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G7伊勢志摩サミットの秘匿された核心的テーマは「中国包囲網の強化策」だったのか?

白髪頭でズバリと斬る -じじ放談- 2016年06月01日

はじめに

G7サミットを主宰した安倍総理は議長会見において「世界経済の最大のリスクは新興国経済に陰りが見え始めていること。リーマン・ショックによる経済危機が世界を覆っていたとき、世界の景気回復を主導した新興国経済が急速に減速した。最も懸念されるのは世界経済の収縮であり、世界的規模の需要低迷が長期化するリスクをはらんでいる。ここで対応を誤れば世界経済は通常の景気循環を超えて危機に陥るリスクが高い。G7は強い危機感を共有し、協調して金融政策、財政政策、構造改革を進め、3本の矢を放っていくことで合意した」と述べた。

安倍総理が「世界経済の危機(Crisis)が迫っている」と主張したのに対し、メルケル首相(独)とキャメロン首相(英)は「世界経済の現状は危機(Crisis)とはいえない。世界経済は長期低迷する危険(risk)にあると評価すべき」と反論し、意見の不一致が表面化したと報じられてた。経済学者、マスメディア、そして民進党岡田克也党首もこれに便乗、「安倍総理は世界経済の危機を煽り、消費増税時期の2年半延期の理由づけに利用した」と非難した。

安倍総理は「(中国を始めとする)新興国経済が急減速、世界経済が過激な収縮過程にある(中国発経済危機)」と具体的事実を列挙して警戒信号を発したと推定されるが、もとより中国と利害関係の深い日米にとっても中国を刺激し過ぎることは得策ではないし国益にもつながらない。他方、中国経済への依存を深めている独メルケル首相と英キャメロン首相は「中国経済が危機に陥ることは国益を損なう」と考えているから、希望的な観測を交えて発言した。なお英独仏ら欧州諸国にとって東アジアは遠く、当事者意識も希薄で、情報の収集と分析が粗雑で、伝聞情報や中共「札束外交」と巧言令色的宣伝に騙され易い。さらに、目の前においしい食い物を提示されると、欲望に目がくらみ、期待と願望に胸を膨らませる。中国の険しい現実に目を背け、中国を美化して眺める。「惚れた女の痘痕(あばた)は笑窪(えくぼ)に見える」という人間心理だ。

安倍総理が英独仏の首脳に「中国に騙されてはいけませんよ」と忠告しても聞く耳を持たないか、「アベの見解は理解できるが、中国の心証を害すれば、姑息な手法で嫌がらせをされるかもしれず、今回は、日欧の世界経済の現状認識が異なっていた」ということにしておきたいということであったのか、真偽不明である。おそらく、安倍総理は「中国経済が崩壊過程にある客観的資料を掃いて捨てるほど保持していたはずで、その一部は極秘資料として提供されたはずであるが、公式的には、中国経済の現状とは直接関係のない(説得力のない)「4枚の資料」を提示しただけとされた。中国を刺激しないための「政治的配慮(パフォーマンス)」ではなかろうか?共同宣言や議長声明で明らかなように、伊勢志摩サミットでは「中国の政治・経済・外交・軍事の現状と課題及び周辺国の対応」について相当突っ込んだ協議がなされたことは明白であるが、過敏症に罹患し、被害者意識を高めている中国を刺激しないよう、個別・具体的な批判(対北朝鮮・対ロシア)は避けた。

第1:国家の「意思」が経済を創造し、停滞させ又は破壊する

自然科学は「仮説→検証→仮説の修正→検証・・・」の実験を繰り返して、大自然の摂理に接近する手法をとっているのであるが、社会科学や人文科学が担う分野は研究対象が巨大で、かつ複雑すぎるから「仮説を立てて実験を行って検証する」という手法が使えない。そこで、過去完了の歴史的事実を調査・発掘・収集し、事実の周期性や類似性に着目し、経験知を加味して「仮説」を立て、将来に発生するであろう事象の予測を行う。直下型地震の発生確率や罫線を利用した株価予測はその典型であるが、このような手法では「当たるも八卦、当たらずも八卦」の域を超えるのは不可能だろう。

