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反日歴史戦の女闘士、あの朴槿恵韓国大統領が対日協調路線に転じた背景を読み解く

髪頭でズバリと斬る -じじ放談- 2015年12月27日

はじめに

人間に我欲があるように、国家にも国欲(国益志向)がある。普段は礼儀正しく振る舞っている紳士淑女であっても、法外な遺産が転がり込む場面に遭遇すると欲望が剥き出しになる。隣国で内戦・騒乱・騒擾等の緊急事態が発生すれば「何か、おいしい話はないか」と考え、気分も高揚する。

この意味で、世界を巻き込んでいるイラクとシリアの内戦、中国経済の崩壊懸念、韓国における政情不安と経済失速は世界や周辺国にとって無関心ではおれない。「何か、おいしい話はないか」と身構える。

第1:産経新聞加藤達也前ソウル支局長に対する名誉毀損冤罪事件

標記の冤罪事件には以下の背景がある。

1.日本人・加藤達也が標的とされた

未曾有の旅客船転覆死亡事故直後、人命救助等を指揮すべき朴槿恵大統領の所在が7時間にわたって不分明であった。国家の一大事であるといってよい。早速、マスメデイアが「朴槿恵大統領は個人的にも昵懇の側近某と楽しい時間を過ごしていたのではあるまいか?」との憶測を流し、風聞が伝播した。産経新聞加藤達也ソウル支局長(当時)は朝鮮日報がコラム欄で報じた情報を東京本社に送付。そして産経新聞が報じた記事を韓国人某が誤訳して騒ぎ立てた。「反韓体質の日本メデイア産経新聞」として攻撃する材料に利用した。

周知の通り、朴槿恵は大統領就任直後の3年前から、中共・習近平総書記に媚を売って擦り寄り、中韓反日歴史闘争の共謀者となって、いわゆる「告げ口外交」に狂奔した。朝から晩まで、春夏秋冬休みなく「反日宣伝活動」に精励した。韓国大統領府(青瓦台)には「反日にあらざればヒト(側近)にあらず」という空気が3年間充満していた。

大統領側近が朝鮮日報のコラムを問題視せず、同コラムを紹介した産経新聞の記事を取り上げ問題としたのはなぜか?なぜ、大統領府(青瓦台)は検察に督促し起訴させたのか?が問われなければならない。大統領府(青瓦台)の側近共には「朴槿恵大統領に対する誹謗中傷は許さない」との意思と、これを「反日宣伝の材料に使おう」という思惑があったことは明白である。加藤達也は「日本人ジャーナリスト」であったから標的とされ起訴された。加藤達也が韓国人、中国人及び欧米人のジャーナリストであれば標的とされることも、起訴されることもなかった。

長期間の出国禁止決定で足止めを食らった加藤達也が出国を許され帰国した直後、総理官邸を訪ねたこと、安倍総理に面談し激励されたこと、そしてソウル中央地裁で無罪判決を言い渡された直後、再び総理官邸を訪ね安倍総理に結果を報告したことを勘案すると、我が国が本件を重大な外交事案とみなしていたことは明白である。我が安倍内閣が「言論の自由」を抑圧する韓国政府に政治的圧力をかけ続けたことは、本件が単なる名誉毀損事件ではなく、「朴槿恵政権による反日謀略・宣伝戦」と位置づけていた証左だ。

2.韓国では「法の支配」よりも、専制君主(朴槿恵)の意思が優越する

秦の始皇帝は「法律による人民統治(法治主義)」を断行したが、中国歴代王朝では「儒教による人民統治(徳治主義)」が採用されたこともあるし、我が徳川幕藩体制下にあっては法治主義と徳治主義が併用された。いずれも、「専制君主による、専制君主のための、専制君主の政治」であり、西洋近代がいう「人民による、人民のための、人民の政治」(法治国家)とは異質のものだ。もっとも、公正な選挙によって政権の座についたヒットラーは「全権委任法」を成立させて専制君主になることができたから「法の支配」といっても、為政者の心がけ(胸先三寸)と国民の意思によって、「法の支配」も容易に「法による支配」に転化することがあるということだ。

