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中国経済の崩壊はハードランディング型か?企業と国家の「生き残りを賭けた戦い」が始まった。

白髪頭でズバリと斬る -じじ放談- 2016年02月05日

はじめに

先般、英国ポンドを売り崩し大儲けをしたユダヤ人の投機家ジョージ・ソロスが「中国経済はハードランディングする」と警告した。「もはや手遅れ。操縦不能、きりもみ状態になって墜落する」というのである。ソフトランディング(胴体着陸)は期待すべきではないと。

もともと、ユダヤ人の金融資本やソロスらは「中国経済は2020年代に米国を凌駕。中国は次の覇権国家になる。」と盛んにヨイショしていた。我が国では副島隆彦らがユダヤ人投機家の日本代理店になって騒いでいた。そして、2年ほど前から、ロスチャイルド系のゴールドマン・サックス証券を初めユダヤ系金融資本が中国市場からの撤退に動き始めた。ネズミが逃げ始めたならば、遠くない将来、船は沈む。ソロスが「中国経済はハードランディングする」と喧伝した理由は「中国経済の崩壊を確信したから」と解すべきではなく、「ユダヤ人系金融資本(ファンド等)は中国市場からの撤退を完了しました。今後は中国人民元を売り崩す」との意思表明だろう。

中国経済の崩壊(大恐慌)が始まってから約2年。企業の力量の差が「生死」を分ける。力のある企業は自らの才覚で生き残りさらに飛躍する(自助)。単独で生き残ることが困難な企業は連帯して難局を切り抜ける(共助)。そして、経営難に陥り倒産する企業は他社に買収してもらうか、又は国家や金融機関の支援を得て更生をめざす(公助)。

我が国では目下、破産状態にあるシャープの更生問題と、長年粉飾決算を続けてきた東芝の分割再生問題が焦点になっているが、今後、中国経済の崩壊が本格化すれば、シャープや東芝の如き企業が続出するのではなかろうか。我が国の不動産バブル崩壊によって傷ついた銀行・証券等の金融機関の破産は「初めちょろちょろ、中ぱっぱ」の如く、破産企業が時間の経過と共に激増した。当初、粉飾決算を行って破産時期を先送りしてきたものの、ついに誤魔化しきれなくなって犯行を自供し、自首することになったという訳だ。他社が破産するのを待って破産申告した。「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」という経営者心理が破産申告時期を遅らせたことがなかったとはいえないだろう。

第1:カネを預けて利息(保管手数料)を払う時代がやってきた

日本銀行が導入するマイナス金利政策は「カネを預けると利息がもらえる」という長年の商慣行(信仰)に風穴を開けた。

先週末、日銀が決定したマイナス金利政策に対応すべく三菱東京UFJ銀行は「大企業や金融機関などの普通預金に口座手数料を導入することを検討する。手数料の水準によっては事実上のマイナス金利になる可能性がある。今後はほかのメガバンクも同様の取り組みで追随する可能性がある。大和総研によると、マイナス金利政策を導入した欧州でも同様に預金者からマイナス金利分のコストを徴収する取り組みが進んでいる。法人や富裕層が中心だが、経営体力の弱い小規模の銀行は個人預金にも適用する例があるという。(以上、3日付け日経より抜粋)

16世紀頃までのヨーロッパにおいては「カネを貸して利息をとる」というユダヤ人の職業(金貸し)は悪徳とみなされていた(ヴェニスの商人)。資本主義が勃興し資金への需要が高まる中で「カネを貸して利息をとる」行為は合法かつ正当な商道徳とされた。以後約500年、誰もが「カネを貸して利息をとる」「金を借りて利子を払う」ことを当為と考えるようになった。カネの貸し手の優位性と、カネの借り手の劣位性が確定した。結果、銀行員は預金者に対してはニコニコ顔、借金を申し込む企業に対しては無礼千万の横柄な態度で接するようになった。監督官庁(大蔵省官僚)のご機嫌を損じないよう「ノーパンしゃぶしゃぶ」で接待したこともあった。

欧州の一部と我が日本銀行は未踏の分野「マイナス金利導入」に踏み込んだ。カネの貸し手が利息を払い、カネの借り手が利息をもらう。金融政策の歴史的大転換といってよいが、インフレターゲット政策と同様、「カネは預けているだけでは目減りしますよ。投資や投機にどんどん使いなさい」と催促しているのだ。

