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世界は今、「中国経済の崩壊→中国動乱」を折り込み始めた。誰がためにカネは鳴る?

白髪頭でズバリと斬る -じじ放談- 2015年11月16日

はじめに

1991年のソ連邦解体によって45年続いた東西冷戦は終わった。仮想敵国を失った欧米列強は軍事費を大幅に削減した。軍事産業は倒産続出、企業の淘汰と再編が加速した。冷戦終了から10年目の2001年10月、国際商品価格(CRB指数)はボトムの183に低落、世界中がデフレ不況の影に脅えた。

CRB指数とは、原油(WTI)、暖冬油、無鉛ガソリン、天然ガス(以上、エネルギー関連)、金、銀、銅、アルミニューム、ニッケル、(以上、貴金属・鉱物関連)、小麦、大豆、とうもろこし、綿花、砂糖、ココア、コーヒー、オレンジジュース(以上、農産物・食品関連)、生牛、豚肉赤身(以上、畜産関連)の全19品目の国際価格の指数で、いわゆる実体経済の動向を把握する物差しとされる。CRB指数が急騰すれば実体経済は加熱状態(インフレ・バブル)、同じく急落すれば実体経済は加冷状態(デフレ)となる。

前述したように、米国の政治・経済・軍事の中枢部を狙った同時多発テロ時(2001、9.11)CRB指数は185前後のボトム状態であった。実体経済は青息吐息のデフレ状態で戦争特需を求めていた。そして、米国はアフガン・イラク戦争に数百兆円の戦費を投入したほか、サブプライム・ローン等による住宅バブルを創出することで大不況を脱することができた。我が国は「円高」を強要され、国内産業の輸出競争力は低下した。企業は生き残るために競って中国等の海外に工場を移転。結果、我が国は国内総生産高が全く増えない「失われた20年」に陥った。

2007年、米国の住宅バブルが崩壊、金融機関の破産続出。2008年8月24日、国際商品価格(CRB指数)はボトル圏の185に急落。同年9月15日、リーマン・ブラザーズが連邦破産法第11章の適用を申請(リーマンショック)。欧米の金融機関だけでなく、米国の主要産業(ビッグ3)も破産寸前に追い込まれた。アフガン・イラク戦争による戦争特需と住宅バブル創出による「脱デフレ政策」の効能は5年。

米国の住宅バブル崩壊に起因する世界経済の失速は、外需への依存度が高い中国経済を直撃。中国共産党中央は「一党独裁政権の崩壊」を防ぐべく4兆元(約60兆円)の公共事業(高速鉄道、高速道路、住宅建設等)を断行。これに地方政府が過大反応した。5年ほどで数百兆円の公共事業関連投資が行われた。中央政府と地方政府傘下の国有企業(土木・建設・資材関連)が急拡大した需要に応じるべく生産設備の拡充を行ったほか、共同して、又は争って、世界中の資源を買い漁った。中国が無謀な経済運営を進めてくれたお陰で、世界経済はリーマン・ショックの痛手から急速に立ち直ることができた。

バルチック海運指数(基準値は1985年1月4日を1000とする)によれば、「外航不定期船の運賃価格(鉄鉱石、石炭、穀物等)は、リーマンショック直後の2008年12月5日、663のボトムをつけた。以後、中国の資源爆食により急騰、2013年12月13日に2330の最高値となった。反転して2014年2月6日に1093に急落、同年3月24日に1602に反騰、同年7月18日に732に急落、同年11月6日に1436に反騰、2015年2月17日に516と急落、同年8月7日には1200と反騰、そして本年11月13日に579と急落中だ。中国の不動産バブルが崩壊し、中国による資源爆食時代が終わったから不定期外航船の運賃も下がった。本年2月、バルチック海運指数はリーマン・ショック後の663を大きく下回る509となった。世界の実体経済(物流)はすでにリーマン・ショック直後以下に悪化しているとの証だ。

