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EUにおいて極右政党が躍進している背景を読み解く。戦後70年政権を担ってきた中道左派・中道右派の賞味期限が切れた?

白髪頭でズバリと斬る -じじ放談- 2015年12月13日

はじめに

地球の温暖化、寒冷化、湿潤化、乾燥化の要因は太陽活動の変動、地球磁場の変動、マントル活動の変動、炭酸ガス濃度の変化、その他いろいろあるであろうから、「炭酸ガス排出量の抑制」にどれほどの温暖化防止効果があるのか明らかではないし、実証されてもいない。

とはいえ、地球に生息する動植物の命運は地球環境の変動に左右されるから、地球環境をこれ以上悪化させないために人智を尽くすのは現代人の義務といえよう。

ところで、環境が変化すれば、既存の環境に適応して繁茂していた植生は主役の座を追われ、新環境に適応する植生が主役となって登場する。動物世界においては既存の環境に適応し繁栄していた動物は、自己変革して新環境に適応できる資質を獲得しない限り滅亡するか又は衰退する以外にない。地球環境の激変によって恐竜は絶滅したとされるが、体質転換によって新たな能力を獲得した鳥類は見事な適応能力を示した。

以上の自然淘汰(選択)の大原則は動植物だけでなく、社会的存在たる政党・企業・国家をも貫く大自然の摂理であり例外はない。環境の変化に対応できないこれまでの主役(政党・企業・国家)は脇役に回されるか、又は市場から追放される。代わって、新たな環境に対応できる資質を備えた政党・企業・国家が主役になって登場する。

第1:近い将来、欧州の極右政党は政権奪還に成功するか

(以下1-4は、12月8日付け読売新聞より要約抜粋)

1.フランス地域圏議会選において、マリーヌ・ルペン党首率いる極右政党・国民戦線は6つの地域圏でトップの得票率となり、仏全体でも28%を獲得、サルコジ前大統領率いる共和党などで構成される右派連合の27%、オランド大統領の与党中道左派の社会党23%を上回った。ルペン党首は選挙戦で「難民受け入れを全面的に停止すべきだ」と主張、支持者を前に「既成政党議員の一掃」を呼びかけた。

2.ドイツではメルケル首相が9月、難民受け入れに積極方針を掲げたことを国民が不安視。反移民を掲げる右派「ドイツのための選択肢」(AfD)は11月の世論調査で支持率3位に躍進。世論の右傾化はメルケル政権内部の動揺を招いている。与党記キリスト教民主同盟の姉妹政党キリスト教社会同盟党首で南部バイエルン州のゼーホーファー州首相は政府の難民政策の批判の先頭に立つ。

3.10月のポーランド総選挙でも難民受け入れに反対する右派「法と正義」が圧勝、8年ぶりの政権交代が実現した。フィンランドでは4月の議会選で、右派「フィン人党」が初の第2党に躍進、スイスでは10月の総選挙で、右派「国民党」が議席を増やし第1党を維持。

4、ギリシャでは「反緊縮」を掲げた急進左派連合が第1党に躍進、同じく国家破産寸前にあるとスペインの首都マドリード市議会では左派連合が「反緊縮」を掲げて第2党に躍進した。

人権の総本山を自認してきたフランスのオランド大統領(社会党)は「ISが主導した同時多発型の無差別テロ」を戦争行為と認定し非常事態を宣言、令状なしで数千箇所を家宅捜索、銃器等多数を押収した。パリ中心街では自動小銃で武装した軍や警察が巡回し警戒に当たっている。フランスは今、戦時体制下にある。

米英仏を含む有志国連合軍とロシアはIS支配地域に空爆を繰り返している。もとより、空爆の目的は「IS戦闘員を殺傷すること」であろうが、IS支配地域に居住する民衆の死傷者も千人単位、万人単位であろう。ISがフランスにおいて一般市民を標的とする無差別テロを仕掛け、先進国や中国におけるテロを呼びかけているのも、彼らが無差別テロを「非対称型戦争の一環」と考えているからだ。戦場は、アフガン、パキスタン、イエメン、イラク、シリアだけでなく、先進国やロシア・中国など世界的規模に拡大しつつあり、第3次世界大戦の様相を呈している。