なお、共産党一党独裁政権にあっては、専制君主たる党中央総書記(又は第1書記)及び地方の共産党最高幹部は司法・行政・立法の上に君臨する独裁者(超法規的)であり、法律があっても適用しないことがあるし、法律がなくても必要に応じて人民を逮捕し拘束することができる。現代中国の政治は2300年前の秦の始皇帝時代よりも退化しているとみなしてよい。

朴槿恵大統領個人の「その日の気分」によって、ある者は起訴され、他の者は起訴されないとすれば、韓国は君主制国家に転化しつつあるとみなすほかはない。また、テロを含む「反日行為」は賞賛され、大統領個人に対する非難・中傷は厳しく罰せられるとすれば、韓国は罪刑法定主義を投げ捨てた国家となる。朴槿恵の韓国は李氏朝鮮及びナチス党や共産党による一党独裁国家と同類の専制国家といわざるを得ない。我が国が「朴氏韓国」を「自由と民主主義の価値観を共有する国家」から除外したのも合理的理由があった。

3.国家権力による「言論・表現・報道の自由」に対する弾圧

米オバマ政権だけでなく、欧米や我が国のジャーナリスト(左翼を含む)が、加藤達也に対する名誉毀損事件を批判している理由は「国家権力による言論弾圧」とみなしているからだ。独裁者にとっては「言論・表現・報道の自由」ほど不都合なものはないから、独裁者はこれを許さない。言論弾圧では中共や北朝鮮が10馬身リードの独走状態にあるが、中韓歴史同盟に取り込まれた朴氏韓国も「朱に交わって赤くなった」といえるであろう。

もっとも、我が国の左翼メデイアのように「言論・表現・報道の自由」を濫用して事実を改ざんし、国民を扇動し、反政府気分を盛り上げ、我が国を骨抜きにして中共の生け贄に供することを使命と考える」国賊もいる。彼らは確信犯であり「事実に基づく公正な報道」なんぞ眼中にない。つまり、「言論・表現・報道の自由を守るために、有害情報を垂れ流す扇動メデイアを規制せざるを得ない」というジレンマがある。人権の総本山を自認するフランスが、国民をテロの脅威から守るために非常事態を発布、国家による個人情報の収集と令状なき家宅捜索を強行した。国家の干渉を排する人権主義ではテロの脅威から国民の生命を守ることはできない時代になった。

4.半島の赤化統一戦略と「反日扇動戦・反日宣伝戦」について

食物連鎖を創造した大自然は、国家・民族・氏族など社会的有機体にも、それぞれが生き残る力と知恵を与えた。腕力(軍事力)に自信があるあるものは腕力(軍事力)で、知恵(科学・技術)があるものは知恵で勝負する。腕力に自信が持てない国は知略(謀略と情報戦)で勝負する。

中共や北朝鮮にとっては「日韓関係が改善し、日米韓3国軍事同盟が締結されること」は見たくない悪夢だ。だから、彼らは国家の存亡を賭けて、あらゆる手段と方法を駆使して「日韓関係が悪化する工作を施す」と考えなければならない。同様、我が国にとっては、中共が北朝鮮・韓国・ロシアを服属させ一枚岩になることは悪夢となる。自主防衛力を整備するほか、中朝離反、中韓離反、中露離反の政治工作と中共の膨張主義に脅威を感じているインド・ロシア・ASEANとの連携を深めることが喫緊の課題となる。

金大中・ノムヒョンの左翼政権10年で、韓国の司法・教育部門はおおむね北朝鮮の掌に堕ちたとみなしてよい。李明博の5年と朴槿恵の3年で、韓国経済の中国依存が深化、中韓の軍事的交流も頻繁に行われている。韓国政府とマスメデイアを「反日無罪」の嵐が吹き荒れている現状は、中共と北朝鮮による「日韓離反工作」の成果である。

「釣り上げた魚に餌は与えない」というのが中華冊封体制の体質である。中共は韓国を釣り上げるまでは餌(ウインウイン)を与えて油断させながら、韓国から資本と技術と資本を奪ってきた。当初の目的は超過達成できたから配慮する必要がなくなった。中韓関係はウインウインからゼロサムに変化した。