米国型不況脱出法(戦争特需とサブプライムローンによる不動産バブル)もNO、中国共産党一党独裁政権による中央政府と地方政府が総力を上げて取り組んだ不況脱出法(公共事業バブル)もNOとなった。手持ちカードがないから、最後の手段として「紙幣大増刷による需要創出と景気回復」が採用された。中国人民銀行を初め、米FRB,欧州中央銀行そして日銀も国債を大量に購入し通貨供給量を増やしたほか、前例のない金融政策を断行するが「モノの価格」は上昇しない。「インフレターゲットによるアベノミクス」も悪戦苦闘中であるが、仮に日米欧等の中央銀行が紙幣大増刷等前例のない「脱デフレ対策」に踏み出さなかったならば、世界中で企業倒産が多発、失業者が急増、社会福祉関連予算の大幅削減で社会的混乱が発生していたはずだ。

世界経済が全体として悪化(デフレ化)しつつある今日、安倍総理は「攻め続けることなしには現状を維持することもできない」との危機意識をもって、次々と具体的数字目標を掲げて突進している。一瞬でも留まれば、世界の潮流(デフレ)に押し流されると。

第1:中国経済は「山高ければ谷深し」の崩落過程に突入

2008年頃から中共・中央政府及び同地方政府が行った数百兆円規模の公共事業によって国際商品価格(原油・天然ガス・鉄鉱石・貴金属等)は急騰。莫大なカネが消費国から資源保有国に移転した。先進国(消費国)と資源保有国の力関係が逆転。資源保有国や新興大国(Brics)は我が世の春を謳歌し、肩で風を切って歩くようになった。世界の重心は「G7」から「G20」に移動し、「Gゼロ時代」が流行語大賞になった。ロシアと中共は「力による国境線の変更」を押し通すようになった。

中国の不動産バブル崩壊から約2年。中国は不動産バブルを演出するために、資源の爆買いと設備投資を行ってきた。結果、彼らは天文学的水準に達した巨額の借金を積み上げ、大量の設備と過剰人員を抱え込んだ。目下、設備の削減や廃棄及び従業員の解雇に取り組んでいるが、いずれも小手先の弥縫策に過ぎず、「戦力の逐次投入」という最悪のパターンに陥っているように見える。コマツや太平洋セメント等中国に進出した我が国企業も右に同じ。

「中国国家統計局が11日発表した10月の工業生産は前年同月比5.6%減、固定資産投資は前年同月比10.2%減、輸出が前年同月比6.9%減、卸売物価が前年同月比5.9%低下で、社会消費品小売総額だけが前年同月比11.0%増となった。(以上、12日付け日本経済新聞より抜粋)

世界中で「貴金属や生活消費品を求める中国人の爆買い」が耳目を集めている。我が国でも、大挙押し寄せる中国人の「爆買い」を期待し、免税店を拡大、在日中国人の通訳を手配するなどあの手この手の対策を講じている。「中国人の爆買い心理」は中国製品(毒物混入・偽造品・粗製濫造の不良品)に対する不信感が昂じ、「少しでも安全・安心な外国製品」を求めているのであろう。「国(共産党)に期待することもできないから、自己防衛せざるを得ない」という心境なのだ。何千年も前から漢族はそのようにして生きてきたし、地縁と血縁だけが彼らの生命維持装置であった。

中国経済の崩壊は目下、「公共事業関連予算の縮減と不動産バブルの崩壊」→「公共事業関連国営企業の経営悪化と負債総額の急増」→「同国有企業の倒産又は人員整理と過大設備の廃棄」→「同国有企業傘下の中小企業の経営悪化と廃業」→「資源関連物資の輸入減少」→「労働集約型企業の国外脱出・商品の競争激化による輸出の減少」→「労働争議の多発と社会不安の増大」→という経緯だ。経済発展の成果が個人まで波及するのに一定の年月を要するように、景気後退(大不況)が波及するのにも時間差はある。

中国不動産バブルの最大の受益者は共産党高級官僚とその一族郎党及び共産党高級官僚を買収して特権を獲得した民間企業経営者である。彼らは蓄えた財産の大半を米国・英国・ドイツ・豪州・カナダ等に移転し、家族を国外に移住させ、いつでも国外逃亡できる態勢を整えている。

