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中国経済は腐ったリンゴ 誰も資金流失をとどめることはできない!!

おゆみ野四季の道  新 (27.9.4)

 私がかつて現役で融資担当だったころ最も重視していた分析は資金繰り分析だった。通常企業分析では決算分析と資金繰り分析を同時に行うのだが、しばしば決算上は全く問題がないのにやけに資金繰りが厳しい企業があったものだ。
こうした企業は決算を改ざんしており、多くの場合は不良資産を抱えて資金化できず、やむなく金融機関になきを入れてくる場合がほとんどだった。
「そうか、決算書では嘘をつけるが資金繰り表で嘘をつくことはできないのか・・・・・・」

 今中国の資金繰りが信じられないような動きをしている。
中国の外貨準備は15年6月現在3兆6千5百億ドル(約438兆円)、この間の1年間の経常収支の黒字は25兆円規模だから、通常に考えればますます外貨準備が増えてもよく左団扇の国家経営であるはずだが、実際は外貨準備が激減している。
その金額は過去1年間で約40兆円だが積みあがると思われた経常収支黒字25兆円を足すと65兆円規模だから、これは中国がリーマンショックから立ち上がるために投じた資金にほぼ匹敵する。それだけの資金が年間に減少しているのだ。
「一体中国で何が起こっているのだ」世界の市場関係者が色めきだっている。

中国は世界最大の金持ち国ということになっているが、借金も多くその金額は3兆7千2百億ドル(約446兆円)だから約8兆円資産を上回っている。日本が純資産が黒字なのとそこが違う。
この借入の内訳は直接投資が330兆円で残りの116兆円が証券投資だ。
今まで中国は世界最大の生産立地として世界中の企業を引き付けて330兆円もの直接投資がなされてきたが、一方全体の約3割に及ぶ証券投資も存在する。
この資金は香港や上海の株式市場や融資平台と称するサラ金まがいの金融機関に紛れ込んでいる金額等の合計だが、元高で証券投資をすれば含み益も得られるために積極的に中国を流れ込んでいた。

 今問題なのはこの証券投資が逆流し始めたことで元を売ってドルを得ては海外に逃げ込だしている。それため中国は「元売り」を抑えるために為替予約に一種の課徴金をかしてドルが中国から逃げださないような措置をとることにした。
「元売りの為替予約をしたかったら保証金2割を出せ」
逃げ出す理由は様々だが、一番の理由は中国政府が今までの「元高誘導」を止めて元安に誘導し始めたからである。
「元がやすくなる前に逃げ出せ、逃げ出せ!!!」

中国が今まで元高政策をとっていたのは世界中から投資資金を集めるためだが、一方この元高政策は輸出に悪影響を及ぼして今年に入って輸出は対前年対比でマイナスが続いている。
このため人民銀行はここに来て突然「元」の切り下げに転じたが、今度は中国に証券投資をしている投資集団が腰を抜かすほど驚いた。
「まずい。このまま資金を中国に寝かせていると含み損が莫大に拡大してしまう!!!」
 
 人民銀行としてはひどい矛盾だ。元高政策をとると輸出産業が崩壊し、一方元安政策をとると今度は借り入れていた短期資金が逃げ出してしまう。
「どうすらいいのさ、思案橋」という状況になってきた。
現在は致し方がないので外貨準備を取り崩して対応しているが、その金額が年間で65兆円規模ということだ。

 それでも全体で外貨準備は438兆円も持っているのだから支障ないように見えるが、実はここからがいかにも中国的な魑魅魍魎の世界に入る。
このうち米国債が1兆8千2百億ドル(約218兆円)でその残りの220兆円が一体どこにあるのかさっぱり分からないのだ。
こうした資金は中国がここ20年余り世界的規模で展開した鉱山資源の開発資金として投与されたり、オーストラリアの鉄鉱石鉱山、アンゴラの海底油田、リビアの石油施設等に積極的に投資されてきた。また南シナ海や東シナ海の鉱物資源掘削にも投じられている。
また国内では不必要な鉄道建設や道路建設の資金になっている。
金に色はないからいかようにも化けられる。

 もちろんその投資が成功すれば投資した以上の収益が得られるので問題はないのだが、実際はその反対でことごとくこうした投資は失敗している。
何しろ石油も鉄鉱石も石炭も銅も世界的な規模で余ってしまい、値段が半額になってどこの鉱山は次々に閉鎖されている。
はっきり言えば中国は一人で世界的な規模で不良資産を積み上げてきたことになる。

 まともなのは米国債程度で仕方なしに米国債を売却して資金繰りをつけざる得ない状況になっており、世界の市場関係者はこの中国の米国債売りに神経をとがらせている。
「なんだ、中国が世界最大の金持ちだなって言っていたが、実際は不良資産の山か・・・・・・」
私などは笑っているが市場関係者としては死活問題だ。ギリシャの不良債権が時のギリシャ大統領パパンドレウ氏によって公表されて世界中を震撼させたが、あのギリシャ問題の再来がこの中国問題なのだ。
「大変だ、中国は腐ったリンゴで実際の外貨準備は半分程度にすぎない」
中国は資金の流失をとどめようとあらゆる手段を講じているが、短期的な効果しかなく逃げる資金を止めることはできない。
腐ったリンゴは誰も食べる人はいないのだから致し方ない。
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