丸顔の肥ったヤクザに犯され、シャブ漬けにされ、骨の髄までしゃぶられた挙句捨てられた女の運命や如何に。親の制止も聞き入れず家出した女が、親戚一同に不義理をしてきた女が家に戻ってきても居場所はない。親兄弟も相手にしない。土下座して涙を流し、許しを乞うても誰からも同情されない。誰もが「自己責任だろう。自分のケツは自分で拭け」というはずだ。

第2:法輪功が習近平に「共産党解体」をそそのかすのは何故か

法輪功は道教と仏教に基づく健康法団体と称し武装蜂起を否定しているが、後漢末期の混乱した時代にも法輪功と同じく道教に基づく健康法を唱える「太平道」という団体があった。太平道は個人の健康増進だけではなく、社会病理を治すべく武装し蜂起した(蒼天(後漢)すでに死す、黄天(太平道)まさに立つべし)。太平道は敵味方が入り乱れて同士討ちとなるのを防ぐため黄色の頭巾をつけた(黄巾軍)。

法輪功は急速に勢力を拡大し、中国共産党を上回る約1億人に達した段階で、江沢民・曽慶紅一派に弾圧され、十数万人の修練者が投獄された。うち数千人が(売買目的で)生きたまま臓器を摘出された。以来、法輪功は中共中央とりわけ江沢民・曽慶紅一派を「不倶戴天の敵」とみなしている。

そういえば、法輪功の色は太平道(黄巾軍)と同じく黄色だ。「紅天(共産党)すでに死す、黄天(法輪功)まさに立つべし、歳は甲子に在りて、天下大吉」となるか。

(以下「 」は、法輪功が2015年9月28日付けニューヨーク・タイムズ紙面で掲載した公開(質問)状・・9月30日付け大紀元日本より抜粋)

「親愛なる習近平主席。あなたは、共産党の専制政治を終わらせ、独立した司法制度と民主主義を実現し、言論・出版・表現の自由を保障した中国の国家主席として名声を上げることができる。(そうすれば)あなたは、国際社会から歓迎され、信頼と尊敬に基づく真の友好関係を築くことができる。そうすれば、中国の人々は代々にわたり(主席として)あなたを称え、名声を忘れないだろう」

以上、法輪功が、米国のマスメデイア(NT紙)を活用して、習近平国家主席(党中央総書記)に「上からの民主化」を呼びかけたことは前代未聞の出来事である。西暦184年(中平元年)、太平道が蜂起し、青洲黄巾軍が敵対する曹操軍に和睦を呼びかけ、大軍団に膨張した光景を想起させるものだ。

(1)15年前、法輪功が仕掛けた「中国共産党と傘下2団体からの離脱支援活動」によって、離脱意思を表明した中国共産党員らがすでに1億人を超えた。中国共産党は内部から崩壊している状態にあり「一押しするだけで倒壊する」と、法輪功は考えているのか?

(2)数年前、学者・弁護士ら民主派知識人集団が、中国国内において共産党一党独裁を否定し民主主義国家の樹立をめざす「憲法草案」なるものを発表し、弾圧されたことがあった。今回は、情報戦の主戦場を中国国内から世界(米国)に広げた。胡錦濤総書記(当時)の最側近であった令計画(粛清)の実弟が「党中央の最高機密文書2000点余を携帯して米国に亡命した」といわれているから、あるいは、裏でCIAが糸を引いているのかもしれぬ。

(3)法輪功は習近平国家主席に向かって「中国のゴルバチョフたれ。民主化を断行し、共産党一党独裁に終止符を打て。そうすれば貴殿はノーベル平和賞を受賞できるだけでなく、中国5000年の歴史に燦然と輝く名君となるであろう」と勧告したのだ。だが、習近平が共産党一党独裁の守護者であり続けるならば、中国の民主革命が成就した後、習近平一派の一族郎党は悪名を背負ったまま、尽く処刑されるであろうと警告しているように見える。

(なお、大紀元日本電子版で中原こと孫樹林が以下「 」の見解を発表している。)

「江沢民を刑事裁判に。アジアで100万人以上が刑事告発」(12月16日付け)