中国の階級構成は「人口の0.7%(910万人)で国富の約70%を占有する共産党高級官僚と資本家が特権階級、その下に高等教育を受け、それなりに生活を楽しむことができる人口の約9%1億人が中産階級、人口の約90%12億5千万人が農民工を初め中国経済発展の恩恵を全く受けていない被抑圧階級・被搾取階級と見るのが相場だ。世界中の不動産や商品を爆買いしているのは特権階級と中産階級の上澄み液(10%)だろう。そして、中国経済が失速し又は崩壊する過程で、特権階級と中産階級も没落し消滅する。国営企業の管理者等中産階級の多くが失職して下層階級に転落するのを恐れているはずだ。

世界中で商品や不動産を買い漁る特権階級と中産階級に属する各位は、「中国経済がまもなく崩壊する、人民元紙幣が紙くずになる」と理解し焦っている。自らの現在の生活が「砂上の楼閣」であり、いつ何時地面が崩落して地獄の底に突き落とされるか分からないと感じている。この不安心理が外国の不動産を買い漁り、商品を衝動買いしている動機だろう。
中国人といっても千差万別、玉石混交だ。共産党官僚の如き欲ボケ強盗もいれば、物欲を遠ざけざるを得ない寂しい古老(仙人)もいる。

第2:中国の基幹産業(国営企業)の大半は破産状態

(以下(1)-(3)は、大紀元日本「中国国営企業の負債総額は1476兆円に、9月だけでも113兆円増加」(2015.11.2 17:12)より抜粋)

(1)中国財務部が発表した統計によると、今年9月末時点の国有企業の負債総額は77兆6828億元(1476兆円)で、8月末から1か月間で5兆9300億元(約113兆円)増えた。以上は10月28日付け中国国内メデイア華爾街見聞から転載したもの。

(2)専門家は「中国経済が一段と鈍化する中、政府は経済成長率を一定の水準に維持するため、企業のレバレッジ拡大(借金を増やす)を図っており、今後、さらなるゼロ金利を含む金融緩和を実施する」と見る。

(3)中国財務部が21日発表した統計によると、国有企業又は株式保有形態の国有企業の1-9月の純利益総額は約1兆7427億元(約33兆1132億円)で、前年同期比で8.2%減少した。そのうち中央政府直轄の国営企業の純利益は前年同期比10.2%減少、地方政府管轄の国有企業は2.7%減少した。

以上の統計は、中央政府直属の国営企業だけなのか?それとも地方政府(省・市・県等)が統括する国営企業を含んでいるのかが明確ではない。仮に、財務部の統計が中央政府直轄の国営企業に限定したものとすれば、地方政府が統括する国営企業の負債を加えると、負債総額が約3000兆円に達しているとしても不思議ではない。地方政府は資金集めの特殊法人(プラットホーム)を立ち上げてゴーストタウンの山を築いてきたから返済できない借金が天高く積み上がっているはずだ。

中国は改革開放政策の導入以来、民間企業の活力を利用する「民進国退策」をとった時期もあったが、リーマン・ショックによる経済危機に対処するために実施した公共事業投資4兆元(約60兆円)とこれに触発された地方政府による不動産開発競争によって、中国は政治主導の社会主義的計画経済(国進民退)に回帰した。

国営企業の経営者は共産党高級官僚で、党中央や省党委・市党委等によって任命される。4大国有銀行や国営企業は政府・軍・議会と同様共産党の所有物であり、共産党官僚の談合で融資要件の審査も杜撰で、仮に破産状態に陥っても4大国有銀行からの「輸血」が途絶えることはない。共産党高級官僚は国営企業と称する「党営企業」を延命させることを再優先に、個人や民間企業から低金利でかき集めた預貯金を湯水の如く浪費する。