(1)資本主義(EU)が内包する「反国家」の性向

欧州連合(EU)は国境という名の垣根(保護膜)を取り払って、ヒト・モノ・カネの移動を自由化した。市場拡大によってEU加盟国は経済的にも豊かになり、域内企業はこぞって発展する予定であった。アシュケナージ系ユダヤ人(フランス国籍)エマニュエル・トッドは主著「帝国以後」で、欧州連合の未来に胸を膨らませ、バラ色の絵を描いて見せた。以来、十余年が経過。現在、フランスを代表する左翼エマニュエル・トッドは「EUは解体すべき」と従来の見解を180度転換。左翼学者の心境を変化させたのは何か?おそらく「希望と現実の乖離」、換言すると、EUの現実は「ドイツ第4帝国」を誕生させ、祖国フランスが「崩壊寸前に追い込まれた」ということであった。エマニュエル・トッドの願いは「仏独が手に手を取って前に進み、相思相愛で幸せな日々を送る」ということであった。

原始的蓄積段階にあった強欲で凶暴な資本主義は労働者階級との闘争を通じて徐々に毒性を中和させてきたし、自らの意思で、社会的存在たらんと努めてきたこともあった。資本主義は所有と経営の分離を初めさまざまな改良を加え、「修正資本主義」といってよいほどに変質した。修正資本主義は強欲さを中和し、社会に受容されるよう自己変革してきたが、資本主義が内包している「反国家的性向」を矯正するには至っていない。EUの如く、国境の垣根(保護膜)が取り除かれ、あるいはグローバル資本主義による国境の垣根(保護膜)が低くなって初めて、「反国家」という資本主義の性向が社会的軋轢を発生させる元凶であることが知られるようになった。極右政党の多くが「反移民」とともに「反EU」の旗を掲げているのも、西欧において、「反国家」という資本主義が生み出す諸矛盾が耐え難いほどに大きくなっているからだろう。

(2)EU型の「勝利の方程式」が崩壊した。

食物連鎖の頂点に立つ肉食獣にとって、出入りを制限される柵(国境)ほど目障りなものはない。柵(国境)がなければ自由に獲物をとらえ空腹を満たすことができるのに、と考えてきた。長年の努力が結実してようやく欧州連合(EU)を結成することができた。EU加盟国圏内では「ヒト・モノ・カネ」の移動が自由になった。

食物連鎖の頂点に立つ肉食獣にとって、余計な柵(規制)は行動の自由を縛る鎖だ。柵がないサバンナでは、空腹を満たすためにいつでも、狩りに出かけ、獲物を捕らえて食うことができる。強国は強大国に、国際競争力のある大企業は益々利益を積み上げる。もともと、力量の差が歴然としているのに「ハンデイキャップなし」で勝負すれば結果は見えている。ドイツはEUの覇者に、ドイツ経済は欧州経済の牽引役になった。ドイツ第3帝国滅亡後70年にして、ドイツは欧州の覇権を手に入れた。EUとユーロを足場にしてのし上がってきた。

ドイツの銀行はEU圏内の中進国や発展途上国の金融機関にカネを貸付け(利息をとって)、ドイツで製造した自動車や電化製品等の消費財を販売し(ローンで)二重三重に儲けることができた。競争力がない中進国や発展途上国の中小・零細企業を倒産に追い込み市場占有率を高めた。そして当該国における若年層の失業率を10-20%に高止まりさせ、失業者をドイツに呼び込み低賃金労働者として雇用する。低賃金労働者(ヒト)と、消費財(モノ)と、金融(カネ)の移動を自由化することで、ドイツの「一人勝ち」が確定し、EU圏をドイツの植民地又はドイツ経済圏に取り込むことができた。