「習近平の時間稼ぎ(11月27日付け)」

「党中央政策研究室主任で中南海シンクタンクの王○寧氏は2012年の両会前、「思想潮流」で「文革の反省と政治改革」を発表し、政治改革の推進、憲政の実施、民主主義の道を歩むよう提案した。同主任はまた、台湾を独裁体制から民主主義国家に導いた蒋経国総統のような人物が現われればと期待を寄せている。より興味深いのは、次の文言だ。<蒋経国は、独裁者は裁かれ、国家を民主主義に導くものが偉人になることを知っていた。にもかかわらず、彼は世論の解放や独裁の放棄を求める人々を弾圧していた。しかし、結局、彼は自ら自由民主を求めた人々の宿望を叶えさせたのだ>。暗喩の趣旨は言うに及ばない。民意調査や世論作りも一段落ついたが、いよいよ実質的な展開になるか」

以上、孫樹林は「中華民国(台湾)蒋経国総統が徹底した言論弾圧を行ったのは台湾を民主国家にするための布石又は事前準備であった」と我田引水の解釈を下す。しかし、蒋経国が民主化要求を「力」で弾圧した行為を「民主化の布石」と理解するには無理がある。蒋経国総統は強権政治を続けることが困難になったから、自己の意思に反して、やむを得ず、軍事独裁政権を投げ出したと解するのが常識的な見方であろう。つまり、孫樹林は「独裁者蒋経国総統を台湾民主化の主役」に祭り上げることで、蒋経国の行った苛烈な言論弾圧を合理化し、習近平の強圧的な政治を正当化しているのだ。「言論を封殺し弾圧したのは、民主国家を実現させるための方策(深慮遠謀)であった」と。

孫樹林とは一体何者なのか?中共が法輪功に送り込んだスパイ(工作員)なのか?それとも、習近平の寝返りを期待して、歯が浮くようなお世辞を言って挑発しているのか?古来、漢族は謀略を好み、権謀術数によって局面を切り開こうと欲する性癖がある。敵と味方の二重スパイが入り乱れて謀略を競い合うことが大好きなのだ。黄色と赤色の頭巾をつけない限り「敵と味方」を判別するのが困難とする民族なのだ。そういえば、台湾やタイの選挙運動やデモでも赤色と黄色をシンボルカラーにして戦っているから、「色分け」は漢族の伝統文化といってよいだろう。

「軍改革 天下分け目の一戦」(12月16日付け)

「七大軍区を撤廃し、東西南北中の五戦区を新たに構築することや、米国式合同参謀本部制度を導入する等、旧ソ連から継承した古い軍政を打ち壊し、毛沢東から一貫してきた軍の理念を廃棄したものだ。習氏の腐敗撲滅は無期限に継続するとは思われず、それはただ最終の目標達成の手口にすぎない。軍改革もそれの一通過点だが、天下分け目の一戦なのだ。・・将来、軍隊の国家化のための地固めにもなるのだ。67年間で築かれてきた牢固たる牙城がいったん崩れれば共産党体制の礎が揺らぎ、その連鎖反応として政局が覆るような激変がいつ起きても不思議ではない。ただし、枢要が治まれば奏されるのは哀歌ではなく、凱歌になるはずだ」

以上の軍改革案が習近平の意向であるか否かは明らかではない。しかし、火のないところに煙は立たないというから、党中央で軍改革案が検討されていることは間違いないだろう。そして、「代弁者(学者)や代弁情報機関」に情報を流し、党・軍・世間の反応を参考にして軍改革草案を練り上げるという段階だろう。

習近平が副主席であった5年ほど前、「梁光烈国防相(当時)の見解」とされる軍改革案(7大軍区を4大戦略区へ改編、人民解放軍を党の軍隊から国家の軍隊へ、軍の縦割りを廃止し、陸軍・海軍・空軍・第二砲兵の一体的運用を)が流布したことがあった。その中で梁光烈は軍事委員会郭伯雄・徐才厚両副主席を名指しで批判、「無能」とこき下ろしていた。習近平は当時、梁光烈と連携して首都北京に大軍を集結させ事実上の戒厳令を敷いたことが数回あった。