これまで日銀は政府と一体となって「金融緩和政策(実質ゼロ金利)→資金需要拡大(インフレ)→景気回復」を想定した脱デフレ対策を推進してきたが、運悪く中国経済の崩壊による世界的規模のデフレに遭遇、資金需要が増えないばかりか縮小傾向にある。結果、「金融緩和策」を打っても資金需要の拡大に結びつかない。金融機関にはカネが捨てるほど溜まっているのに使い途がない。

「カネの貸し手(預金者)がカネの借り手に利息(管理手数料)を払う」という現象は世界的規模のデフレと超金融緩和策がもたらした一過性的なものか?それとも今後も、慢性的なカネ余り現象と実体経済の失速が続きマイナス金利が常態化するということか?

「ユダヤ人の金貸し」は個人相手にカネを貸し、利子をとっていただけではない。産業資本や海賊船に投資(投機)して配当金を得たこともあった。東インド会社を立ち上げ、不法な手口で暴利を貪ったこともある。戦争当事国双方に武器を売って大儲けしたこともあった。現在、ユダヤの金貸しは証券市場、先物市場、各種の金融派生商品の開発と販売等さまざまな手法を創出して「カネにカネを」増殖させている。彼らは金融取引のプロであり賭場の胴元である。中国では年率数十%の高利で企業にカネを貸す民間金融が二桁成長しているというが、これは資金繰り悪化がもたらしたものだ。返済能力のない者にカネを貸す、返済能力のない者が「踏み倒すつもり」でカネを借りる。どこかで見た光景だ。

第2:環境激変時代における生き残り策

動物は自己の資質を改造し、あるいは激変する環境に相応した生活習慣を獲得し、又は自らの居住環境を改善する等して生き延びてきた。彼らの「生き残り策」はそれぞれの動物の生得的な資質及び置かれた条件の中で悪戦苦闘して見出した「解」であった。「日本企業の失われた20年」を研究し尽くしても米国発経済恐慌(リーマン・ショック)を防ぐことができなかったし、中国発経済恐慌を予防することはできないのだ。生き残るための「解」は個別的・具体的なものであり、誰にも通用する「普遍的な解」はなく、そもそも「万能の解」を求めるべきではないのである。

1.企業の生き残り策(その1)・・・大規模化・集約化

戦後、日本経済を牽引してきたソニー、松下、三洋、富士通、東芝、シャープ等家電産業は、ほぼ同種の商品を製造し切磋琢磨してきたといってよい。反面、細部に拘り、経営資源を分散し、小さな国内市場の争奪戦に明け暮れ、体力を消耗してきた面もあった。後発組の韓国・台湾・中国の家電企業は、「日本に追いつき、追い越せ」の戦略の下、国際市場への展開、重点投資、一点突破主義を断行した。

米国の経済覇権を脅かす国は許さないとの戦略で仕掛けた日米経済戦争において、米国は我が国に「円高・デフレ」を押しつけながら、他方、日本の輸出競争力を削ぐため、韓国・台湾・中共の通貨安誘導政策を黙認してきた。米国は経済力で冷戦に勝利し、日米経済戦争に勝利して米国一極支配体制を確立したように見えた。中共がこれほど早く米国の覇権に挑戦してくるとは想定外であったろう。

「帝政ロシアの南下を防ぐ防波堤に大日本帝国を」、「共産主義の拡大を阻止する防波堤にファシズムを」、「ドイツ第3帝国(ナチス)の膨張を抑え込むためにソ連邦を」、「ソ連邦を抑えるために中共を」、「日本経済至上主義の伸長を抑えこむために中共・韓国・台湾を」。これが、ユダヤ・アングロサクソン同盟の伝統的な行動様式「毒を以って毒を制する戦略」であった。我が国に対しては経済的圧迫(円高・デフレの強要)を加えて我が国の輸出競争力を削ぎ落としつつ、中共や韓国に対しては「通貨安誘導政策」を容認して輸出競争力を高めてやったと見るのは被害妄想であろうか?現在、彼らは我が国に対して「中共の膨張主義を抑えこむ防波堤役」を期待し、さまざまな便宜供与を行っているのではなかろうか。

我が国の金融機関は不動産バブルの崩壊によって不良債権を膨らませ屍累々の惨状を呈した。名門金融機関が次々と破産した。最終的には当局の行政指導もあり、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの三大メガバンクに集約され現在に至っている。

