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中華帝国(習皇帝)には北朝鮮を処罰するほどの力はない。「粉飾と欺瞞」によって周辺族を慰撫する札束外交は現在でも続いている。

白髪頭でズバリと斬る -じじ放談- 2016年02月15日

はじめに

自らを文明の中心とみなす中華意識は万国共通の観念であるといってよいが、この意識を「思想」に昇華させ、何千年も保持してきたのは漢族だけであろう。なぜ、漢族は「中華思想」を育み保ち続ける必要があったのか?おそらく、北方又は西方騎馬民族の軍事力に蹂躙され支配された「屈辱感」と、漢字を初め先進文明を保持してきた「優越感」を止揚することできず併存させざるを得なかったためであろう。

周知の通り、中華帝国を築いた「唐」は西方騎馬民族と漢族の連立王朝とされているし、「元」は騎馬民族(蒙古族)が樹立した大モンゴル帝国の一部であり、「清」は満州族が中央アジアの騎馬民族諸派を統括した大帝国となった。官僚の腐敗と派閥闘争によって体力を消耗した漢族王朝は例外なく異民族(騎馬民族)に侵略され自壊した。異民族王朝は漢族の知識人(官僚)を採用し統治機構に組み込んだ。異民族王朝への服従と異民族王朝の輔弼という二重構造を繰り返してきた歴史が、「中華」という自慰的観念を育み「思想」にまで高めた要因であろう。「中華思想」は「異民族に何度も支配され、屈従を強いられた」という惨めな歴史を失念したい」という願望が育んだ幻影なのだ。

「中華冊封体制」という言葉がある。不動の北極星が「漢族(中華)」で、その周囲をぐるぐる回っている星々が周辺蛮族(東夷・南蛮・西戎・北狄)というイメージだ。中華は周辺蛮族を文明の光で照らし、相応の位階を授ける「中華を頂点とするタテ社会型秩序」を特徴とする。中華冊封体制が機能するためには、中華が周辺族を軍事力・経済力・文明レベルにおいて圧倒していることが前提であって「比較優位」レベルであれば中華冊封体制は成立しえない。

周辺族が中華に詣出る「朝貢貿易」は、中華王朝にとっては「王朝の権威を誇示する舞台」であるから、なるべく多くの周辺族を集めなければならない。そこで、朝貢した周辺族の代理人に位階勲等を授与し、周辺族が持参した貢物の数倍又は数十倍の手土産(金銀財宝や銅鏡等)を与え、周辺族の朝貢したいと欲する動機づけを強化して帰さなければならない。中華側も「権威を維持するために」莫大な出費を覚悟しなければならない。

邪馬台国を初め我が国にとっての「朝貢」は濡れ手に粟のボロ儲けができるメリットの多いシステムであったが、中華王朝の経済力が衰え、見返りが少なくなれば、わざわざ海難に遭遇する危険を犯してまで朝貢する必要はない。中華と地続きの朝鮮半島は「中華の直轄保護領」という位置づけであったから、定期的に「美女3千人、馬5000頭、銭30満貫を供出せよ」と命ぜられた。命令に反抗し態度が従順でない場合は「朝貢するに及ばず」と脅迫され、「大統領や外務大臣が電話しようとしても門前払い」されることもあった。

朝鮮半島は2000年以上も前から、中華と満州に割拠する騎馬民族に朝貢して従順であることを行動で示さなければならなかった。その意味で、満州東部から北朝鮮地域に割拠していた高句麗(北方騎馬民族・匈奴系?)が「隋の煬帝軍」約百万人を迎え撃ち潰走させた事実と、今回、北朝鮮(金正恩)が中共や国際社会の圧力を跳ね返して核実験と長距離ミサイル発射実験を断行したことは特記すべき歴史的事実といえる。北朝鮮(金正恩)は中華冊封体制からの離脱を事実をもって表明した。

第1:戦後体制(核不拡散体制)は崩壊した

安保理常任理事国5か国(米中露英仏)は常任理事国による核独占とそれ以外の国々(特に日独)が核保有国となるのを阻止するために「核不拡散条約」を立ち上げ世界に押しつけた。これに反発するインド・パキスタン・北朝鮮の3か国が経済制裁を被りながらも核実験を繰り返して核保有国となった。さらにイスラエルも密かに核兵器を約70基保有しているとみられている。現在、オバマ政権は「イランの核保有時期を10年ほど遅らせることができた」と自画自賛しているが、常任理事国5か国による核兵器の独占は事実上破綻しているから、今更、核保有国が一つや二つ増えても大勢に影響はない。