そして周知の通り、党中央規律検査委員会が郭伯雄と徐才厚(江沢民一派)の腐敗を摘発し粛清した。5年前の梁光烈国防相の見解が少しづつ具体化されている雰囲気もある。武器も貧弱で、守りを重視せざるを得なかった毛沢東の軍(陸軍中心)から、外洋に打って出るほどに力をつけた習近平の軍(海軍・空軍・ミサイル部隊・サイバー部隊)への転換が始まっている。しかし、習近平が軍の抵抗を押し切って、軍の刷新と国軍化を断行できるか否かは何ともいえないが、米国との覇権争奪戦(制空・制海・制宇宙・制サイバー)に備えるという意味では合理的な選択といえるだろう。

第3:中韓による反日歴史同盟は賞味期限切れ

韓国外務省は先般、産経新聞加藤達也ソウル前支局長の朴槿恵に対する名誉毀損事件(ソウル中央地裁)に圧力をかけて無罪判決に追い込んだほか、日韓請求権の違憲判断を問う訴訟事件で韓国憲法裁判所に圧力をかけて「審判対象ではないとして却下する決定」を引き出した。韓国においては裁判所を含む司法は行政の下請け機関に過ぎないことが明らかになった。

朴槿恵政権発足から3年、国是として取り組んできた「反日政策」が破綻したのはなぜか?朴槿恵が推進してきた「韓米中による反日包囲網の形成」が破綻したのはなぜか?米国の保護を受けつつ、同時に中共に擦り寄って甘い汁を吸う二股外交が成立するための要件は「米中蜜月(G2)」であったが、近年、西太平洋・東シナ海・南シナ海・インド洋と東アジアの覇権を巡って米中が正面衝突する場面が増えた。朴槿恵の二股外交を推進する前提条件が崩れた。米中いずれかを選択する二者択一外交を迫られる場面が増えた。

1.習近平の「一帯一路」戦略に朝鮮半島は含まれていない

習近平がいう「一帯」とは上海・広州・香港と中国の植民地アフリカや西欧を結ぶ海上交通路の要所に位置する国々との連携を強化し、中華経済圏に取り込み保護国とする戦略。目下、ミャンマー、スリランカ、モルジブ、パキスタン、ジプチ、ギリシャの港を建設又は租借する取り組みに注力し、一定の成果を上げている。いずれ中国海軍と空軍による制海権掌握の拠点にしたいとの野望を隠していない。

「一路」とは、上海・重慶と中央アジア・中東・東欧・西欧を結ぶ陸上交通路で、目下、貨物鉄道が開通しているが、いずれ高速道路や高速鉄道を建設し中国主要都市と西欧を陸路で連結する構想。ユーラシア横断の中華経済圏の構築戦略だ。最近、習近平は英独仏を破格の札束を提示して籠絡する等、活発な動きを見せている。

以上、朝鮮半島は「一帯一路」の圏外であるし、(中共にとって)朝鮮半島の戦略的重要性が急速に低下しているということだ。朴槿恵は習近平の関心が東南アジアと西欧に向かっていると感じたのか、「一路」を朝鮮半島まで延長してもらうよう懇願した。「韓国を起点とする(北朝鮮経由)ユーラシアイニシアチブ」を提唱しているが相手にされていない。もともと、ユーラシアイニシアチブは「韓国主導による半島の平和的統一」という妄想を前提とした構想で、まともな人間は相手にしない夢なのだ。「どうか、私(韓国)を捨てないで」という悲痛な叫びがユーラシアイニシアチブの幻想を生んだ。

北朝鮮には相手にされず、中共の態度も冷たくなり、米国の信用も失った年増女(朴槿恵)が泣きつく先は、「私のドアーはいつもオープン」とかいってくれる安倍晋三だけだ。過去3年間、政権の命運を賭けて取り組んできた中韓反日歴史闘争と対日非難の告げ口外交を繰り返した結果、韓国経済は失速、韓国の外交的孤立が深まった。この焦りが、尹外務大臣をして裁判所に圧力をかけさせた主たる要因である。朴槿恵政権は外交も、内政も完全に行き詰まっている。韓国のネットでは「Hell朝鮮」との捨て台詞を吐いて不満を発散している輩が大勢いるようであるが、個人の努力では乗り越えられない超格差社会の厳しい現実と激烈な生存競争に敗れ、落伍者になった人間の悲痛の叫びというべきだろう。