近代経済学の未来予測も同様であって、経済学者が100人おれば100通りの経済分析と未来予測がなされるのが常態であるから、経済学者の見解を鵜呑みにする馬鹿はいない。相手にされていないから、判断や予測を間違えても誰からも非難攻撃されることはない。彼ら経済学者と称する輩は「経済予測の不確実性」を糊塗するために、複雑な計算方式や図式を提示して「本物らしく」繕う。「詐欺師」と異なる点はない。

我々は、経済行為が人間の営みの一つであり、人間の「意思」が経済行為を活性化させることも、経済行為を停滞させることも、そして経済行為を破壊することもあることを知っている。経済行為が人間の「意思」によって生みだされるとすれば、経済危機もまた人間の「意思」が生み出したと規定せざるを得ない。周期的・循環的に訪れる経済危機は資本主義が内包する矛盾と見るべきではなく、バブル経済を煽り、推進し、崩壊させることで最大利益を得んと欲する少数者の「意思」が生み出すものと考えざるを得ない。サバンナには草木を食んで生きている草食動物、他の動物を食って生きている肉食動物、そして死肉に群がるハゲタカやハイエナ、他の哺乳動物に寄生し生き血を吸って生きているヒル等、自然界には多様な生活スタイルがある。

同様、人間の経済行為や国家の経済政策も多様であってさまざまなタイプがある。人間だけではなく、国家の鳥獣戯画図も描けるのではなかろうか。という訳で、資本主義制度を創造し、バブルの発生とバブル崩壊を演出し、濡れ手に粟の大儲けを企み、実行している投機集団又は投機国家がいたとしても何の不思議もないのだ。バブルとバブル崩壊は彼らの「意思」と「戦略」が練り上げた工程表に沿って運用されていると見るべきではなかろうか。真の経済戦略家は目立つのがお好きでない、正体を秘匿するよう努めている。


経済や戦争等人間の営みがある場所では「人間の意思」が介在し局面を動かしている。人間は「意思の力」によって、人間社会を大自然が想定していた軌道から逸脱させた。

国家が主導する経済活動(交易・為替・商品売買・投資等)は国家の「意思」によって、戦略的又は恣意的に行われている。特定の国家(例えばインド)の経済を発展させようと考え、投資を集中することもできるし、逆に、特定の国家(例えば中国)の経済を破綻させようと考え、当該国の経済活動を妨げる諸施策を講じ、又は目に見えない制約や目に見える経済制裁を課して当該国の経済を破滅に追い込むこともできる。

戦後、我が国が長期間の経済成長を享受することができたのは我が国民の勤勉性に加え、米国が「米ソ冷戦」に勝ち抜くために、東アジアにおける米国の最重要拠点と位置づけた日本国の経済発展を支援してきたことが大きい。1991年、米ソ冷戦が終わり、米国にとって我が国の戦略的価値は大きく低下した。特別待遇を付与する必要が乏しくなった。さらに、1980年代以降、我が国経済力は米国の覇権を脅かす脅威となった。「失われた20年」は我が国の政治的混乱や経済・金融政策の誤りとされているが、腰縄手錠をかせられ、「それ以外の選択肢がなかった」と解すべきだろう。経済は慈善事業ではない、戦争と同じく「国益と国益」、「国家の意思と国家の意思」が激突する修羅場であるからやむを得ない。

第2:サミットの影の主役は中国(中共)

(以下1-8はG7首脳宣言と同付属文書の骨子・・28日付け日経より抜粋)

1.世界経済(中国経済?)の下方リスクが高まっている。

2.(中国の?)過剰生産能力が(世界の?)経済、貿易、労働者に与える負の影響を認識

3.実質的所有者情報の透明性の改善は腐敗、脱税、テロ資金供与、資金洗浄防止のために必要(開示されたパナマ文書に中共の高官一族ら3万人?)。ペーパーカンパニーの実質的所有者に関する各国の行動計画を完全に実施。

4.TPPと日欧EPA、日本とEUの強固なコミットメントを歓迎(ASEAN+3又はASEAN+6ではない?)

