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米国、「究極の通常兵器」レールガンで中国軍を粉砕可能

勝又壽良の経済時評 2016-06-18 04:36:18
     
 エコノミック・ショート・ショート

いささか物騒なテーマで恐縮だ。安全保障を確実にするには、備えが重要である。その備えとして、米海軍が究極の通常兵器であるレールガン(電磁波利用)を開発した。火薬を必要としない爆弾である。中国やロシアが米軍の接近戦を防止すべくミサイル防衛をしているが、それを200キロメートル離れた地点から爆破できるというから凄い。

専門用語を使うと、次のような説明になる。レールガンが実戦配備されれば、中国やロシアのA2/AD(Anti-Access/Area Denial:接近阻止/領域拒否)の脅威、特に対艦弾道ミサイルや対地弾道ミサイルの脅威を大幅に削減することができると言われる。中露にとっては、驚きの武器が登場したのだ。

こうなると、中国が現在敷いている南シナ海や東シナ海を含む第一列島線。さらに、太平洋へ突きだした第二列島線を無意味にさせる、革命的な武器の登場なのだ。私は「武器オタク」ではない。ただ日常、中国公船が尖閣諸島領海を侵犯し、先ごろはついに中国戦艦までが同様の行動をした事実を見ると、中国の限りない領土への欲望に危機感を覚える。この危機回避には、中国に尖閣奪取意図を根本的に断念させるしかない。中国軍が、200キロメートル先から降ってくる「レールガン」危機を認識すれば、彼らも無謀な侵略を諦めるに違いない。

「レールガン」は、火薬に代わって大量の電力を必要とする。大型蓄電池が欠かせないという。この分野は、日本企業が得意としている。特に、これから実用化される「水素発電」は、大量の電力発電に大きな力を発揮するはずだ。日本の得意技が、日米の防衛協力で華が開く。こういう現実を前にして、中国は飽くなき領土拡張の無意味を悟るべきなのだ。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月31日付)は、「米海軍の新世代兵器、『レールガン』の驚異」と題して、次のように伝えた。サブタイトルは、「中国とロシアは世界の軍事バランス崩壊を警戒」となっている。

この記事は、実験に立ち会った記者が執筆したものだ。空想的な武器の話しではない。10年以内には実戦配備されるという。最大の特色は、低コストであること。米国の防衛費が、際限なく膨張するリスクを軽減してくれるのだ。理想的な兵器と言える。

(1)「米海軍の極秘施設にあるコンクリートの掩蔽壕(えんぺいごう)に警報が鳴り響いた。そこでは米軍のエンジニアたちが、ほぼ防御不能な武器の発射実験準備を整えていた。『レールガン(超電磁砲)』と呼ばれるこの武器には、火薬も爆発物も必要ない。電気伝導体のレールに挟まれた硬い発射体を驚異的なスピードまで加速させるのだ。レールガンの推進者によると、これはまだ戦場における隕石(いんせき)ほどの威力を持つ一つの兵器にすぎないが、いつかは軍事戦略に採用され、武器開発を進めるロシアと中国に対する米国の優位性を維持するという」。

米国は、1911~12年にかけての「オレンジ作戦」によって、将来の日米決戦を想定して海外の海軍基地を整備した。ハワイ・フィリピン・東京の三角点を結んだ海洋作戦を準備したのだ。この伝から言えば、米国が太平洋での最大の「仮想敵国」として、中国をターゲットにしていることは言うまでもない。米国は2010年頃から、対中国作戦を準備してきたと見る。今回の「レールガン」開発はその一環であろう。絶えず、中国の裏をかいてゆく。これが米国の基本戦略である。

米国は、南シナ海で中国の横暴を見ながらやり過ごしてきた。もはや、中国軍が後に引けない限界を超えたところで、どっと圧力をかけて逃げられないように包囲した。米国とベトナムやインドとの武器面での協力は、それを物語っている。中国に脅威の「実績」をつくらせ、周辺国の中国脅威論の高まるのを待って、米国との準同盟関係に持ち込む。実に計算し尽くした戦略と思う。中国は、まんまとこの策謀にはまり込んだと見るのだ。かつての日本も「満州進出」で、同じ憂き目にあった。ABCDラインで日本を経済封鎖して、やがて開戦に進まさせた。

