企業は社員をリストラできるが国は国民をリストラできない
2015年12月12日
DarknessDUA 2015-12-11
現代の資本主義は、企業が極限まで利益を求めるようになっている。利益至上主義になったのだ。
そして、そこで働く労働者は企業の売上を貪り食う「コスト」として見られるようになっていった。利益至上主義なので、「コスト」は削減されなければならない。
そのため、企業はコスト削減のために労働者を常にリストラするようになっている。
また、労働者を雇わないで済むように、ロボット化、IT化、ネットワーク化と、思いつく限りの雇用削減のイノベーションが考えられ、現場に取り入れられている。
こうしたことから、これからは「労働では富を得られない」という凄まじい資本主義の時代に入っていく。ワーキングプアの存在は、まさに「労働では富を得られない」という状況を示したものである。
労働で富を得られないとすれば、何が富を生み出すのか。それは「資産」である。巨大な資産を持っている者が、その資産を膨らませるのが富を得る方法なのである。
一部の勝者がありったけの富を奪い取っていく
アメリカはすでに膨大な資産を持った1%程度の勝者が、99%の人からすべてを収奪する社会と化している。
そのため、経済的な不均衡が生み出され、深刻な失業問題はどんどん深化してしまい、這い上がれない貧困が巨大な暴動や社会不安を生み出している。
アメリカでは中産階級の収入が毎年激減している。すでに4600万人が貧困になっている。世界最大の経済大国と言われているアメリカでさえも、6人に1人が貧困層だ。
貧困層予備軍を入れると3人に1人が貧困に苦しむ社会となってしまっている。そんな世帯が爆発的に増えている。
アメリカ人の多くが今、「生活していけない」状態に突き落とされており、中間層は多数派ではなくなった。
オバマ大統領の支持率が急減しているのは、外交問題で手も足もでないこともあるが、国内問題を解決することもできないでいるからだ。
一部の勝者がありったけの富を奪い取っていくのが許される社会というのは、「弱肉強食の資本主義」とも言われる。
それは、分かりやすく言えば「あるところから根こそぎ奪う」ための強者総取りの世界だ。この歪みきった資本主義がグローバルに展開されている。
グローバル化した資本主義社会に適合できているのは、国ではない。その理由は明らかだ。「企業は社員をリストラできても、国は国民をリストラできない」からである。
国は弱者の面倒を見なければならない。そのため、どこの国も社会福祉にかける費用が膨れ上がり、莫大な借金を抱えて身動きできない状態になった。
国そのものも、資本主義社会では弱者なのである。
グローバル化を仕掛けているのはアメリカ政府?
資本主義社会での強者は多国籍企業である。彼らは世界中から莫大な儲けを得るために、ありとあらゆる国に自由化を押しつける。その自由化を押し付けることをグローバル化と呼んでいるのである。
ターゲットに定めた国(奪い取りたい国)は、外国人でも投資できるように自由化される。そして、投資に制限がかかっていない状態にする。彼らは、それを「新自由主義」と格好をつけて言っている。
要するに自分たちが企業を買収したり、売り飛ばしたり、投資したり、空売りしたり、「自由に」経済活動できるようにするためのものである。
ここで言う自由とは、彼らの自由である。
自分たちの収奪的な経済活動に対して、その国の政府に介在させないようにする。市場で何が起きても介在させない。
邪魔したら賠償金が取れるようにする。そうやってターゲットを法的に丸裸にしたあと、市場操作をしてその国の富の一切合財を奪い取る。
グローバル化というのは、多国籍企業がその国の権限を弱体化して、自分たちがその国に乗り込んで、根こそぎ儲けを持っていくという状況を指しているに過ぎない。
グローバル化はアメリカ政府が仕掛けているのではない。「アメリカの多国籍企業」が仕掛けている。ここのところを誤解する人が多いが、国と企業はまったく違う。
アメリカ国家は、アメリカの多国籍企業の命じるがままに「動かされている」のであって、主ではなくて従なのだ。
だから、アメリカ政府を見ていても世の中はまったく分からない。それもそうだ。アメリカの議員は、単に多国籍企業の使用人でしかないからだ。
すでに多国籍企業が資本主義を制した現代、社会はさらに多国籍企業が有利に、労働者が不利になっていく。ワーキングプアは常態化するのである。
