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ケント・ギルバート×小浜逸郎 【危ない!韓国】日韓合意というデタラメ

PHP Online 衆知(Voice) 4月26日(火)12時40分配信

ケント・ギルバート氏(米カリフォルニア州弁護士)と小浜逸郎氏(批評家)がガチンコ対談

戦略的な対外宣伝活動を担う組織を

 小浜 憲法改正の大きな壁となっているのは、国内世論です。昨年9月、平和安全法制が成立しましたが、日本のメディアはこぞって「戦争法案」「徴兵制の復活」という言い方で反対の世論を煽りました。

 ケント だからこそ、私たちはいまメディアを変えようとしているのです。私が呼びかけ人の一人に名を連ねている任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」は、政治について国民が正しく判断できるように、公正公平な報道を放送局に対して求める活動をしています。昨年11月14日付と15日付の『産経新聞』『読売新聞』には「私達は、違法な報道を見逃しません」という全面意見広告を出しました。日本のマスコミは国民を誘導する義務や責任、使命があると思っているようですが、これは大いなる勘違いです。マスコミの役割は、複数の角度から正確な情報を国民に提供することであり、それ以上のことをする必要はありません。

 小浜 ケントさんの活動にはほんとうに頭が下がりますし、こうした試みをどんどんやってもらいたい。インターネットを使えば、民間のボランティアでも情報発信ができる時代になっていますから、マスコミの偏向報道による歪みは、ある程度、正すことができるでしょう。
 問題なのは対外活動のほうです。くだんの「南京大虐殺文書」の登録について、中共は何年も前から申請の準備をしていた。日本の外務省はそれを知っていたにもかかわらず、何もしませんでした。

 ケント 申請が認められてから、慌ててちょっと抗議しただけ。じつにお粗末な対応です。元谷外志雄さん(アパグループ代表)は「日本の正しい情報を世界に発信するための組織を政府がつくるべきだ」とおっしゃっていますが、私も同意見です。じつは、私はそういう組織に勤めていたことがあるんです。USIA(米国文化情報局、1953年設立。99年、国務省に統合、国際情報計画局に引き継がれた)という海外向けの広報活動を担当するアメリカ政府の機関があります。CIAとは違いますよ(笑)。
 USIAで私がどんな仕事をしたかというと、たとえば1975年、日本の沖縄国際海洋博覧会でアメリカ・パビリオンのガイドを務めました。このパビリオンには、表向きの文化事業とは別に「アメリカ式民主主義を世界に売り込む」という明確な国家目的があった。当時の私はそれをあまり意識していなかったのですが、7カ月そこで働いて得た給料で大学院に進み、弁護士になることができたという思い出があります。

 小浜 アメリカは以前からずっとそういう活動をやっていたわけですね。

 ケント はい。冷戦中、アメリカが行なった宣伝活動として、1951年に放送を開始した「ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)」は有名です。東欧の旧社会主義国に対して、民主主義の素晴らしさをアピールしていた。そのおかげで89年にベルリンの壁が崩れた際、東欧諸国はすぐさま民主主義体制に移行できたわけです。

 小浜 アメリカと違って、日本には戦略的な対外宣伝活動を担う組織がありません。

 ケント だから「情報はアメリカにお願いすれば無料で手に入る」と思っているんです。もっと日本政府がお金を効果的に使わないと。

 小浜 敗戦以来、日本人は潜在的に対米依存で来ていますから、なんとかその壁を打ち破らないといけない。

日本の悪評が世界中に

 小浜 冒頭で述べた慰安婦問題をめぐる日韓合意なるものについて、岸田文雄外務大臣は韓国の尹炳世外相との会談(2015年12月28日)で「軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」「日本政府は責任を痛感している」と述べました。この発言は、誰が読んでも軍の強制性を認めたものとしか受け取れません。『朝日新聞』が不十分とはいえ慰安婦問題の誤報を認めたにもかかわらず、それすら台無しにする行為です。あまりのショックで、血圧が上がりましたね。

 ケント 私も以前から「日本政府は韓国政府とのあいだで妥協的な解決を二度と行なうべきではない」と言い続けてきましたので、日韓合意の第一報を聞いたときはかなり落ち込みました。ただしばらくして、こう考えるようになりました。日本はいつまでも慰安婦の強制連行という「作り話」に振り回される必要はない。加えて日本は10億円の拠出金と引き換えに慰安婦像の撤去を求めるボールを韓国側のコートに送ったのだから、とりあえず相手の出方を待つべきであると。