自動車業界は家電業界と同様、トヨタ、ホンダ、ニッサン・ルノー、マツダ、富士重工、スズキ、ダイハツ、三菱の8社が小さな国内市場を食い合う群雄割拠状態が続いている。リーマン・ショック後の世界的大不況時、トヨタはダイハツを傘下に加え、富士重工との資本提携に踏み出したほか、現在、スズキやマツダとの提携交渉を進めている。世界的規模で展開されている技術開発競争を見据え、我が自動車業界も再編過程にある。

明治の「殖産興業政策」の支柱であった鉄鋼業界は敗戦によって全資産を失ったが、戦後、朝鮮戦争の特需もあって復活再生した。八幡製鐵(新日鉄の前身)は「鉄は国家なり」を標榜し、戦後の日本経済の牽引役を担っていた。八幡製鐵は経団連会長を輩出したほか、同社の労組は労働界のリーダーとして君臨したこともある。八幡製鐵は政府の方針を先取りして贖罪外交の担い手であった。八幡製鐵は韓国ポスコや中共宝山製鉄に惜しげも無く技術を供与して、韓国・中国鉄鋼業の育成に尽力した。

鉄鋼業界も例に違わず、八幡製鐵、住友金属、日本鋼管、川崎製鉄、富士製鉄、神戸製鋼の群雄割拠状態にあって国内市場争奪戦に血道を上げ体力を消耗した。鉄鋼業界も(造船業界も)、台頭してきた韓国や中国の鉄鋼業(造船業)に市場を奪われて衰退した。「守りの合併」に追い込まれた。現在、我が国の鉄鋼業界は新日鉄住金、JFE、神戸製鉄の3集団に集約された。

新日鉄が日新製鋼を完全子会社化する狙いは、中国鉄鋼業の過剰生産と出血輸出で市況が急速に悪化していることに対するコスト競争力を高める方針とのことである。追い込まれ、生き残るために「規模を拡大し、国内市場の占有率を高める」という専守防衛的合併である。もっとも、世界中の鉄鋼産業は中国の「爆安売り」によって採算が悪化、倒産に追い込まれている企業もある。中国の「爆安売り」は失業者を輸出する市場の撹乱要因であり、政治問題化することは避けられない。我が国も「中国の鉄鋼製品に対するダンピング課税」を検討すべきであろう。

国内企業同業間の合併は縮小した市場規模に合わせて業界を再編する「縮小均衡戦略」であり、ワクワク感は全く無い。動物が寒冷期又は氷河期を乗り切るために巨大化したのと同じ理屈。技術開発力を活かして差別化を図り競争力を回復すべきであろう。

2.企業の生き残り策(その2)・・・市場占有率獲得競争

企業には「市場占有率を高めたい」と欲する衝動があるようで、ある程度巨大化した企業は同業他社を買収して市場占有率を高める傾向がある。あるいは市場占有率を高めることで価格決定力を強めることができると錯覚しているのかもしれぬ。しかしイオンの如く、借金して吸収合併を繰り返し、図体を大きくして市場占有率を高めることができたとしても商品に魅力がなければ消費者の購買意欲を引き出すことはできない。借金の山と不良資産を積み上げる負の連鎖地獄に陥らないとはいえない。

また、サムソン電子のように、莫大な資金を投入して生産設備を大増強し市場占有率の維持・拡大を狙う戦略も、中共の国策国営企業の台頭や大衆の商品嗜好の変化によって「増産しても売れない、売れないから在庫が増える、在庫が増えるから減産に追い込まれる」という負のスパイラルに落ち込む危険も看過されるべきではない。過大な設備投資と莫大な借金だけが残った中国国営企業の如きゾンビ企業となる。公的資金のカンフル剤が途絶えると即アウトだ。昨今、消費者の嗜好も移ろい易いから、投下した資金を回収できるまで製品が売れる保障は全くない。環境変化に自在に対応でき、大きくても小回りのきく柔軟さを持った企業でなければ、生き馬の目を抜くほど厳しく、可変的な時代を生き抜くことはできないだろう。

3、企業の生き残り策(その3)・・・専業型・兼業型

事業が右肩上がりの成長軌道に乗っていた企業が業績不振に陥り、衰退の兆しを見せることがある。この場合、企業の選択肢は「業績不振の原因を探求し、贅肉を削り落とし、専業に磨きをかけるトヨタ・カンバン方式か?それとも製造業の不振を補うべく金融業に進出したGE・ソニー方式か?」となる。専業を貫くか?、それとも兼業で食いつなぐか?しかし、兼業で業界の第一走者になることは困難であると悟ったのか、GEは金融部門をすべて売却して製造専従型企業に回帰したし、ソニも原点回帰を志向するようになった。