2.習近平の西欧接近策がもたらす地政学的変動

米ソ冷戦下、毛沢東は後進国を結集して米ソに対峙する「第3世界論」を主張した。冷戦終了後、胡錦濤はロシアのプーチンと連携して「米国の一極支配は許さない」とするいわゆる「Brics重視路線」を展開した。そして習近平は覇権国家への野望を公然化、日米が主導する「中国包囲網」を打ち破るために「英独仏への接近路線」に転換し、先進国(G7)の分断工作を仕掛けた。中共は、発展途上国重視の毛沢東型から新興大国重視の胡錦濤型へ、そして新興大国重視から西欧列強重視の習近平型に重心を移動させてきた。

中共の戦略転換は、世界情勢の変動や中国経済の発展と中共軍の近代化など内外環境の変化に対応したもので自然の道理にかなっている。ただし、「第3世界論」、「Brics重視論」及び「英独仏への接近路線」は「同時併存」の関係にあり、中共の外交戦略の重心が移動したに過ぎないと解することもできる。中南米やアフリカ歴訪の頻度が減り、濃密であった中露関係や中韓関係が徐々に希薄になり、英独仏との交わりが盛んになった。新しい恋人(英独仏)ができれば元の恋人(ロシア・韓国)は疎ましくなるというのが人間の本性、もとい、国家の本質なのだ。「冷たい人だわ」と嘆いてみても始まらない。

西欧列強は現在、経済の停滞と失速、シリア等からの難民・移民、ウクライナ紛争など出口の見えない難題をいくつも抱え立ち往生しているように見える。中共が提示する「札束の山」は、西欧列強にとっては「地獄に仏」と見えていることであろう。そして、西欧列強は世界最大の人権侵害国家中共と懇ろになる罪障感を癒やすべく「宿敵ロシアと中共の間に楔を打ち込むことは<ロシア包囲網の形成>に役立つ」と合理化し心的安定を図る。

(1)中露分断によるロシア包囲網の結成

戦前の日独防共協定は、共産党一党独裁のソ連をユーラシアの東方(日本)と西方(独)から挟撃して抑えこむ戦略であった。現在進行中の中共と英独仏の連携強化は現代版日独防共協定に発展するかもしれず、ロシアにとっては「憂慮すべき事態」となる。しかもロシアは南方のトルコ(背後霊・米国)との関係も悪化したから、3方向から挟撃され「袋のネズミ」となった。

ロシア包囲網の結成を恐れるロシアはEUの反政府勢力(極右政党・急進左派政党)に接近してEU加盟国政府に揺さぶりをかけながら、他方、フランスなどEU主要国政府に「反テロ国際統一戦線の結成」を呼びかけている。そういえば、戦前、ソ連は独ソ・日ソ不可侵条約を締結したり、米英と「反ファシズム統一戦線」を結成して対独戦に臨むなど臨機応変の外交戦を展開したことがあった。という訳で、孤立感を深めているロシアはインドとの旧交を温め、原発輸出や最先端兵器の共同開発等で合意したほか、日米両国との関係改善を模索している雰囲気もある。国家関係の一つが動くと、これに反応して他の国家関係も動く。

(2)中国包囲網の結成と日米同盟の深化

習近平は天下取りの第一段階として「東アジアと同周辺海域から米国の影響力を払拭し、中共を盟主とする中華冊封体制を構築したい」と考えている。これに危機感を抱く米国は、戦力の過半を太平洋・インド洋と東アジア地域に集中配備する(リバランス)。我が安倍内閣は「中共が東アジアの覇権国家になることは許さない」と考え、日米豪印越比の海洋同盟化を急いでいる。さらに、台湾と韓国を中共の勢力圏(服属国)から解放し、モンゴル、中央アジア、東南アジア(ASEAN)における中共の影響力を削ぎ落とし、日露関係を修復して中国包囲網を完成に導くとの構想で動いているように見える。