(3)イスラム圏からの大量移民

少子高齢化社会の到来により出生率が低下、労働人口が増えないとき、企業はおおむね以下の対策を講じる。

(a)給与・勤務時間等の雇用条件を改善し、社内福祉等の雇用環境
を整備して他社との差別化を図る。他社に優先して労働者を確保する。
(b)事業内容を見直し、将来性が期待できない不採算部門を切り捨て、発生する余剰人員を必要な部署に配置転換する。
(c)第三者機関や専門業者に委嘱して、業務内容を点検し、重複又は非効率な部局課係の整理統合や円滑でない作業工程を改善することで余剰人員を創出する。
(d)自動化や人工頭脳を開発し又は導入することで、簡便で省人化した工程に改善し余剰人員を創出する。

以上は我が国企業が悪戦苦闘して取り組んできた合理化策であるが、

(e)西欧は隣接するEU圏の発展途上国、アフリカ及び中東の低賃金労働者を移民として受け入れ雇用した。これが、西欧型資本主義の「生産費低減方式」として定着した。移民の増加を促す原動力となった。

我が経団連や一部の閣僚・与党議員も「外国人労働者1000万人を受け入れるべし」等と唱えている。日本国の人口減を外国人で埋めるならば人口問題は一挙に解決するというのである。中国や韓国では大卒の就職率が悪化、失業率も急上昇中で、先般、韓国・朴槿恵大統領は「外国での出稼ぎ就労」を推奨した。親中・親韓の国会議員・メデイア・企業が鐘を鳴らし、太鼓を叩いて騒いでいる。仮に、百歩譲って外国人労働者相当数を受け入れるにしても、真面目で勤勉な台湾人、フィリピン人、ベトナム人を対象とすべきであって、国内騒擾の火種を増やす在日中国人や在日韓国人をこれ以上増やすべきではない。

我が国は西欧列強が行ってきた「外国人低賃金労働者の大量受け入れ」という安易な手段に頼るのではなく、前述の(a)ー(d)を探求して世界最先端の人工頭脳社会(製造・輸送・販売・介護・環境改善等)を創出すべきである。我が国は研究開発先進国として世界中の多様なニーズに応じることができるはずだ。付言すると、福島原発事故対策には膨大な国費を投入し多くの研究者・技術者・労働者が参加しているが、遠くない将来、「フクシマ・ゲンパツ」は原発廃棄技術研究のメッカとなるほか、核燃料で汚染された土壌、海水等の無害化技術を開発すると期待できる。あるいは「フクシマ」からノーベル賞の受賞者が現れても不思議ではない。「必要は発明の母」なのだから。

(4)シリア難民(又は移民)の大量流入問題

西欧は従来、EU圏内のキリスト教徒やアフリカや中東のイスラム教徒の移民を労働力不足対策と位置づけ活用してきた。イスラム教徒の移民も子や孫の世代に移行しつつあり、西欧生まれのイスラム教徒も増えており、中にはISに共鳴する者もいるという。加えて、シリア難民や中東やアフリカからの移民が押し寄せているから、50年後の西欧はイスラム教徒が多数派になると想定する者もいる。いずれ、イスラム教徒のフランス大統領やドイツ首相が生まれても不思議ではない。

独メルケル首相が難民受け入れを表明したこともあって、2015年中にドイツに流入したシリア難民(又は移民)は130万人に達するともいわれている。流入する難民(移民)の医療や食料支援等当座の費用だけでも年間1兆円に達するといわれ、その他、生活保護、言語教育、住居、職業斡旋、心理的ケアー等莫大な出費となる。国民の福祉対策費用が削られるかもしれぬ。しかも難民や移民の大量流入は2016年以降も続くと想定しておかねばならない。かくして、「難民・移民受け入れ派」のメルケル首相の支持率が急落したから、さすがのメルケル首相もトルコに赴き、財政支援をする見返りに「シリア難民をトルコ領内に留めてもらうよう」折衝した。

