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GDPは死んだ!! GDPによる景気判断の終わり

おゆみ野四季の道  新 (27.12.9)

 GDP信奉者にとって冷や汗が流れたはずのGDPの改定値の数字だ。
速報値では6月~9月期は▲0.8%だったから、「ほれ見てみろ。日本は2期連続でGDPがマイナスになり、深刻なリセッションに陥っている。アベノミクスは失敗だ」などとしたり顔に解説していたが、改定値では1.0%のプラス成長に修正された。
「アベノミクスは失敗」と言ったGDP信奉者は今度は何と解説するのだろうか。
「景気は順調に回復軌道に乗っている。アベノミクスは大成功だ。リセッションなど存在しない」などというのだろうか。
きっといっている本人は恥ずかしくなるだろう。さらに確定値でまた数字が変わったらいう言葉を失うはずだ(GDPは速報値、改定値、確定値の3段階で修正が入る)。

 何度も言っているように日本のようにせいぜい1%程度の成長しかない国でGDPを計測してもそれで景気判断をすることはほとんど意味をなさない。
今回は▲0.8%から+1.0%に変わったのだからその差は1.8%だ。
1%程度の数値を追うのに誤差が1.8%もあっては伸びちじみするゴムで身長を図っているようなものだ。

 特に今回は設備投資が大幅に修正され速報値では▲1.3%だったのが、改定値では+0.6%に修正された。
GDP信奉論者は「企業業績はいいが企業は設備投資を控えて内部留保に走っている。これでは景気回復とはいえない」とここでもしたり顔で解説していたが、実際は設備投資は増加していた。
さて前回の言葉を何と修正するつもりだろうか。

GDPはひどく誤差のある統計数字で今回さらに14年度の消費支出も過去にさかのぼって修正されている。14年度は消費税の増税の影響があって大幅なGDPの落ち込みがあったということになっていたが、さしたる落ち込みでなかったと修正された。
日本の消費支出は主として老人家庭の家計調査を基に計測されていて、老人の経済行動はよくわかるが若者を含めた全体の動きは分からない。
「家計調査ではさっぱり消費財は売れていないのにメーカーに聞くと順調な売り上げになっている。なぜ差が出るのだ」と統計官が悩んでいたがデータに偏りがあるからだ。

 日本を含む先進国の経済動向の判断にGDPは全く不適になってきた。アメリカでさえ景気判断は失業率や新規雇用者数の増減が最も重要な判断材料になっている。
GDPのような誤差の大きな数値で判断すると景気判断を誤るからだ。
一方新興国や後進国はGDPの統計手法が十分に整備されていなかったり、中国のように経済指標ではなく政治指標だったりしており、もともと信用する方が愚かだということになる。

 20世紀の経済学で最ももてはやされたのはGDPだったが、完全に賞味期限が切れてしまい現在では単なる統計官を失業させないための公共事業になってしまった。
何度も言うが、GDPで景気の判断をするのは愚かというより以上に誤りだ。
企業業績と失業率を追って企業が過去最高益を出していて労働市場がひっ迫していれば景気はいいのだ。
だからニーチェ流に言えば「GDPは死んだ」のだ。
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