5.東シナ海、南シナ海の状況(中国による岩礁埋め立てと軍事基地建設?)を懸念し「海洋安全保障に関するG7外相声明」を支持

6,質の高いインフラ投資(非中国的?)

7.サイバー空間の悪意ある利用者(中国?)に対し、密接に協力して断固とした強固な措置をとる。国連憲章を含む国際法(戦争行為とみなす?)をサイバー空間で適用することは可能

8,インフラ関連の公共調達の腐敗リスクを意識し、公共調達プロセスの透明性を向上(中国の賄賂外交を問題視?)

以上、G7首脳宣言と付属文書の核心は「中国関連事項」であり、伊勢志摩サミットの主要テーマが「秩序破壊を企てている中国(中共)」であることを疑うものはいない。誰よりも中国(中共)自身が伊勢志摩サミットの真の狙いを理解し半狂乱状態に陥った。

第3:サミット直後の動き

1.27日、米連邦準備理事会イエレン議長は「米経済は改善しており、数ヶ月以内に利上げするのがおそらく適切だ」と述べた。(28日付け日経・夕刊)

2.安倍首相は30日、環太平洋経済連携協定(TPP)の国会承認を追求し、発効の機運を高める。アジアに加え、世界全体に対して2017年から5年間で総額2000億ドル規模のインフラ投資を実施する方針を示した。(31日付け日経)

3.政府は伊勢志摩サミットの合意を受け、世界的な鉄鋼の過剰生産を是正するための対応に乗り出す。不当に安い価格での輸出に対し、反ダンピング(不当廉売)関税などの措置を検討、中国への対抗措置を強めている欧米と足並みをそろえる。(31日付け日経)

米国が利上げすると、資金が中国を初め新興国から米国に還流する(米ドル高、新興国(中国)の通貨安)。安倍総理が議長会見で述べた「新興国経済の急減速」に弾みをつける狙いであろう。つまり、経済恐慌は自然現象ではなく、資本主義が内包する宿痾(しゅくあ)でもなく、何者か?(背後霊)の「意思」が経済恐慌を惹起するのだ。そういえば、1年ほど前、ユダヤ人の金融投機家ソロスが「中国人民元売り」を表明した。ハゲタカファンドにとっては腐りかけた肉ほど美味しいものはない。中国は「腐りかけた肉」と位置づけられたように見える。

第4:安倍総理のサミット前後の動き

1.英独仏伊4か国訪問
安倍総理の訪欧はサミットの事前打ち合わせであろうが、他方、東シナ海と南シナ海における中国の「力による現状変更」と「周辺国の反発」を説明し同意を求めた。中国経済への依存を深めている英独と中国の蜜月関係に楔を打ち込む狙いがなかったとはいえない。同時期(5月連休)、岸田外相はミャンマー、ラオス、ベトナムを歴訪し地固めをした。

2.ソチでの日露首脳会談
安倍総理がオバマ大統領の強い反対を押し切ってプーチン大統領との首脳会談に踏み切った背景は冷却状態に陥っている日露関係を修復すること、ロシアを中国依存一辺倒から引き剥がし、中露蜜月関係に楔を打ち込むこと等の狙いがあったとしても不思議ではない。ロシアにとっても「中国依存からの脱却」と、「対日関係・対米関係・対欧関係を改善しロシアに対する経済制裁を緩和してもらうこと」は喫緊の課題となっている。ロシアは伝統的に戦線を絞り込み、戦力の集中投入する傾向がある。西部戦線が忙しい時は、東部戦線は平穏でなければならないと考える。そして、東アジア戦略において、中国と日本をはじめとする周辺国のいずれにも偏せず、中立の立場で紛争を調整し、漁夫の利を得ることがロシアにとって最大の国益と考えている。