政府が国民を守れないのがグローバル社会の正体
日本もまた完全にグローバル経済に飲み込まれている。だから、日本人も弱肉強食の資本主義の荒波に巻き込まれて、収奪されていく。
そのため、貧困層の増大と、格差の開きは、さらに深刻化していくことになる。政府もグローバル化を止められないので、問題を解決することは難しい。
グローバル化は政府の規制を取り払う動きなので、いったんグローバル化に飲まれると政府はもう国民を守れない。だから、ワーキングプアの問題は解決に向かうのではなく、拡大化していく。
G7、G20を代表とする国際社会が、世界中の政府に「グローバル化」を執拗に押し付けるのは、多国籍企業が富の収奪のためにそれを望んでいるからである。
自由を押しつけ、政府が介在できないようにして、市場操作して、すべて奪い取る。
こういった暴走は経済がクラッシュするまで続いていくのだが、そのクラッシュこそが「金融危機」と呼ばれるものだ。金融危機はあちこちの国で起きている。
1994年 メキシコ
1997年 タイ・インドネシア
1998年 ロシア
1999年 ブラジル
2000年 トルコ
2001年 アルゼンチン
2008年 アメリカ
そして、2016年以降は新興国のどこかが破綻するのは確実であると言われている。次の金融危機が必ずやって来る。
グローバル化によって国富を奪われた国が破綻して、それが国民の生活を困窮させていく。文字通り国民が不幸のどん底に叩き落される。それが繰り返される。
いずれは、次の国家破綻が引き起こされるのは、時間の問題なのである。いつ、どこでどの国がどのように破綻していくのかは分からないが、それが日本ではないとは誰も言えない。
そんな時代がやって来ている。
(G7、G20を代表とする国際社会が、世界中の政府に「グローバル化」を執拗に押し付けるのは、多国籍企業が富の収奪のためにそれを望んでいるからである。)
現代の資本主義は、企業が極限まで利益を求めるようになっている。利益至上主義になったのだ。
そして、そこで働く労働者は企業の売上を貪り食う「コスト」として見られるようになっていった。利益至上主義なので、「コスト」は削減されなければならない。
そのため、企業はコスト削減のために労働者を常にリストラするようになっている。
また、労働者を雇わないで済むように、ロボット化、IT化、ネットワーク化と、思いつく限りの雇用削減のイノベーションが考えられ、現場に取り入れられている。
こうしたことから、これからは「労働では富を得られない」という凄まじい資本主義の時代に入っていく。ワーキングプアの存在は、まさに「労働では富を得られない」という状況を示したものである。
労働で富を得られないとすれば、何が富を生み出すのか。それは「資産」である。巨大な資産を持っている者が、その資産を膨らませるのが富を得る方法なのである。
一部の勝者がありったけの富を奪い取っていく
アメリカはすでに膨大な資産を持った1%程度の勝者が、99%の人からすべてを収奪する社会と化している。
そのため、経済的な不均衡が生み出され、深刻な失業問題はどんどん深化してしまい、這い上がれない貧困が巨大な暴動や社会不安を生み出している。
アメリカでは中産階級の収入が毎年激減している。すでに4600万人が貧困になっている。世界最大の経済大国と言われているアメリカでさえも、6人に1人が貧困層だ。
貧困層予備軍を入れると3人に1人が貧困に苦しむ社会となってしまっている。そんな世帯が爆発的に増えている。
アメリカ人の多くが今、「生活していけない」状態に突き落とされており、中間層は多数派ではなくなった。
オバマ大統領の支持率が急減しているのは、外交問題で手も足もでないこともあるが、国内問題を解決することもできないでいるからだ。
一部の勝者がありったけの富を奪い取っていくのが許される社会というのは、「弱肉強食の資本主義」とも言われる。
それは、分かりやすく言えば「あるところから根こそぎ奪う」ための強者総取りの世界だ。この歪みきった資本主義がグローバルに展開されている。
グローバル化した資本主義社会に適合できているのは、国ではない。その理由は明らかだ。「企業は社員をリストラできても、国は国民をリストラできない」からである。
国は弱者の面倒を見なければならない。そのため、どこの国も社会福祉にかける費用が膨れ上がり、莫大な借金を抱えて身動きできない状態になった。
国そのものも、資本主義社会では弱者なのである。
グローバル化を仕掛けているのはアメリカ政府?