中央政府及び地方政府傘下の国営企業(党営企業)の負債残高が約3000兆円と仮定する。利払いを年率5%とすると利子返済分だけで年約150兆円。また、国有企業を倒産させれば、一度に数十万人から数百万人の労働者が解雇されるから重大な社会問題に発展する。そこで、共産党一党独裁政権は自らの政権を少しでも先延ばしするために、ゾンビ企業を存続させ、規模を徐々に縮小させ、人員整理をちまちまと行わせる以外にない取りうる手段はないと考えている。人民元紙幣を大増刷して「公的資金を注入(輸血)し続ける以外にない」と。

第3:中国も「中進国の罠」を抜け出すことはできなかった。

(以下、(1)ー(4)は、大紀元日本に掲載された「台湾企業の撤退続く、500万人失業=広東省東莞市」(2015.11.5 10:40)からの抜粋)

(1)中国メデイアの報道によると、中国の労働密集型企業は深刻な不況に陥っている。広東省東莞市にはかって6000社あまりの台湾企業が進出していたが、すでに2000社以上が撤退、今年に入ってから約500万人の労働者が失業した。それに伴い、東莞市の定住人口も約1300万人から約800万人に激減。

(2)複数の報道によると、中国に進出した台湾の大手・中堅上場企業のうち、半数以上が利益がでないか、赤字経営となっている。中小企業の場合、その割合は70%以上とさらに高い。2013年から、台湾企業は徐々に中国から撤退を開始、台湾政府の統計ではここ2年間で中国から引き揚げた資金は15.3億ドルにのぼっている。

(3)撤退の理由として、生産力の低下、製造コストの上昇(税率・家賃・社会保険等の上昇)、厳格なインターネット規制による生産効率の低下、深刻な知的財産権侵害、偽造品の氾濫、重度な環境汚染(空気・水)により製造食品の品質が確保できないことが挙げられている。頻発するストライキやサボタージュも一因とされる。

(4)東莞市を初め同市を包括する中国最大の製造業集積地である珠江デルタ地域の製造業全体が苦難を強いられている。珠江デルタ地域では本年に入り、大手・中堅企業76社が倒産したと報じられた。ひっそりと姿を消した中小企業はさらに多いとみられる。その多くは、陶磁界、家具、紡績、靴、玩具、紙製包装機、電子機器、LEDといった労働集約型産業に集中している。

以上、中国に進出した台湾企業の惨状は台湾企業だけの問題ではなく、我が国を含む外資系企業や輸出競争力を失った中国民間企業も右に同じであろう。世界の工場といわれた中国の労働集約型企業は人件費や社会保険料の高騰、優遇税制の廃止などによって存続することができず、ベトナム、フィリピン、ミャンマーを初め東南アジア諸国に移転している。結果、民間企業が衰退することもあって「国進民退」が目立つようになった。中共中央は我が国やドイツの先端技術を保有する企業を誘致すべく甘言を弄して接近しているほか欧米老舗企業の買収を仕掛けている。仮に、中共の甘言に騙され、国営企業と合弁企業を立ち上げたとしても、遠くない将来、三洋電機やシャープと同じく、技術を盗まれ、骨の髄までしゃぶられて捨てられるはずだ。又は新幹線と同様、我が国企業の市場を奪う敵となる。

中国が労働集約的加工貿易国家から脱皮して、生産効率の高い先進国型産業構造に転換できたと仮定する。高学歴の研究者や技術者の雇用は増えるであろうが、単純労働者数億人の一部は販売員や娯楽産業等の内需関連産業で吸収できるであろうが、大多数の単純労働者を雇用することができず数億人の失業者(流民)が出る。人口13億人の国家は数百万人又は数千万人規模の国家に比べ小回りがきかないのだ。人間は機械ではない、定期的に飯を食わなければ生きられないし、1日数回は排泄しなければならない。

先般、習近平はシンガポールに馬英九台湾総統を呼び出して密談を交わした。反日歴史闘争を呼びかけたのか、それとも台湾企業が国外脱出しないように協力を求めたのかは明確でない。中国国営企業は相当困っている様子で、我が経団連と幾度も懇談する機会を設定して、最先端技術の移転と企業誘致を働きかけている。我が国最先端企業を中共の「生け贄」として差し出す役目が福田康夫と二階俊博だろう。