ある企業が異業種企業を吸収合併し、又はある企業が異業種に進出して多角経営を始めたとすれば(戦前の財閥・韓国の財閥)タコ足型企業となる。戦後の財閥解体によって我が国では消滅したが、1980年代頃までは株式の相互持ち合いによって「三菱・三井・住友・・」等の6大グループが形成されていた。しかし、バブル崩壊による業界再編は6大グループの境界を超えて行われた。リーマン・ショック後、国境を超えた業界再編が加速。第2次安倍内閣発足後、日米同盟は軍事・外交だけではなく金融機関や軍事産業の提携でも濃密になった。日米同盟の「政治・経済・軍事一体化路線」は想定以上に加速した。

まとめ

かって、日産自動車が負債を積み上げ、自主再建を断念、仏国営自動車会社ルノーに買収されたことがあった。ルノー本社から派遣されたカルロス・ゴーンは当時の日本人経営者が思いつかないほどの荒療治を断行、短期間でニッサンの体質を改善し再建への目処をつけた。

そして今、シャープの経営陣も小手先の対症療法を繰り返し、負債を積み上げ自主再建を断念した。目下、官民ファンド「更生機構」による再建か?又は台湾企業に買収されるか?の岐路にある。台湾企業に買収される可能性が高いと報じられているが、2月末には結論が出る予定。

なぜ、日本人経営者は自主再建に失敗したのか?なぜ、日本人経営者は弥縫策を繰り返し、戦力の逐次投入で負債を膨らませ窮地に陥ってしまったのか?日産自動車とシャープが破産に至った経緯と日華事変(日中戦争)以降敗戦に至った原因には共通点が多いと感じるのだ。戦略もなく、戦術もなく、情勢に流され戦線を拡大した。敵潜水艦に兵站線を分断されたため、食料・弾薬の補給もなく、餓死者続出という最悪の戦争に陥った。太平洋戦争(大東亜戦争)は「負けに不思議の負けなし」であった。

筆者は、日産自動車やシャープの破産経緯と旧帝国陸海軍の崩壊過程は日本民族の弱点が露呈したものと考えている。一言でいうと、再建プラン(全体像+工程表)、戦争プラン(戦略・戦術・・自軍の能力を勘案した戦域の確定+停戦条件の検討+工程表)がなかったのではないか。つまり、再建プランもないのに再建作業に取り組み、戦争プランもないのに戦争を仕掛けたのではなかろうか。ウラジミール・レーニンはこれを「戦略なき実践は盲目」とみなした。「出たとこ勝負はダメ」なのだ。プランがあってこそ、行動や結果の是非が検証できる。場当たり的再建計画、場当たり的戦争では贖罪のネタにされることがあっても、反省の資料には使えないのだ。

ムラ社会型組織には温存すべき美点だけでなく、同時に重大な弱点も宿っていることを自覚しておきたい。日米同盟は賢く運用されたならば、双方の弱点を補完できる絶妙な組み合わせになるのではあるまいか。
白髪爺 at 20:49

この記事へのコメント
1. Posted by 大和は国のまほろば 2016年02月05日 23:05
前のエントリーのコメント返しが無かったので、きっと次のエントリーの準備かな?と思っていました

まだ一回しか読んでいないので、書く状態では無いのですが…
マイナス金利もどんどん上がりますでしょうか(笑)…
株もニーサも苦手なので困った事です

中国はまだ全体としては食い詰めた状態まで進んで居ないのか
春節の中国人は又日本にドット押し寄せるそうです
爆買いから体験型に変化している様です
エステやネイル又は日本の茶道などの体験をする形に移行中だそうで…

2. Posted by 白髪爺 2016年02月05日 23:35
我が国を初め外国旅行が楽しめる身分の中国人は上澄み液(勝ち組)の10%以内だと思います。それでも1億人程度はいますから一定の爆買い旅行は続くのでしょう。
毛沢東が文化大革命と称する「伝統文化の徹底した破壊」を約10年続けましたから残存する伝統文化も少なくなっているのではないでしょうか。そこで、中国人は、日本の伝統文化を介して古代中国や中世中国の文化を知るということになるのだろうと思います。
地政学的に見ると我が日本列島全体が西方文化が漂着する「正倉院」になっているのかもしれませんね
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