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中国を擁護するメディアや識者には要注意 米国も警戒する情報操作 H・S・ストークス氏

zakzak 2015.12.09

 中国共産党と人民解放軍が仕掛ける謀略工作を、米専門家らが「政治戦争」と名付けて警鐘を鳴らしている。日本や米国、台湾をターゲットに、国内の意見や認識を中国側に有利に誘導するものだ。一部のメディアや識者の偏向も、これに当たるのか。米紙ニューヨーク・タイムズや、英紙フィナンシャル・タイムズの東京支局長を歴任した、英国人ジャーナリスト、ヘンリー・S・ストークス氏が直言した。

 ワシントンで今年秋、「中国の東アジアや同盟諸国への政治戦争」というシンポジウムが開かれた。私はその内容を確認したが、まさに日本への警告といえるものだった。

 中国による「政治戦争」のターゲットは3つ。第1は、対中外交に関わる政府高官や財界人。第2は、元外交官や元軍人など政府に近いエリート。第3は、外交や安全保障を担当するジャーナリストや大学教授らだ。そこから、一般国民への波及を狙っている。

 米国防総省OBは「中国の工作活動を実行しているのは、共産党中央宣伝部と人民解放軍政治部。中国のアジアや世界での支配拡大を黙認させ、各国の抵抗を弱めさせることを目的としている」と語った。

 諜報活動には、人工衛星や無人偵察機、通信傍受などによる情報収集と、人間(スパイ)を使う「ヒュミント」がある。スパイは情報の入手だけでなく、自国に都合のいい偏向情報やニセ情報を流す情報操作(ディスインフォメーション)も行う。相手国を誘導して、撹乱(かくらん)させる謀略だ。

 友人の評論家、宮崎正弘氏が「中国の電力使用が伸びていない。経済成長がウソの証拠だ」と指摘すると、途端にその数字が伸びた。中国が出す情報はウインドードレッシング(化粧)したもので、実体ではない。

 日本人は情報操作に極めて弱い。

 第2次世界大戦後、GHQ(連合国軍総司令部)による「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)」を施され、贖罪(しょくざい)意識を植え付けられた。いまだに、一部のメディアや識者、国民は洗脳されたままで、中国共産党と人民解放軍に取り込まれた者もいる。情報操作の片棒を担いでいるのだ。

 中国が南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地化している問題や、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産に「南京事件文書」が登録された問題について、中国を擁護するメディアや識者は要注意だ。習近平政権になって急にスタンスを変えた識者も多い。

 安倍晋三政権が成立させた安全保障法制や、大筋合意したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を猛批判したメディアや識者がいた。南シナ海をめぐって露呈した「米中新冷戦」を目の当たりにして、安保法制とTPPがなかったら、日本の国際的立場は極めて低かったはずだ。

 中国が仕掛ける「政治戦争」に勝たなければ、日本は国益を大きく損なう。情報戦争に強い日本であってほしい。 (取材・構成 藤田裕行)
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