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新ローマ帝国EUの崩壊とブリタニアの独立  世界は中世世界に入ってきた!!

おゆみ野四季の道  新 (28.6.26)

 歴史の瞬間にたちあえることはめったにあることではない。日本の歴史においても明治維新や太平洋戦争の敗北は歴史の瞬間だったが、今回のイギリスのEUからの離脱は世界史の歴史的瞬間といっていい。
EUとはフランスとドイツが共同で作った新ローマ帝国だったが、旧ローマ帝国が蛮族の侵入で476年に瓦解した後、およそ1500年の時をへだててEUという新ローマ帝国が瓦解した。
原因は東欧諸国からの移民(蛮族)が増えすぎて、新ローマ帝国の市民であったイギリス人(ブリタニア人)が「EUに所属することは自分たちの利益に反する」とキャメロン首相を陶片追放したからだ。

 今から約3年前にキャメロン首相は国内にしばしば現れるEUからの脱退論を抑える目的で、16年6月に国民投票をすることを決めたのだが、当初は楽観的だった。
「うるさい脱退派を抑えるには国民投票が一番だ。これで有無を言わせず抑え込んで見せる」
当初はEU残留派が圧倒的多数だったのでキャメロン首相が楽観的だったのは理解できるが、その後の経緯は残留派にとって思わぬ誤算続きだった。

 一番の誤算はイギリスを含むEUの経済成長が止まってしまい、せいぜい1%程度の成長しかできなくなったことだ。
成長ができないと富の分配が不可能になり、金持ちだけが肥え太るという富の偏在現象が現れる。
「金持ちはたったの1%で、後は皆貧乏人だけか。これが栄光ある新ローマ帝国EUの現実か!!」若者や職を追われた労働者が激怒した。

 国境をなくし資本と労働の自由な移動を保証したのがEUだが、特に労働の自由な移動で恩恵を受けたのはポーランドやルーマニアといったの貧しい国の労働者で、イギリスやドイツやフランスの富裕な労働者を駆逐して新中産階級にのし上がってきた。
住宅地からは貧しいイギリスの労働者が追い出され、代わりに東欧系の人々が住むようになる。
もし順調な経済成長があれば、誰もがウィン・ウィンの関係にあるが、成長が止まればそうはいかない。
企業は利益確保のために高給取りのイギリス人を馘首し、東欧の安い労働者に切り替える。
こうして企業は利益を確保できるが収まらないのはイギリスの労働者だ。
「EUに入るとは、職場を首になり、住宅を追い出されることか!!!」

 今回の国民投票で離脱票を投じたのはこうした怒れる労働者たちだ。
今やEUはいくら金融を緩和しても全く成長ができない社会になっている。それは当然で人間も二十歳前後に身長が止まるように、経済にも限界がある。限界に達した経済を無理やり成長させるには金融を緩和して無駄な出費をさせる以外に方法はない。
「ほれ金はいくらでもあるぞ、使ってくれたらイングランド銀行が金利を支払ってやる。なんでもいいから無駄使いをしてくれ!!」

 だがそうした無駄使いにも限度がある。
「中央銀行がいくら金を使えといったってどこに使えばいいんだ。人口は増えそうもないから不動産価格はあがらないし、鉱物資源は中国が購入を止めたのでさがったままだ。株式だってあがりそうもない。投資をすればするほど損失がでるのだから金など使い道がないよ」

 EUはともに成長するのが前提だったが実際は酷い停滞局面に陥り、富の分配機能が働かなくなくなってしまった。ならEUに留まる理由はない。
「裕福になると言うから統合に賛成したのに実際は貧乏になるだけじゃないか。これならEUから離脱したほうがいい」

 今回離脱派が52%程度、残留派が48%程度だったが、僅差で敗北した責任はキャメロン首相にある。 
キャメロン氏の父親がバミューダ諸島に会社を設立して税金逃れをしていたが、キャメロン氏もその恩恵を十分に得ていたからだ。
これで国民投票の帰趨はきまってしまった。

注)キャメロン氏の所得隠しの経緯等は以下参照 
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/ppppp-1.html

「俺たちは貧乏なままだが薄汚いキャメロンはバミューダ諸島でぼろもうけか。こんな奴に言うことなど金輪際聞きたくない」イギリス版舛添現象である。
これで2%程度の票は離脱派に流れたから都合4%程度の影響で、今回の投票結果はキャメロン氏の失策が招いたものだ。

 だが大きくいって時代は急速に統合ではなく分離に、グローバリズムではなくローカリズムに世界は突入している。イギリスのEUからの離脱はその先駆けにすぎない。
世界中で他国民のことではなく自国民優先主義が蔓延し、外国人を追い出す運動が燃え盛っている。
フランスもドイツもその他のEU諸国も右翼勢力が台頭し、移民排斥とシリア難民の排除を大声で騒いでいる。
経済が停滞し富が増加しなくなれば分配問題が第一の関心事になり、外国人は標的になる。

 何度も同じことを言って恐縮だが世界が他人に寛容だったのは富が増加していたからで、現在のように長期停滞に陥れば誰もが寛容でなくなる。
EUそしてもアメリカも他国のことなど構わなくなり自国中心に物事を決定して行くから世界の枠組みは一つ一つ崩れていきローマ帝国崩壊後の中世世界に21世紀は入ってきた。
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