今回の難民(移民)の特徴は、受け入れ条件の良いドイツや英国を選別している点にある。しかも、フランスの無差別テロを行った犯人の中に、シリア難民を装って潜入したISの戦闘員がいたというから、難民・移民受け入れ対策は一筋縄ではいかない。戦争難民とIS戦闘員を選り分けるのは至難の業。独メルケル首相や仏オランド大統領も無差別テロの再発に不安を感じている国民を説得することができない。戦時下おいて「人権主義」を唱えても説得力がない。

(5)頼ることができる政党は「反移民」を掲げる極右政党だけ?

1929年の世界大恐慌以降、企業倒産、労働者の解雇、失業者の急増等経済的・社会的混乱に乗じて躍進した共産主義勢力が跳梁跋扈した。治安は乱れに乱れていた。そして、ドイツやイタリアでは共産党が武装蜂起して共産党一党独裁政権を樹立するのではないかとの不安が高まっていた。ドイツやイタリアで共産党政権が誕生すれば、燎原の火の如く西欧全体に拡大する危険があると。

英国の金融資本等の経済団体は「反共の防波堤」をイタリア・ファシズムとドイツ・ナチス党に期待し活動資金を提供したといわれている。「反共の防波堤」を担えるだけの政党が他に存在しなかったという訳だ。そして、イタリア・ファシズムを主導したムッソリーニとドイツ・ナチス党を率いたヒットラーは後見人の期待に応えて、共産主義勢力を一掃し、西欧における共産革命の芽を摘んでくれた。第二次世界大戦に敗北するまで、ムッソリー二は約20年、ヒットラーは約10年、国家社会主義的独裁政権を保持した。アフガンに侵攻したソ連軍が撃退すべく、欧米列強がイスラム過激派タリバンやアルカイダを結成したオサマ・ビン・ラディン一派を全面支援したのも右に同じ。「毒を持って毒を制する」という英米の伝統的
手口といってよい。

戦後、西欧は「反ファシズム症候群」というべきトラウマに取り憑かれてきた。英明であるはずのイタリアとドイツの国民はなぜ?悪逆非道とされるムッソリーニに約20年間も、同じくヒットラーに約10年間も政権を委ねたのか?が問われなければならない。当時のイタリア国民とドイツ国民は「自由からの逃走」という安楽な道を選んだのか?

筆者は、当時のイタリア国民はムッソリーニが秩序を回復させ、経済発展を実現し、平穏な生活を与えてくれたことを歓迎していたのではないのか?当時のドイツ国民はヒットラーが世界大恐慌から3年でドイツ経済を復活させ、最低賃金制を導入して社会福祉を充実させ、科学技術の発展に取り組み、世界に先駆けて大衆娯楽を提供したことに不満を感じていたとは思えない。ムッソリーニとヒットラーは当時の国民の絶大な支持を得ていたと推定されるし、「国民の支持」が権力の源泉であることを理解し、政権から民心が離反しないよう腐心していたはずだ。

おそらく、戦後のドイツ国民は、第二次世界大戦の戦勝国が主宰した「ニュールンベルグ裁判史観」を信じ込むよう教育され洗脳された。ドイツでは現在でも「ヒットラーの我が闘争」が発禁処分に付されているという。徹底した言論統制によって、ドイツ国民を教育し洗脳したとみなすことができよう。

いつの時代でも、歴史は戦争の勝者が創造する。ただし若干の例外もある。中共と韓国は第二次世界大戦には参戦していないから、もとより戦争の勝者ではないが、「我々は反ファシズム戦争の勝利者であり、かつ日本帝国主義の最大の被害者だ」との虚構の歴史をでっち上げた。