3.アジア・アフリカ首脳との会談
安倍総理は28日、伊勢志摩サミット拡大会議に出席したアジア・アフリカの首脳と名古屋市内のホテルで個別会談。「質の高いインフラ投資」で支援する考えを示すほか、中国の南シナ海などへの進出を踏まえ海洋安全保障も協議する。スリランカ、アフリカ連合(AU)議長国チャド、バングラデシュ、パプアニューギニア、ASEAN議長国ラオス。その後、東京に移動し、ベトナムのフック首相と会談する。(28日付け日経・夕刊)

以上のほか、昨年末、米国の要請と支援により、安倍総理は従軍慰安婦問題で日韓合意をとりつけ、北朝鮮の核実験を契機として中韓離間策を仕掛けた。「覆水盆に返らず」というから、当面、中韓関係が元の蜜月関係に戻ることはあるまい。さらに、台湾でも親中の国民党馬英九総統から親米・親日の民進党蔡英文総統に交代した。習近平は日本国安倍総理を包囲殲滅するつもりが取り組んできたのであろうが、気がついてみたら、いつの間にか、孤立無援、四面楚歌に陥ってしまった。習近平は軍高級幹部を含む政敵を数十万人粛清したから、当然ながら政敵側の反撃を恐れざるを得ない。いかなる手口で刺客が仕掛けてくるかも分からない。

今や、中共中央の権力闘争も最終段階に至っているが、誰もが粛清を恐れ面従腹背に徹しているから敵と味方を識別するのが容易ではない。盟友王岐山(党中央規律委員会書記)には政敵側に寝返るかもしれぬという不穏な動きがある。かくして、習近平・王岐山が二人三脚で推進してきた「反腐敗闘争」という名目で進められた粛清の嵐に急ブレーキがかかった。習近平一家の一族郎党は「我に利あらずスイ往かず」と感じ始めたのではなかろうか。この微妙な変化を嗅ぎつけたのか、江沢民・曽慶紅一派に弾圧された健康修練者団体「法輪功(大紀元)」は「習主席は中国共産党を解体すべきだ。中共を解体すれば中国5千年の歴史に名声を刻むことができる」と煽動した。「民主中国の習近平大統領に横滑りできるし、一族郎党の身の安全を確保できる」と促した。

まとめ

米国発世界恐慌(リーマン・ショック)から世界経済を回復させた原動力は中国が行った住宅建設、高速道路建設及び高速鉄道建設を中心に投入された約60兆円の公共事業であった。中国の資源爆買いによって資源産出国を初め世界中がリーマン・ショックの痛手から立ち直り活気を取り戻した。中共中央と同地方政府はあたかも「もののけ」に取り憑かれた如く、利用価値の乏しい公共事業や採算を度外視した公共事業に予算を投入した。上海・北京・天津・重慶等の特別市から山間僻地の末端地方政府に至るまで、浮かれたようにゴーストタウンを造った。結果、中国共産党中央と同地方政府直営の公共事業関連国有企業は生産体制を拡充、数千万乃至数億人の農民工(出稼ぎ労働者)を雇用した。中共中央と同地方政府が総力を上げて取り組み構築したのが「過剰生産体制」である。

13億人民を一元的に管理する共産党独裁政権を維持するためには、軍・武装警察・民兵等の暴力装置のほか、密告を奨励し、警察などの治安機関を総動員して人民を弾圧し、人権を蹂躙し、「力による人民管理」を徹底しなければ、民心を完全に失った共産党一党独裁政権を維持することはできない。もともと、中国人民の粗暴な性向は「抗日無罪」「革命無罪」という毛沢東の暴力肯定思想によって教導されたものだ。その矛先が共産党に向けられるようになっただけなのだ。