7-8年前だったか、米国政府高官が「最大の課題は北朝鮮の核保有ではなく、北朝鮮が核兵器と核関連物質をテロ組織に流出させること」と語ったことがある。核不拡散条約は事実上破綻したので、「次善の策」として、「核兵器や同関連物質をテロ組織に流出させない」に変更したのであろう。

北朝鮮が4回目の核実験を行い核弾頭の小型化を実現し、米東海岸に到達する大陸間弾道弾を開発したとしても核の脅威がそれほど増える訳ではない。現在でも、ロシアと中共の核ミサイル数百基が我が国や米本土に向け配備されている。一方、米国の戦略型原子力潜水艦はロシアや中共を標的とする核ミサイル数百基(核弾頭1000発以上)を配備し、常時、発射できる態勢を保持している。という訳で、北朝鮮の核実験と大陸間弾道弾発射実験は「中華冊封体制からの離脱」と、「朝中関係を普通の国家関係に戻す」と「対米交渉力をつける」との狙いで行ったものだろう。

一方、最貧国の北朝鮮が核保有国となったから、常任理事国5か国による世界支配(戦後レジューム)に不満を抱く国が「核保有国になりたい」と欲しても自然の成り行きだろう。中露又は日米仏の支援を得て原子力発電所を建設し、プルトニュームを濃縮したいと考える国が続出しても不思議ではない。目下、中露両国は北朝鮮に対する厳しい経済制裁に消極的であるが、これは「今更、目くじらを立てて騒ぐほどのことなの?」と考えているからだ。米国が「北朝鮮の蛮行を非難し、厳しい経済制裁を加えるべき」と騒ぎたて、「あらゆる手段を使って同盟国(日・韓)を守る」と表明していることの真の狙いを警戒している模様だ。

第2:韓国は「中韓歴史同盟の修正又は破棄」に踏み出す

昨年末、朴槿恵大統領は、習皇帝の意向に反して、「従軍慰安婦問題を最終決着させる日韓合意」に同意。朴槿恵は就任以来3年間続けてきた中韓歴史同盟路線を修正又は破棄した。さらに、朴槿恵は北朝鮮の核実験とミサイル発射実験に対する習皇帝の北朝鮮を擁護するが如き態度に激怒、仕返しに、習皇帝のメンツを潰すTHAAD配備の米韓協議を始めた。また、「日米同盟と韓米同盟の情報リンク」、日米韓制服組の連携強化に乗り出した。「これからは、遠慮しませんよ」という感じだ。腹をくくった女は怖いものなしだ。

「女心と秋に空」は変わり易いといわれているが、「それにしても」だ。彼女の心がこれほど急転直下変容すとは誰も想定できなかったのではあるまいか。おそらく、習近平に「別居中の妻(北朝鮮)とはまもなく別れる。結婚してくれるか?」と言い寄られた女(韓国)が、その甘い囁きを信じて身も心も貢いできたのに、昨年の夏前から、公然と別居中の妻(北朝鮮)に擦り寄り、ヨリを戻すようになった。かくして、朴槿恵は習近平の魂胆(二人妻戦略)を知った。「騙された」と悟って怒りに震えた。

「米中との等距離外交(ツートラック)」をやっているつもりが、気がついてみたら、習近平が推進する「南北二股外交」の被害者に堕ちていたのだ。あの誇り高い女(朴槿恵)が怒るのも無理はない。結果、習皇帝は朝鮮半島(南・北)に対するコントロール権をすべて失った。

第3:習皇帝の「海のシルクロード(一帯)戦略」も破綻

中華帝国(習皇帝)は、我が国固有の領土(尖閣諸島)を一方的に「自国領」と宣言、その既成事実化を図るべく、漁民に偽装させた民兵多数を送り込み、海警船による領海侵犯を反復させて既成事実を積み上げ、中共空軍による領空侵犯と防空識別圏の設定、原子力潜水艦を潜行させたまま我が国領海内を通航させる(事実上の戦闘行為)等の挑発行為を繰り返した。我が巡視船と護衛艦及び自衛隊戦闘機の警備活動は日常化し、東シナ海は今や戦争前夜の如き「一触即発」の緊張状態にある。我が国は西南諸島海域や空域に対する防衛力を強化するために陸自・空自・海自の編成替えを進めている。さらなる防衛力の増強が求められている。