第4:ようやく、中共中央(中央政府)も「貿易の大幅縮小」を公式発表せざるを得なくなった。

(以下、(1)、(2)は、産経新聞(2015.11.8 13:27)より抜粋)

(1)中国の1-10月累計の貿易総額は前年同月比8.5%減となった。年間で6%増とする政府目標を大きく下回っており、目標達成はほぼ絶望的な状況。

(2)貿易総額を国・地域別で見ると、日本は11.2%減、EUは8.3%減、経済が好調な米国は1.8%増とプラスを維持した。

中国は、2008年頃から、原油・天然ガス・石炭(以上、エネルギー関連)、金・銀・銅・アルミニューム、ニッケル(貴金属・鉱物関連)、小麦・大豆・とうもろこし、綿花・砂糖・ココア・コーヒー・オレンジジュース(以上、食品関連)、生牛・豚肉(以上、畜産関連)の19品目の国際商品価格(CRB指数)だけでなく、ニュージランドから乳製品を大量購入してきた。CRB指数は2009年3月の200から徐々に水準を切り上げ、2011年5月には368まで急騰。そして、2014年6月に312に急落、以後、高値と底値の水準を切り下げながら、2015年8月13日には184,同年11月13日には186とリーマンショック前後の最安値水準に下落した。

バルチック海運指数は米国発金融危機発生(2007-)による世界的規模の景気減速によって523(2008年底値)に低落したが、中国の資源爆買いによって上昇気流に乗り、2013年12月13日には2330の高値をつけた。2014年以降、同指数は上下動を繰り返しながらも水準を徐々に切り下げ、2015年11月13日に560とリーマン・ショック前後と同水準に下落した。

以上、国際商品価格(CRB指数)とバルチック海運指数からいえることは、世界経済は2013年末頃から2014年初頭を分岐点として下降に転じたということだ。そして現在(2015年11月中旬)の国際商品価格と外航不定期船の運賃は世界経済を恐怖のどん底に突き落としたリーマン・ショック前後と同水準の危険な状態にあるということだ。米国発金融危機(2007ー)では米国政府とメデイアが情報公開に努めたから世界中が危機意識を共有して対処することができたが、中国発金融危機(2015-)では中共中央(中国政府)が情報を隠蔽しているため、世界は危機意識を共有できず効果的な対応がとれていない。結果、対策が遅れ、世界大恐慌を誘発する危険がある。

さすがの中国共産党中央(中央政府)も、輸入総額の激減という客観的事実を隠蔽することができなくなったから、やむを得ず「悪い数字」を小出しにして公表することにした。先般の日中韓3か国首脳会談で、李克強首相は2015年度の経済成長率を「6.5%を目標としたい」と語った。李克強は「マイナス成長になる」と本音を披露することもできず苦しい答弁でお茶を濁した。李克強が先般の中共中央委員会総会の決定(成長率6.5%)にわざわざ「目標」を付加して修正したのは、彼の経済学者としての矜持を貫くためかどうかは不明であるが、「なお若干の良心の呵責が残っている」とはいえよう。

まとめ

中国の爆買いに踊ったエネルギー・食料・鉱物等の輸出国は今や「青菜に塩」の状態で、国民生活は息も絶え絶えの苦境に陥っている。出口が全く見えない。少なくとも数年、長ければ10年又は20年は耐乏生活を強いられると覚悟すべきであろう。世界恐慌の大津波が襲来しても、被害が軽微な国家、満身創痍で二度と浮かび上がることができない国家など様々で、一概に論じることはできない。韓国や台湾のような中国経済への依存度が高く、内需に期待できない国家は厳しい冬の時代となる。我が国も相応の被害を被るが、企業は空前絶後の内部留保を貯めこんでいるので、大飛躍の礎を築くチャンスとなる。