中共はチベット、ウイグル、内モンゴルを侵略して占領する際、それぞれ約100万人ほど虐殺したほか、大躍進政策に失敗して5000万人を餓死させ、文化大革命では約3000万人を虐殺又は餓死させた。さらに6.4天安門事件では数千人ともいわれる学生・市民を銃殺し、又は戦車で轢き殺した。以上の大罪を隠蔽する道具として、「南京事件」や日本軍国主義による数々の蛮行を捏造した。

韓国初代大統領李承晩は米国CIAの要員であった。戦後、朝鮮半島南部を実効支配した連合国(マッカーサー)は李承晩を大韓民国初代大統領に、上海で徘徊していた反日不満分子を閣僚にすえて傀儡政権を擁立し。韓国の教科書(現代史)では、大韓民国臨時政府軍が日本軍国主義と戦い、勝利して、植民地からの独立を果たした」という嘘八百の歴史改ざんを行った。北朝鮮も負けていない。金日成ら建国の元勲は「中朝国境の山岳地帯で抗日戦を戦ったゲリラ」とされているが、金日成の実弟金英桂(後の国家副主席)は関東軍特務機関の連絡要員だったという説や、建国最大の功労者金策は日本帝国陸軍の残置諜者(右翼黒竜会の畑中理)という説もあり、歴史を改竄し、美化している可能性が高い。要するに、中共も、北も南も歴史を改竄して「戦勝国側であった」と弁明する事情があったという話なのだ。

当初、中共や韓国は「捏造した歴史」を「ゆすりとたかり」の手段にするつもりはなかったようであるが、一度試してみたら絶大な効果があったから病みつきになった。捏造した歴史問題で日本政府を恫喝し、何度もおいしい御馳走を食うことができた。この成功体験が癖になった(歴史依存症)。中韓両国は現在、歴史戦の舞台を世界に拡大してまでも「おいしい御馳走にありつきたい」と祈っている。結果は周知のとおり、日中貿易と日韓貿易は右肩下がり。もとより、一衣帯水の隣国という理由のみで、嫌いな国と親しくしなければならない義理はない。「敬して遠ざかる」というのが有効な対策だろう。

なぜ、西欧では「反移民」を唱える極右政党が躍進しているのか?といえば答えは単純かつ明快。要するに、戦後一貫して執権政党であった中道右派と中道左派に位置する既成政党が「テロ問題」と「押し寄せる移民・難民問題」に有効な対策を打ち出すことができないから、国民としては「反移民」を掲げる極右政党に期待せざるを得ないのだ。(アメリカのトランプ旋風も右に同じ)

イタリアのファシズムとドイツのナチス党が独裁政権を立ち上げることができたのは、先述したように、英国などの財界が「反共の防波堤役」を担ってくれると期待し、政治活動資金を援助したこともあるが、それ以上に当時のイタリア国民とドイツ国民が窮乏のどん底にあったこと、共産主義者の暴力が頻発し治安が悪化していたから、国民は「大不況からの脱出(雇用の創出)」と「秩序の回復」を求めていた。ファシズムもナチス党も、当時の両国国民の熱い期待があったからこそ政権を奪取することができたのだ。国民多数(有権者)の熱い期待がなければ国家社会主義的独裁政権は誕生しなかったはずだ。

ムッソリーニは理知的であるが、ヒットラーは「変わった風体(ちょび髭)」と「子供っぽい挙動」が世間の耳目を集めるであろうこと、さらに異様な挙動が発する「一度見たら、一度聞いたら忘れられない効果」を計算して演技していたに相違ない。ヒットラーは狂人を演じ、独裁者を演じた。貧相で、学識もなく、軍歴も誇るべきものが何もない中年男が知恵者がそろったドイツ第3帝国の最高権力者に駆け上がり、これを保持するためにはそれなりの細工と努力が求められたと考えるべきだろう。