(2)「従来の機関砲では、弾丸の推進力は火薬に火が付いた瞬間から衰え始める。レールガンの発射体は約10メートルの砲身の中を加速しながら進み、砲口を出る時のスピードは時速7240キロ、秒速1.6キロほどに達する。海軍は敵の艦船に穴をあけ、戦車を破壊し、テロリストのキャンプを壊滅させる潜在的な攻撃兵器としてレールガンを開発してきた。米国防総省の幹部が注目しているこの兵器システムは、恐らく10年以内に、現在のミサイル防衛システムよりも低コストで、大量に敵のミサイルを空中で撃破できるだろうと期待されている」。

「レールガン」は、発射時のスピードは時速7240キロ、秒速1.6キロほどに達するという。恐らく10年以内に、現在のミサイル防衛システムよりも低コストで、大量に敵のミサイルを空中で撃破できるだろうと期待されている。低コストは、防衛費を安上がりにさせてくれるだけに、大歓迎であろう。この大砲から発射された約11.3キログラムの自走ミサイルは7枚のスチール製プレートを突き抜け、最終目標に約13センチメートルの穴を残すことができるという。「コストパフォーマンス」が優れているのだ。

(3)「米軍が直面する総合的な課題は、海軍の艦船や陸上部隊の数が減少する中でも世界規模の軍事力を維持することだ。防衛費が拡大する一方で予算は固定されており、侵略を思いとどまらせるのに十分な軍事力を適切な場所に維持することが一段と困難になりつつある。レールガンの推進者の1人であるロバート・ワーク国防副長官は、『冷戦時代のような部隊を欧州に復元する未来は想像できない。だが、低コストだが絶大な抑止効果が期待できるレールガンなら想定できる。レールガンは軍用機やミサイル、戦車など、ほぼ全ての標的に対して威力を発揮するだろう』と述べた。レールガンの後部からは何重ものワイヤが出ているが、これには1万8750世帯の電力を賄うのに十分な25メガワットの電力が必要とされる」。

「レールガン」のコストパフォーマンスが優れている結果、米国の世界防衛体制は十分に維持できるという。レールガンは軍用機やミサイル、戦車など、ほぼ全ての標的に対して威力を発揮するという。死角はないというのだ。まさに「万能武器」であろう。ただ、発射には、1万8750世帯の電力を賄うのに十分な25メガワットの電力が必要とされる。ここでは、日本の水素発電がその電力を賄うエースとして登場するだろう。電力さえ供給できれば、発射し続けられるのではないのか。技術的なことは分からないが、そういう可能性はどうなのか。

(4)「レールガンにはスピードだけでなく、収容能力の点でも優位性がある。通常、米海軍の駆逐艦には最大96発のミサイルを搭載できる。ただ、レールガンを装備した艦船なら1000発のミサイルを運ぶことが潜在的に可能となる。このため長時間にわたって素早く発射を繰り返し、敵が発射したミサイルを撃ち落としたり敵軍を攻撃できたりするのだ。大国間の武力紛争が起こる可能性はまだ低いように見える。ただ、冷戦後初めて、米国防総省は中国およびロシアとの緊張の高まりがどのような反応を引き起こすかについて、再び注視し始めた」。

現在、米海軍の駆逐艦には最大96発のミサイルを搭載できる。ただ、レールガンを装備した艦船なら1000発のミサイルを運ぶことが潜在的に可能となる。10倍強の攻撃能力増強は、一隻の駆逐艦が10隻分の攻撃能力を保持できる計算だ。これは、大変な軍事費の節減効果を持つ。世界に布陣する米海軍はレールガンの開発で、単純に言えば関連軍事費を10分の1に切り下げたに等しい。

(5)「米軍の戦略担当者は、ロシアからバルト諸国を防衛し、南シナ海で中国から同盟国を守る必要に迫られれば、レールガンが有効になるだろうと述べている。ロシアと中国は、それぞれの地域から米国の影響力を排除できるミサイルシステムに資金をつぎ込んでいる。一方、関係者によると、レールガンをベースにしたミサイル防衛システムなら海軍や地上部隊を守ることができ、ロシアや中国の国境近くまで米軍を展開するのが容易になるという」。

レールガンをベースにしたミサイル防衛システムは、海軍や地上部隊を守ることができるという。この結果、ロシアや中国の国境近くまで米軍を展開させるのが容易になるという。こういう最悪事態は、絶対に起こってはならない。戦争を起こしてもならない。ただ、防がねばならないのだ。自衛の努力は欠かせない。
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