有していたのではないかと思う。対立は対話をやめる理由にはならないわけでありまして、むしろ課題があればこそ、対話をすべきであって、冷戦終結後私たちはロシアを受け入れ、G8として、世界的な課題に取り組んできたという実績もあるわけでありますから、ロシアには責任ある国家として国際社会の課題に建設的に関与してもらいたい。そういう責任ある国になってもらいたいと考えています。そのためにも私はプーチン大統領との対話をこれからも続けていく考えです」
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