Entries

祝TPP大筋合意 21世紀前半の国際秩序はアメリカと日本が決定する!!

おゆみ野四季の道  新 (27.10.6)

 やれやれとホッとしてしまった。これで21世紀前半の世界経済の秩序がほぼ決まったからだ。TPP交渉がようやくまとまって大筋合意に達した。
このTPPがなぜ重要かというと太平洋を挟んだ経済大国でどこがこの地域の貿易とそれに伴うルールを決定するかの権力の争奪戦だったからだ。
本来はこうしたルール作りはWTOで決めてきたが、利害が錯綜してまったく機能しなくなってしまった。WTOに変わる新たな枠組みが求められていた。

 この争奪戦に名乗りを上げたのは中国とアメリカで互いに仲間を増やす裏工作を熾烈に行ってきた。
中国は中国組を立ち上げ、韓国や台湾や東南アジアの諸国を糾合して一時は日の出の勢いだった。
特にAIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立では世界の主要メンバーを参加させることに成功したので、アメリカ組の劣勢はいかんともしがたかった。
太平洋地域でAIIBに不参加だった主要国はアメリカ、日本、カナダだけだったからだ。

 日本はアメリカ組の主要メンバーで大番頭のようなものだからアメリカ組の衰退は即日本の衰退につながる。だからTPPの締結に成功するか否かは21世紀前半の日本の運命を決するといっても良かった。
安倍総理がなぜこれほどTPP締結にこだわったのかはそうした認識のもとに中国と対峙していたからである。

 もっともTPPの締結までの経緯は難産の連続で、特に紛糾していたのはバイオ医薬品のデータ保護期間を巡る話し合いで、アメリカとオーストラリアが激しく対立していた。データの保護期間というのは一般にわかりにくい話だが、通常の特許以外に新薬開発時のデータも特許並みの扱いにするということで、その期間についてアメリカの主張する13年とオーストラリアの主張する5年のと間に隔たりがあった。
今回その期間を8年で折り合いをつけたようだ。

 もう一つの問題点はニュージーランドが主張する乳製品の輸入拡大枠の問題でアメリカとニュージーランドが対立していたがこれも決着が図られた。
日本が主張していた自動車部品の関税撤廃についても撤廃が図られるという。
こうしてようやくのことでTPPは妥結の方向に舵を切り、各国の批准を持って来年早々には発効される運びになった。

 TPP交渉が難航するのは現在存在している利益団体が反対するからである。アメリカの場合は自動車労組が最も先鋭的に反対していたが、アメリカ市場を日本車が席巻することを恐れたからだ。自動車労組は民主党議員に働きかけて強烈な反対のロビー活動を行っていた。
日本の場合は農産物の輸入に反対する農業団体の圧力が強かった。歴代の自民党政府はこの農業団体と妥協を図ってきたが、一方安倍総理は農業団体の切り崩しに成功した。改正農協法で中央会の政治的活動の牙を抜いたからだ。
これでようやくTPP交渉にはいれる準備ができたといっていい。

 各国ごとにそれぞれ反対の理由はあるのだが、それは短期的なあるいは今現在の問題だが長期的に見るとこのTPPで太平洋を挟んだ貿易とそれに伴うあらゆるルールがアメリカと日本で決めることができる画期的な取り組みといっていい。
大事なのは中国が決めるのではなく、アメリカと日本が決めるということだ。
TPP締結国が目指すルールの中に国営企業に対する規制と自然破壊を許す生産活動の制限と経済活動を汚職で行うことの制限がある。
この制限は中国のような新興国が勝手気ままな経済活動をすることに対する国際的なルールの枠組みを制定するものだ。

 これによって中国の凋落は決定したといっていい。中国経済は今青息吐息でひところの威勢の良さは全くなくなっているが、それでもAIIBやBRICS銀行というフレームワークで太平洋経済を牛耳ようとしていた。
しかしTPPが締結してしまったら万事休すで、中国も中国組ももはや太平洋の覇権を握ることは不可能になった。
韓国などは中国と心中するつもりになってすり寄っていたが、本当に心中しか残された選択肢はない。

 台湾も国民党政権になってから露骨な中国シフトを引いていたが、この戦略は完全に行き詰り政権交代による中国離れが唯一の生き残り策になっている。
オーストラリアはTPPの有力メンバーだが、しばらく前までは労働党政権が露骨な中国シフトを引いていた。何しろオーストラリアの主要輸出品の鉄鉱石と石炭の最大の顧客が中国だったからだ。
しかし中国経済の大失速によって鉄鉱石も石炭も値段が半分になり、それでも購入者がいなくなったので鉱山は次々に閉鎖されている。
オーストラリアは再びアメリカ組に戻る決意をしたようだ。

 21世紀は中国の時代と言っていた評論家は、20世紀後半に「ジャパン アズNO1」といって日本がアメリカを追い抜かすと公言していた評論家と同じように恥を千載にかきそうだ。

21世紀前半はアメリカと日本の時代で、中国の影響力は日に日に低下していくことは間違いない。
TPPによって潮目は完全に変わる。安倍総理は勝利したのだ。
スポンサーサイト
  • コメント : -
  • トラックバック : -

Appendix

最近の記事