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人民元“大暴落”危機再燃 米ゴールドマン警告「債務は発表よりずっと悪い」

zakzak 2016.06.22
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 世界最強の投資銀行と呼ばれる米ゴールドマン・サックスが、中国経済をメッタ切りにした。中国が抱える債務の実態は、当局が公表する数字よりも大幅に悪化していると分析。返す刀で、人民元の急落や資本流出危機の再燃を予測する。輸出や輸入など実体経済の低迷も依然深刻で、世界経済の重大なリスク要因となっている。

 「中国の債務は考えられているよりずっと大きい」とするゴールドマンの分析がブルームバーグなど経済メディアで紹介された。

 中国の債務問題については欧米の金融機関がさまざまな分析を行っているが、銀行の正規の融資ではない影の銀行(シャドーバンキング)経由の融資など実態は不透明な部分が多い。

 中国当局は、影の銀行を含む資金供給の動向をとらえる指標として、「社会融資総量」という指標を公表しているが、ゴールドマンの複数のアナリストはその信頼性に疑問を呈している。

 銀行から企業への融資がノンバンクを介して行われるなどした結果、資金供給量が拡大。中国当局が発表した2015年の社会融資総量は前年比19兆人民元(約300兆円)増なのに対し、ゴールドマンは、中国の国内総生産(GDP)の36%に相当する24兆6000億元(約388兆円)が融資などの形で資金供給されていると分析、大きな開きがあるとした。

 ゴールドマンのアナリストは、中国の統計では捕捉できない巨大な影の融資が行われている可能性があると指摘、「中国の根本的な債務問題や持続性のリスクに関するわれわれの懸念を増大させている」と結論付けている。

 国際通貨基金(IMF)のナンバー2、リプトン筆頭副専務理事は11日、中国広東省深●(=土へんに川)市で講演し、中国企業が抱える過剰債務を早期に解消しなければ、経済成長がさらに減速し、金融危機を招く恐れがあると警鐘を鳴らした。

 中国企業の債務はGDPの約145%に上るとの推計も示したリプトン氏は、「企業の巨額債務は深刻な問題だ」と述べ、直ちに問題解決に取り組むよう中国政府に求めた。中国企業の債務の約55%は政府系が抱えていると説明。「政府系企業は収益性が低い」とし、統廃合を急ぐべきだとの認識を示した。

 実体経済も厳しい。輸出と輸入を合わせた貿易総額は今年1~5月累計のドルベースで前年同期比8・6%減少となるなか、各国と貿易摩擦を引き起こしている鋼材の輸出は、数量ベースで6・4%増えたのに、金額ベースでは22・4%と大幅減を記録、ダンピング(不当廉売)を疑わせる数字となっている。

 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「5月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)では、のどまで出かかった“中国経済危機論”を封印しつつ、迫り来る中国リスクを織り込んだ」とみる。

 一方、ゴールドマンの別のストラテジストは、リポートで人民元について「完全にネガティブな見方に転じている」と言い切った。「昨年8月や年明けに見られたのと同様の資本流出を再燃させるリスクがある」と懸念を示している。

 中国人民銀行(中央銀行)によると、5月末の外貨準備高は3兆1917億ドル(約330兆円)と、前月末と比べ279億ドル減少し、11年12月以来、4年5カ月ぶりの低水準となった。

 米国の利上げ観測を背景に中国からの資本流出が加速する恐れもある。これを防ぐため、外貨準備を取り崩して元買い介入をした可能性が高い。中国が約束している人民元改革が何ら進んでいないことがよくわかる。

 それでも人民元安は止まらない。人民元は対ドルで14年年初の1ドル=6・0元近辺だったが、今月15日には一時1ドル=6・6047元と、5年ぶりの安値を記録した。

 前出の勝又氏は警告する。

 「中国経済は落ち着きを取り戻し、危機は生じないとみるエコノミストもいるようだが、1ドル=6・6元を超えた元安が定着する状況になれば、一気に楽観論は吹き飛ぶだろう」
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