漢族は数千年に及ぶ異民族の支配に甘んじたが、その代わり、「中央に政策あれば地方に対策あり」という独特の文化を身につけた。中央が発する通達は地方政府によって骨抜きにされる。天子の厳命であっても、中国全土、津々浦々に至るまで徹底することはない。

毛沢東は中途半端なやり方では漢族を管理できないことを知っていた。そこで、毛沢東は全党を上げて大躍進政策(鉄鋼や農産物の大増産等)の号令を発し断行した。反対する者は容赦なく切り捨て粛清した。結果、中国全土の山林が伐採されてハゲ山と化した。羊や山羊の過放牧によって緑野が砂漠になった。農薬の大量使用によって農地の毒物汚染が進んだ。大自然の摂理を無視した毛沢東の大躍進政策は見事に失敗、5000万人が餓死した。そして、毛沢東は共産党中央の解体と再編成を企図して青少年を扇動し、紅衛兵を組織して蜂起させた(革命無罪)。文化大革命はイスラム国(IS)と同じく、伝統文化含む既存の文明を否定し破壊の限りを尽くした。文化大革命の10数年間に虐殺され又は餓死した者は3000万人に達した。中国という超巨大マンモスタンカーを動かすためには「極端な政策」を掲げ、いかなる怠業も許さず、いかなる犠牲も覚悟して政策を貫徹しなければならない。危険を察知しても迅速かつ機敏な危機回避策はとれないし、座礁すると分かっていても難破するまで前進する以外にない。

中国の土地バブル、公共投資バブル、資源爆買いバブルは世界の常識をはるかに超えるものであるが、これは彼らの無知ぶりを示すというより、超巨大マンモスタンカーの体質的欠陥というべきだろう。一度走りだすと、誰にも止めることができないのだ。いま、中国の金融機関(国有・民間・闇金融等)が抱える回収できない不良債権の総額は中共中央も、同地方政府も、誰も、把握できない。不良債権総額は少なく見積もっても数百兆円、巷では1500兆円を超えているといわれている。

失業者の急増による治安の悪化、地方政府の財政破綻による地方政府の崩壊等共産党一党独裁政権を支えてきた支柱が壊れ始めた。中共中央は先般、利子さえも払えないほど膨大な負債を抱えているゾンビ国有企業に債券発行する権利を与えた。ゾンビ国営企業の借金を第三者の金融機関や個人に「移し替える」ことで、当座をしのごうという訳だ。もとより、紙くず同然の債券を買う馬鹿はいないから、この債券は行政命令を発して金融機関に押しつける以外にない。その代わり、当該金融機関には中国人民銀行が紙幣を大増刷して資金を湯水の如く流し込む。結果、人民元紙幣が大量に印刷され頒布されることで通貨価値は暴落する(ハンパーインフレ)。これを想定した資金の国外逃避(キャピタルフライト)に歯止めがかからない。習近平を筆頭とする党中央政治局常務委員や共産党・軍の高官の一族郎党は率先垂範、職権を悪用し、香港に本拠を構えるユダヤ系金融資本HMBC等を介してタックスヘイブンに設置したペーパーカンパニーに天文学的資金を逃避させてきた。「悪い奴ほど生き残る」という典型だ。

政府が「紙幣の大量発行(通貨発行特権の濫用)」に手を染めるのは中国王朝末期の特徴で、戦前、日本軍と戦っていた中華民国軍(国民党蒋介石政権)は軍費を賄うため紙幣を増刷したため中国人の信頼を失ったといわれている。