中華帝国(習皇帝)は南シナ海の岩礁を埋めて空軍と海軍の基地化を推進しつつ、同時に海軍や偽装民兵で威嚇し、ベトナム漁船を沈没させる等の蛮行を行い、南シナ海全域の実効支配に踏み出した。「南シナ海は我が国(中共)固有の領土であり領海だ。いかなる国も自国の領土・領海を守る権利がある」と開き直っている。これに反発するフィリピン(南沙諸島)とベトナム(西沙諸島)が中華帝国(習皇帝)の「力による現状変更」に反発して対峙、フィリピン・ベトナムを支援する米軍と中共軍との軍事衝突の危険が高まっている。

中華帝国(習皇帝)が主導する「力による領土拡大策」は、日米豪印越比(海洋同盟)の連携を強化。中華帝国(習皇帝)は自らの粗暴なる振る舞いが自らを追い込んでいる事実を理解できない馬鹿なのか?「中華帝国(習皇帝)の壮大な夢」を追い求めた結果が「自傷行為」で終わるとは、何と哀しい話なのか。

第4:中央アジア・東トルキスタン(新疆)

中華帝国は建国早々、東トルキスタンを軍事占領して併合(新疆ウイグル自治区)、漢族を大量に送り込み、混血による同化政策を強引に進めてきた。ウイグル人の伝統文化を破壊し、イスラム教徒に血の弾圧を加えている。これに激怒したイスラム過激派(ISほか)は「中共に対する聖戦(ジハード)」を宣言。中華帝国に弾圧され生きる夢と希望を失ったウイグル人の若者は難民となって祖先を同じくするトルコに逃れている。その一部がISやアルカイダ等のイスラム過激派の戦士となっている。元外務事務官佐藤優は「シリアやイラクのイスラム過激派(IS等)は遠くない将来、中央アジアや新疆ウイグル自治区に逃れ拠点化する」と述べている。

米国は、シリア・イラクのISやアルカイダ等イスラム過激派に対する掃討戦の主役から脇役に転じた。主役の座をロシアに譲渡したいとの願望も漂っている。イスラム過激派の主敵が「欧米列強」から「ロシア・中華帝国」に転換する日も遠くはない。アフガン戦争と同じ類型となるか?

米国の主戦場は東アジアと太平洋であって中東ではない。中東のイスラム過激派掃討戦はロシアと中華帝国に任せ、米国は徐々に足抜けするつもりであろう。アングロサクソンが大好きな「毒(IS等)をもって毒(ロシア・中華)を制する戦略」といえよう。

まとめ

世界は中華帝国(習皇帝)に対して「貴国は北朝鮮に対する生殺与奪の力を保有している。北朝鮮の核開発と核兵器保有を断念させるよう厳しい経済制裁を課すべき」と期待?をかけ圧力を加えている。しかし、4回目の核実験を中止させることができなかった6か国協議の議長国中華帝国(習皇帝)が今更北朝鮮に厳しい経済制裁を加えることができるとは誰も期待していない。中華帝国(習皇帝)は「北朝鮮の体制が崩壊すれば難民が大勢押し寄せる」とかいって自国の無能力さを糊塗しているが、中華帝国(習皇帝)には北朝鮮に対する経済制裁を強化できない別の事情がある。

中国遼寧省、吉林省、黒竜江省と北朝鮮地域は古代朝鮮族が打ち立てた高句麗の支配地域であったし、上記3省には現在でも約200万人の朝鮮族が居住している。中国3省と北朝鮮との国境線はあってなきがスカスカの状態にあって当局の管理が徹底しないという説もある。さらに、中華帝国(習近平)が北朝鮮に対する厳しい経済制裁に踏み出せない最大の理由は、中朝交易で食べている中国人(朝鮮族など)が何十万人もいて、彼らを失業させては元も子もないと考えているのだろう。特に、東北3省は中国の最貧困地域であり生活貧困者の比率も高いといわれている。これ以上、失業者は増やすならば治安維持が困難になるかもしれぬ。東北3省発の大暴動が燎原の火となって中国全土に広がる危険がないとはいえないから腰が引けているのだろう。

北朝鮮(金正恩)は中華帝国(習近平)の口頭注意を無視して堂々と、4回目の核実験と大陸間弾道弾の発射実験を断行した。これは「中華帝国と北朝鮮の力関係が逆転した」という意味なのだ。そればかりではない。我が国やフィリピン・ベトナム・韓国も、中華帝国の意向を忖度せず、公然に反旗を翻す時代になった。北朝鮮の4回目の核実験と大陸間弾道弾発射実験は中華帝国の権威に挑戦しレッドカードを突きつけた。「威張るのはいい加減にしなさい」と。