今のところ、現代西欧の極右政党には理知的なムッソリーニ型はいるかもしれないが、ヒトの情感を揺さぶるヒットラー型いない。今後、EU経済がさらに悪化し、EU解体の動きが本格化すれば、欧州通貨ユーロを維持することが困難となろう。西欧社会が1930年代と同様の混乱に陥ったとき、一風変わった風体の極右政党の指導者が現れるのではなかろうか。国民は出自の卑しい、狂人を装った、そして演説の達者な政治家に期待をかけるのではなかろうか。現在は本格的ない指導者が現れる前夜ではなかろうか。

まとめ

西欧社会は「イスラム圏からの難民・移民の大量流入」と「EU圏におけるヒト・モノ・カネの移動の自由」という構造的問題を抱え立ち往生しているように見える。IS戦闘員と同シンパが行ったパリ中心部における同時・多発の無差別テロはISと有志国連合との戦線が中東やアフリカだけではなく西欧にも拡大したことを意味する。世界中を戦争に巻き込む第3次世界大戦の兆しかもしれぬ。世界各国は「姿の見えない敵」との戦争に否応なく対応せざるを得ない。平時から戦時に転換を余儀なくされている。

フランスの苦悩は深い。いかなる犠牲を払っても、建国以来の国是「自由・平等・博愛」の精神を堅持するか?それともIS戦闘員と同共鳴者の無差別テロからフランス国民の命を守ることを優先すべきか?オランド大統領が「フランスは戦争状態にある」として非常事態宣言を発出し、その期間を延長したことを勘案すると、「人命優先」を決意したのであろう。「戦時下にあっては人権の限定的制限も止むを得ない」と。

我が国は、遅まきながらテロ関連情報の収集・分析の一本化に向けて組織を立ち上げたばかりだ。対テロ戦争を云々する以前の無防備な状態にあるから、IS戦闘員又は同シンパにとっては格好の標的となる。彼らは、パリ中心部の同時・多発テロがフランス国内はもとより、全世界を震撼させるほど大きな政治的効果があったと感じている。

「備えあれば憂いなし」という諺がある。これは「備えなければ天罰が下っても文句はいえない」という意味だろう。戸締まりをしても安全・安心とはいえないが、空き巣に侵入される機会が減る程度の効果は期待できる。 白髪爺 at 06:00

この記事へのコメント
1. Posted by 大和は国のまほろば・・ 2015年12月14日 20:18
読んでため息が出ました・・たぶんそれは答えが無いから

これからEUはどうなるんだろう?
リベラルより保守が強くなっても、一般の市民の気持ちはどうなんでしょうか?
難民の生活を何とか支えるにはドイツでも一兆円の予算が必要だし、ドイツ国民の保証権利を削ってシリア難民を保護すれば、だんだん国民の支持を失い政党はじり貧に・・
しかし締め付けると難民に差別意識や、反発が起こりそれこそISISの戦闘予備軍を作るようなものだし・・

右に舵をとっても左にとっても・・難しすぎます

2. Posted by 白髪爺 2015年12月15日 10:31

「あちら立てれば、こちらが立たず」という二律背反の罠にはまってしまうと、治療困難な合併症と同じで、症状の悪化を少しでも抑える対症療法しかできないとされています。「さじ加減」をアンバイして、症状の悪化を少しでも緩和することで延命を図るということではないでしょうか。そして徐々に体力を使い果たし、お迎えを待つということなのでしょう。
弁証法でいう「矛盾」は、解消することはできませんから、対立物の激烈で、かつ痛みを伴う闘争によってアウフヘーベン(止揚)する以外に出口はないと思います。これが西欧キリスト教文明の没落を決定づける要因になるかもしれません
一方、我が安倍総理はヒンズー教の聖地で、モデイ首相と祭礼に参加しました。2000年ぶりに、独善かつ排他的な「一神教」の時代から、神々の共存を容認する多神教(八百万の神・ヒンズー教)」の時代へと回帰する文明の逆流が始まったのかもしれませんね。
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