資本主義社会での強者は多国籍企業である。彼らは世界中から莫大な儲けを得るために、ありとあらゆる国に自由化を押しつける。その自由化を押し付けることをグローバル化と呼んでいるのである。
ターゲットに定めた国(奪い取りたい国)は、外国人でも投資できるように自由化される。そして、投資に制限がかかっていない状態にする。彼らは、それを「新自由主義」と格好をつけて言っている。
要するに自分たちが企業を買収したり、売り飛ばしたり、投資したり、空売りしたり、「自由に」経済活動できるようにするためのものである。
ここで言う自由とは、彼らの自由である。
自分たちの収奪的な経済活動に対して、その国の政府に介在させないようにする。市場で何が起きても介在させない。
邪魔したら賠償金が取れるようにする。そうやってターゲットを法的に丸裸にしたあと、市場操作をしてその国の富の一切合財を奪い取る。
グローバル化というのは、多国籍企業がその国の権限を弱体化して、自分たちがその国に乗り込んで、根こそぎ儲けを持っていくという状況を指しているに過ぎない。
グローバル化はアメリカ政府が仕掛けているのではない。「アメリカの多国籍企業」が仕掛けている。ここのところを誤解する人が多いが、国と企業はまったく違う。
アメリカ国家は、アメリカの多国籍企業の命じるがままに「動かされている」のであって、主ではなくて従なのだ。
だから、アメリカ政府を見ていても世の中はまったく分からない。それもそうだ。アメリカの議員は、単に多国籍企業の使用人でしかないからだ。
すでに多国籍企業が資本主義を制した現代、社会はさらに多国籍企業が有利に、労働者が不利になっていく。ワーキングプアは常態化するのである。
政府が国民を守れないのがグローバル社会の正体
日本もまた完全にグローバル経済に飲み込まれている。だから、日本人も弱肉強食の資本主義の荒波に巻き込まれて、収奪されていく。
そのため、貧困層の増大と、格差の開きは、さらに深刻化していくことになる。政府もグローバル化を止められないので、問題を解決することは難しい。
グローバル化は政府の規制を取り払う動きなので、いったんグローバル化に飲まれると政府はもう国民を守れない。だから、ワーキングプアの問題は解決に向かうのではなく、拡大化していく。
G7、G20を代表とする国際社会が、世界中の政府に「グローバル化」を執拗に押し付けるのは、多国籍企業が富の収奪のためにそれを望んでいるからである。
自由を押しつけ、政府が介在できないようにして、市場操作して、すべて奪い取る。
こういった暴走は経済がクラッシュするまで続いていくのだが、そのクラッシュこそが「金融危機」と呼ばれるものだ。金融危機はあちこちの国で起きている。
1994年 メキシコ
1997年 タイ・インドネシア
1998年 ロシア
1999年 ブラジル
2000年 トルコ
2001年 アルゼンチン
2008年 アメリカ
そして、2016年以降は新興国のどこかが破綻するのは確実であると言われている。次の金融危機が必ずやって来る。
グローバル化によって国富を奪われた国が破綻して、それが国民の生活を困窮させていく。文字通り国民が不幸のどん底に叩き落される。それが繰り返される。
いずれは、次の国家破綻が引き起こされるのは、時間の問題なのである。いつ、どこでどの国がどのように破綻していくのかは分からないが、それが日本ではないとは誰も言えない。
そんな時代がやって来ている。
(G7、G20を代表とする国際社会が、世界中の政府に「グローバル化」を執拗に押し付けるのは、多国籍企業が富の収奪のためにそれを望んでいるからである。)
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