目下、日米同盟の絆が深まっているのは「中共が主導して形成する世界秩序(中華冊封体制)は認めない」という戦略を共有しているからにほかならない。日米の局部的な、又は戦術上の相違点は「大戦略を共有すること」によって調整できる。

なお、ライス大統領補佐官を筆頭に、オバマ政権中枢における「中共シンパ」の影響力はなお絶大であり、オバマ政権はこれからも対中戦略について右顧左眄すると想定できる。しかし、米国は東アジアを戦場とする覇権争奪戦が「米国抜き」で戦われることを喜ばないし、日印(露越)と中共との間で、第二次大東亜戦争が行われることを看過することはあり得ない。米国の得べかりし国益を損じるから、伝統的な孤立主義を選択することはない。

周知のとおり、オバマ政権は「対中強硬派の国防総省(産軍複合体)」と、「中共シンパ」が浸透している「国務省」や「ホワイトハウス」の対立が続くから戦略方針が安定しない。米国はこれからも「ダブルスタンダード外交」又は「二枚舌外交」で揺れ動くと想定しておかねばならない。したがって、対中包囲網は「日米豪印の海洋同盟」を基軸としつつも、万一の場合を想定して、「日露印越の環中国同盟」の基礎を固めておく必要がある。

まとめ

習近平と朴槿恵が共謀して推進した「反日歴史闘争」は、我が安倍内閣の正当で機敏な反撃に遭遇し何の成果を上げることなく破綻した。「歴史を改竄し、ゆすりとたかりのネタにする戦術」の賞味期限は切れた。

中韓歴史闘争が破綻したのは我が安倍内閣の反撃力が彼らの想定を超えていたこともあるが、それ以上に、中国経済の崩壊と韓国経済の失速に対する両国民の苛立ちが高まっており、「反日歴史闘争」に力を振り向ける余力が乏しくなったことが大きい。そして、経済状況の悪化、失業者の急増は「反日歴史闘争」では代替できないのだ。中韓両国民の怒りは徐々に水かさを増しており、すでに「反日歴史戦」で隠蔽することのできる範囲を超えてしまったのだ。しかも「反日歴史戦」はブーメランとなって中国経済と韓国経済を直撃した。経済の崩壊を先延ばしするためには「対日関係の改善」を優先させ、「反日歴史戦」を当分の間休止せざるを得なくなったということだ。

法輪功(大紀元)は習近平の民主派弾圧の圧政を中韓民国(台湾)蒋経国総統の強権政治に比定し、「習近平主席は江沢民を粛清・処刑し民主化を実現してくれる」と期待して見せる。しかしながら、独裁者が「善意」で自らが保持している特権を投げ出すであろうか?独裁者は民衆の民主化要求を力で抑え込むことが困難になるまで、独裁者の地位に留まりたいと乞い願うのではなかろうか。そして内戦が始まり、反政府軍に殺される宿命(さだめ)になっているのではなかろうか。

あるいは、習近平に対する法輪功の勧告は「そろそろ決断してもらわないと、我慢の糸が切れますよ。蜂起してもよいのですか?」と問うているようにも見える。あるいは、青洲黄巾軍(法輪功)と曹操軍(習近平一派)の和解と連携を催促しているようにも見える。

韓国大統領の任期は5年。まもなくゴールデンタイム(3年目)は終わるが、格差を是正し、国民生活を豊かにする選挙公約の多くが積み残されたままで未着手、実現可能性は低い。国会は与党も分裂、野党も分裂し政争に明け暮れており、大統領官邸(青瓦台)は外務大臣を初め無責任なゴマすり野郎の溜まり場となっている。

外務大臣が裁判に介入する等常軌を逸した「対日接近策」を勘案すると、100年前、大韓帝国が走馬灯の如く事大先を変えた李氏朝鮮末期を見る感じだ。これを称して「レジャビュー(既視感)」という。民族の体質は簡単には変わらない。歴史は何度でも繰り返す。

我が国は米国から「厄介な荷物(韓国)」を押しつけられないよう警戒心を怠るべきではない。テロ国家(韓国)とは親しく交わらない、敬して遠ざかるというのが賢者の道というものだろう。 白髪爺 at 00:28
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