中共王朝・習皇帝は(1)集団的指導体制を廃止し、すべての権力を習皇帝個人に集中した、(2)チベット・新疆ウイグル自治区、内モンゴルの自治権拡大運動を武力で鎮圧、多数の異民族・異教徒を虐殺し、又は自殺に追い込んだ、(3)民主化を求める人権派知識人の言動を厳重に監視し、ささいな政府批判であっても礼状なしで長期間拘束し、又は国家転覆扇動罪の濡れ衣を着せて逮捕・投獄する等「暴力による人民支配」を強めた、(4)政敵となりそうな党中央・中央政府高官・人民軍最高幹部とその一族郎党を「縁坐制・連座制の古代法」を準用して尽く粛清し処刑した、(5)構成要件が明確でないスパイ取締法等を制定し、当局が恣意的に人民を逮捕・投獄できるよう備えを固めた、(6)国家総動員法を制定し、国内の外資系企業、民間企業の全資産を接収できる法律を制定した。
習近平の専制政治を見ると、そのモデルは毛沢東ではなく、「秦の始皇帝」が断行した恐怖政治ではなかろうか。

中央政府と地方政府が運営する国有企業の借金総額がいかほどになるかは誰にも分からない。おそらく中央政府や地方政府さえも把握できておるまい。世間の常識では約1500兆円から約3000兆円程度と推定されているが、いずれにせよ「利子を支払うのも困難なほど借金が積み上がっているし、返済の目処が全く立たない」というのが一般的な見解だろう。つまり、中央政府と地方政府が経営する国営企業が国富と13億国民の預貯金を食い散らしていると考えてよい。

15日夜のNHK衛星放送で、「ニュージランドの酪農家が中国の爆買いが今後も続くものと想定して過大投資を行ったが、中国の乳製品輸入が停止したため、返済できないほど多額の借金が残った」と途方に暮れている映像を流していた。中国はCRB指数関連の商品を買えないだけではなく、ニュージランドのバターや粉ミルクという酪農製品の輸入さえも差し止めているというのである。外貨のやりくりが相当険しくなっているのか?外貨準備高3兆5千億ドルという宣伝文句は世間をたぶらかす詐欺カードなのか?

中国経済の崩壊が秒読み段階にあると仮定してみる。習近平は中国経済の崩壊と中国動乱を想定した弾圧態勢を強化していると仮定してみる。近い将来、中国人民元紙幣の価値が暴落し紙屑化するのが想定できるのに、欧米列強はなぜ中国人民元の国際化を後押しているのか?中国に投資した資金を回収する必要があって、閉鎖的な中国為替市場の扉を押し開くよう圧力を強めようとしているのか?疑念は尽きない。

いずれにせよ、習近平が情報を統制し、情報を秘匿し隠蔽すればするだけ、世界は「中国は危うい」と感じる。すでに先物筋は「中国経済の崩壊」を折り込み始めた始めたのではなかろうか。ハゲタカファンドにとっては「死臭紛々のサバンナ」ほど気になる場所はないのだ。 白髪爺 at 17:07

この記事へのコメント
1. Posted by 大和は国のまほろば 2015年11月16日 17:49
中国ってわからない国ですよね(笑)

>中国最大手ECサイト「アリババグループ(阿里巴巴集団)」が、毎年11月11日に行う「シングルデー(独身の日)」と呼ばれるシーズン商戦で過去最大の売上を記録する勢いだ。セールは真夜中からスタートし、グループが運営するECサイトでは開始10時間ですでに売上1兆円を超える取引が行われている

このように通販サイトはついにアメリカのアマゾンを抜いて世界一位の売り上げを誇っています

ではデパートの売り上げはどうなのか?
中国国内のデパートはばらつきもあって一概には言えないけれど・・それなりに売り上げは伸びています

金もないのにどうやって買うのよ~って私なんか思いますけど
金は困窮しているけど購買意欲は日本の1960年代1870年代のように意欲的です
世界的にはそこに目をつけているんでしょうけど
韓国みたいに借金しても買えってことでしょうね