「張子の虎」という言葉がある。辞書によれば「外見は強そうで実は弱い人をあざけって言う」とある。換言すると「弱いと分かっている者が弱みにつけこまれないよう警戒し、又は他者から馬鹿にされないよう威勢よく振る舞って見せる」ということだろう。

中華帝国(習皇帝)がアフリカ、中南米、東南アジア、中東3か国(エジプト・サウジ・イラン)だけではなく米英独等を巡回して「バラマキ外交」に狂奔したのも、「友達がいない不安」を解消するとともに、「私にはこれだけ多くの友達がいるのですよ」と見せびらかしたいのだ。「カネの切れ目が縁の切れ目」ということを知りつつも、やらないと不安で夜も眠れないから、空威張り興行を続けるのだ。

欧米人は中華帝国(清・中共)を実体以上に美化し、偉大なる存在とみなす妄想癖がある。大英帝国は「濡れ手に粟」のボロ儲けの手段であったアヘンの販売を禁止されたため清朝とアヘン戦争を始めた。世界帝国とみなされ一目おかれていた清朝はあっけなく敗北し香港島ほかを割譲した。そして発展途上国であった我が国と「清帝国」は李氏朝鮮の派閥闘争に巻き込まれ日清戦争が勃発、結果、我が国が圧勝し、清朝は我が国に台湾島を割譲した。

アヘン戦争は清朝と当時の覇権国家大英帝国との戦争であったから、清朝が敗北してもやむを得ない面もあった。しかるに日清戦争では、清朝が東アジアの弱小国とみなされていた日本国に敗北したから清朝の権威は大いに傷つき失墜した。世界は清朝が「見掛け倒しの張子の虎」であることを知った。以来、昆虫が蜜を求めて集まるが如く、西欧列強、帝政ロシアそして我が国が中華の分割を求めて押し寄せた。列強は国益の最大化を求め他国の権益を横取りしたこともある(三国干渉)。仮に、我が国が日華事変(日中戦争)に踏み出さず、勢力圏を満州国に留め置いたとすれば、対米英戦争に至ることはなかった。我が軍が独断専行し「中華の利権独占」を求めて日華事変(日中戦争)を始めたために欧米列強との対立を抜き差しならないものに変えた。

「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」という意味は、危険の分散(リスクヘッジ)なのだ。仲間が多いと一人当たりの「取り分」は減る。単独行動の場合は利益を独占できるメリットがある反面、列強に邪魔され転落事故を起こして死ぬ危険も増える。

中華帝国(習皇帝)は韓国を劣後させ北朝鮮を優先した。「両手に花」を期待したのであろうが、世界は中華帝国の都合で回る訳ではない。

「中華」とは、異民族に蹂躙された漢族の長い屈辱に満ちた歴史を忘れたいと欲する集合的無意識が生んだ幻影であると思う。漢族は自らを宇宙の中心となし、周辺族(東夷・南蛮・西戎・北狄)を野蛮とみなして威勢を張ることで心の安らぎを得た。その見掛け倒しの「横柄な態度」は中華帝国習皇帝にも継承されている。

この記事へのコメント
1. Posted by 大和は圀のまほろば 2016年02月16日 16:40

今回の件では朴クネ大統領はかなり怒ってますね
しかし開城工業団地も閉鎖したらしたらで国を相手取って裁判が起こされるようです・・

起こす人は?ひょっとして北の手先ナノ?
単に投資したのに、こんなことになって単純に怒っているのか?良くわかりませんけど・・

北の将軍様も笑いが止まらない?でしょうね

2. Posted by 白髪爺 2016年02月17日 08:27
金大中・ノムヒョンの左翼政権10年間、いわゆる「太陽政策」という看板を掲げ、米国の目を欺き、合法的な北朝鮮支援策(ケソン工業団地や金剛山観光等)を国策として行ってきましたから、御指摘のように「親北派の中小企業」が祖国北朝鮮のために頑張ろうと考え、採算度外視で参加した者も相当数いるでしょうね。さらに、低賃金労働のウマミを得たいと考えた者もいるでしょう。

何しろ、韓族には「自己責任」という観念がありませんから、すべての責任を「国や企業(公)」に押しつけます。朴槿恵も「想定の範囲内」と考えているはずです。あるいは、これを奇貨として従北勢力を掃討してやろう」と決意しているのかもしれません。いずれにせよ、我が国にとってはマイナスよりもプラスが多いように思われますから余裕を持って高みの見物ができます。
日米同盟は「朴槿恵大統領の方針転換を歓迎し、これを全面的に応援する」のではないでしょうか。
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