 小浜 いや、このままではまずいですよ。現に日本の悪評がすでに世界中を駆け回っているからです。オーストラリア・ジャパン・コミュニティー・ネットワーク(AJCN)代表・山岡鉄秀氏の調査によれば、「日本政府は潔く謝罪した。韓国は受け入れるべきだ」と主張する海外のメディアは皆無であり、「日本政府がついに性奴隷を認めた。その多くは韓国人女性だった」という論調だったそうです。
 これはほんの一例ですが、米紙『ニューヨーク・タイムズ』(2016年1月1日付)は、慰安婦問題に関する共著をもつアメリカの大学教授による次のような投書を掲載しています。「生存者の証言によれば、この残酷なシステムの標的は生理もまだ始まっていない13、14歳の少女だった。彼女たちは積み荷としてアジア各地の戦地へ送られ、日常的に強姦された。これは戦争犯罪のみならず、幼女誘拐の犯罪でもある」。

 ケント まったく呆れる内容ですね。しかし日本のジャーナリストは海外メディアの誤った報道に対して、英語できちんと反論していない。それ以上に問題なのは、専門の広報機関が日本にないことです。

ロビイストを雇えばいい

 小浜 本来、そうした仕事は外務省がやるべきですが、いまの外務省にはまったく期待できない。ケントさんは、どうすればよいと考えていますか。

 ケント これから日本が海外向けの広報機関をつくるにしても、外務省から独立した組織が望ましいでしょう。外務省の管轄にすると結局、何もしない組織が新たに増えるだけで終わりかねない。では、いまの日本には打つ手がないのか。そんなことはありません。簡単なことで、ロビイストを雇えばいいんです。昨年4月に安倍首相が渡米した際、アメリカ上下両院の議員に対して「希望の同盟へ」と題する演説を行ないました。あの演説が実現して大成功に終わったのは、日本政府が雇ったロビイストのおかげです。一方で韓国も2013年5月、朴槿惠大統領が同じくロビイストを使ってアメリカで議会演説をしました。ところが「歴史に目を閉ざす者は未来が見えない」と対日批判をして安倍首相を妨害しようとしたら、見事に失敗した。つまり、日本にはロビイストを使った戦いで勝利した前例があるわけです。

 小浜 先に名前の出たAJCNにしても、民間のボランティアの集まりです。それでもオーストラリアで慰安婦像の建設を阻止するなど、政府以上の活動を展開している。政府が歴史問題に関する事実を公式に訴えていくとともに、民間の団体も活発に活動して官民一体となって動くのが理想ですね。

 ケント いや、私は政府が表に出るべきではないと思っています。あらかじめ政府が「公式のお金」で海外のロビイストを雇い、現地の世論をいかに誘導するかを考えていくべきです。

 小浜 中共や韓国はそれを日常的にやっているということですね。もちろん、アメリカも。

 ケント そうです。アメリカ国内で慰安婦像が建ってしまったのも、韓国に雇われたロビイスト、小浜さんの言葉を借りれば「工作員」の働きがあったからです。もちろんPRCも工作員を日本のメディアに浸透させている可能性があります。今年2月、菅義偉官房長官は「わが国はいかなる国に対してもスパイ活動に従事していない」と発言しましたが、日本がほんとうに何も情報活動していないのだとすれば、そちらのほうが大問題です(笑)。スパイ活動はともかく、日本は海外向けの宣伝活動にもっとお金を使うべきですよ。日本の歴史認識や政策を広めるためには当然のことでしょう。経済規模からいっても、日本は十分に「大国」です。しかし、自国の正義なり、政策を外国に説明するような体制をもたない大国なんていうものが世界にありますか。さらにいえば、自分の防衛をすべてヨソの国に委ねている大国がありますか。アメリカ頼みの時代はもう終わったのですから、取るべき政策を早く取ってほしいですね。

 小浜 自国の基地に外国の軍隊がこれほど駐留している国は大国どころか、そもそも独立国家の名に値しません。日本に課せられた役割は、名実ともに大国となり、アジアの平和を守る盟主として台湾やフィリピン、ベトナム、インドネシア、オーストラリア、インドなど利害の一致する友好国をまとめ上げ、中共や北朝鮮に対抗する集団安全保障体制を築くことなのです。
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