台所事情が苦しくなるのはこれからですね
ちょっとずつちょっとずつ苦しくなるんでしょうね

2. Posted by 白髪爺 2015年11月16日 20:11
在日朝鮮人・韓国人の特徴は「諍いになっても一山当てた方が勝」という反社会的性向が強いといわれていますが、在日華人の生活感覚は「堅実で諍いを避ける」といわれております。
中国という人口密集地で、かつ常に生存競争にさらされる生活をしておれば、そして権力の監視と圧力がとてつもなく強いので「衝動性」が必要以上に高まっているのではないでしょうか。冷静沈着に行動する心の余裕がなく、衝動を表出することで心的安定を図っているのではないでしょうか。おそらく、堅実な精神をもって生きるのが困難な社会なのでしょうね。

3. Posted by     2015年11月17日 03:39
>企業は空前絶後の内部留保を貯めこんでいるので、大飛躍の礎を築くチャンスとなる。
日本の場合、国際競争にさらされてる技術系企業企業はさほど内部留保を蓄えておらず、国際競争にさらされない流通・建設・不動産等の内需企業が内部留保を蓄えているので、内部留保をうまくいかすのは無理では?

4. Posted by 白髪爺 2015年11月17日 09:55
内部留保を貯めこんでいる企業がこれまでの枠組でいう内需型であったとしても、永遠に内需型に留まる必然性はないのではないでしょうか。体力がある時、又は世界中が焼け野が原になった時が世界に市場を求めるビッグチャンスだと思います。
また、技術系企業に蓄えが少ないとしても、我が国では実質ゼロ金利でカネを貸してくれる金融機関がゴマンとある訳ですし、20年慣れ親しんだデフレ的経済観を捨てて、インフレ的経済観に軌道修正すべきではないでしょうか。
デフレ経済下では現金を持ち続けることが、インフレ経済下では借金をしまくることが有効な戦術になります。環境の変化に即応して柔軟に行動できるか否かが生き残れるか否かを決定づけるのではないでしょうか。

5. Posted by 小市民 2015年11月18日 11:23
習近平は何故ドイツや日本の様にイギリスに唆されているんでしょう
覇権への欲が見えなくしているんでしょうか?

6. Posted by 白髪爺 2015年11月18日 14:13
海賊国家英国の秀でた点は「原理原則にこだわらず、場面に応じて国益の最大化を図る」ということにあります。英国にとって喫緊の課題は「経済」ということなのでしょう。習近平の姿は「ネギを背負ってやってきた鴨」に見えたのではないでしょうか。
習近平の「力による政治」が行き詰まり、国内・国外ともに「敵を増やすだけ」の結果に終わっています。習近平は自分の首を自分で絞めているのです。相当苦しい立場に追い込まれていると推察されます。
習近平は「札束外交」と「インフラ投資外交」で散財して回る以外に、仲間を増やし又は友達の離反を食い止めることができないと考えているのでしょう。
もともと中共には覇権を狙う体力もなく、それほどの見識もありません。大言壮語をして世間の耳目を集め、大風呂敷を広げて聴衆を集める興行(露天商)をやっているだけではないでしょうか。世間から大国と認めてもらいたいのでしょうね。
世間やマスメデイアは、演者の話題が空想的であればあるほど、言動が非現実的であればあるほど騙されやすいですし、酩酊してしまうのです。オーム真理教の松本智津夫の如き天性の詐欺師も一世を風靡したことがありました。
興行師の威勢のよい言動に騙されないようにくれぐれも用心したいものです。

7. Posted by 小市民 2015年11月18日 18:45
お答え有り難う御座います、今民主党政権じゃなくて良かったと心から思います
習近平はもう前にも後ろにも右にも左にも行けないのですね
イギリスを金で買ったつもりだったんでしょうか
大雑把です

8. Posted by 白髪爺 2015年11月18日 22:57
大した政治的力量もないのに、親の七光りだけで立身出世をしてきた男が皇帝に上りつめたのでした。目下、反腐敗闘争という大義名分を掲げて政敵を掃討しております。中共に勢いがあった毛沢東の時代であれば「英雄」になれたかもしれませんが、すでに中共の土台は崩れ、家屋が傾いておりますから、大手術に耐えるだけの体力は残っておりません。やはり、習近平の宿命(さだめ)は「中共王朝の最後の皇帝」と決まっているのだと思います。
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