世界は今、中国発経済危機(チャイナ・クライシス)の影響を軽減すべく備えを固め始めた。消費増税時期の2年半延期はその対策の一つに過ぎない。ところで、中国の不動産バブルも、大規模公共事業も、生産設備への過剰投資も、強欲で無知な中共中央高官に食わせた毒饅頭かもしれぬ。経済は国家やヒトの「意思」が創り出し、停滞させ、破壊するものであるから、中国経済の破綻と崩壊は「工程表通り順調に推移している」という診断が下っているとしても不思議ではない。

数年前、某国が「そろそろ中国の経済成長に幕を下ろす時がきた。中国経済を余りにも長く支えすぎて中共中央を増長させてしまった。豚は太らせて食えとはいうが太りすぎた豚は美味しくない」と進路変更したと仮定してみる。結果、「中国の高度経済成長時代が終わり、中国経済は右肩下がりの崩落過程に移行した」と仮定してみる。そして、「中国に代わってインドが、新たな高度経済成長国に指定された」と仮定してみる。一体全体、そのような荒唐無稽でマンガみたいな仮説が実在してよいものだろうか?

現実の流れを眺めていると、コインの表が裏に見え、コインの裏が表に見えることがある。どちらが真の姿なのか?、あるいは、どちらも真の姿なのか?疑念は尽きない。 白髪爺 at 23:34

この記事へのコメント
1. Posted by カラカル 2016年06月02日 01:01
米ソ冷戦時代には、対共産圏輸出統制委員会(cocom)が
各国のソ連向け輸出品に規制を掛けて、先端技術がソ連に渡るのを防いでいました。
然るに、同じく共産国国家である支那に対してはCOCOMのような規制はなく、逆に支那をWTOに加盟させ自由貿易体制に加入させています。
こうなったのは、米国が支那市場を狙う為と安い労働力を遣って米国企業の利益増大を図る為だとは思いますが、なぜ、米国の対ソ連と対支那政策では、正反対の内容になってしまったのでしょうか。

防疫で経済力をつけた支那が、支那伝統の領土拡張主義に走るとは、米国は予想していなかったのでしょうか。
お考えを教えていただけたらうれしいです。

2. Posted by 白髪爺 2016年06月02日 13:13
ロシアの普遍主義を「低迷する株を底値で拾って持ち続ける長期投資型」とすれば、米国の実利主義(プラグマチズム)は「目先の株の値動きを見て短期売買を繰り返して利鞘を稼ぐ短期売買型」になるかと思います。要するに、米国とロシアは国家の体質が「水と油ほど違います」から、融合よりもまず対立することになるのだと思います。

中国(漢族)は金銭本位主義で信義誠実ゼロで損得勘定がすべての判断基準で行動しますから「カネになる」と思えば誰とでも手を組むことができます。したがって、実利主義の米国と金銭本位主義の中国は「波長が合う部分が多い」といえるかと思います。もう一つ、共産主義者又は同シンパと推定されるエドガー・スノーは「中国の赤い星」で、中国共産党と毛沢東を美化し礼賛しました。この傾向は米国の左翼知識人やマスメデイア一般の風潮だと思います。

それと、孫子の兵法の尊崇する中国は「敵を買収してエージェントをつくる工作」に秀でております。中国系企業から顧問料をもらっているキッシンジャー元国務長官やオバマ政権の外交指南役ライス大統領補佐官等、中共の走狗の如き動きに精を出しております。中国はオバマ大統領妻子・実母を招待し、長期の観光旅行で慰撫しましたが、これも「将を射んと欲すれば、まず馬を射よ」の手口だと思います。彼らは謀略戦と、諜報戦と、サイバー戦に膨大な予算を割り振り、数十万人の人材を投入しております。謀略戦・諜報戦・サイバー戦を国家安全保障の礎と考えております。

という訳で、習近平は「ロシアと米国は手懐けた。心配する必要はなくなった」と考え、横柄な態度を示すように思います。結果から判断すると、「若干、タイミングが早すぎた」と思いますが。油断していた米国と、警戒していたロシアをすっかり覚醒させてしまいましたから戦術の失敗といえるでしょう。
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