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イギリスがパンドラの箱を開け、イタリアの銀行が火をふき始めた

おゆみ野四季の道  新 2016年7月10日 (日)

 もはやどうにもならなくなりつつある。イギリスが国民投票でEUから離脱を決定した後、世界の株式市場は大揺れで低下の一途だし、何より長期金利が急速に低下して、日本では長期貸出の指標になる10年物国債の利回りが▲0.300%になってしまった。
このため金融機関は貸出金利で利ザヤをとるどころか反対にプレミアムをつけて貸し出しをしなければならなくなり、銀行経営の根幹を揺らしている。
「どこの世界に金を貸した方が金利を支払うなんて馬鹿な世界があるの・・・・・・」

 逆ザヤということは金融業がそもそも成り立たないということなのだが、FRBや日銀やECBや人民銀行があまりに多くの金を市場にばらまいたので、金の価値がなくなってしまった。
「どうでもいいからもってけ。金を使用する人に はプレミアムのおまけだ。さーさーもってけ、ドロボー」寅さんのセリフになってきた。

 この状況下で、最も痛手を被っているのがイタリアの銀行で、イタリアの銀行は取引の主体が融資でしかも貸出基準が大アマなので不良債権の山を築いてきた。
ECB等の調査で不良債権比率は約17%だから、日本の金融機関のそれが1%前後なのに比べると天文学的数字だ。
これでよく営業を継続できると感心するがイタリア政府やECBがギリシャ問題だけでも大変なのに、この上イタリアの銀行が火をふいては大変なので懸命に資金を供給して支えてきたからだ。

「だいじょうぶだ。そのうち不動産市況も株式市況も改善して業況が改善する。それまでの辛抱だ。臥薪嘗胆こそ金融の極意よ!!」
しかしその辛抱をふっ飛ばすような事件がイギリスのEUからの離脱で、世界の投資家がパニックになり資金をアメリカや日本の国債にシフトするものだから、貸出金利はどこまで低下するか分からなくなっている。
「本当は不良債権に見合う17%程度の金利を設定しなければいけないのに、もはや利ザヤを期待する時代が終わってしまった。どこにも投資機会がなく資金はマイナス金利の国債購入しかない・・・・・・」

 イタリア政府は特に経営が厳しく株価が急落している大手のモンテ・パスキに政府資金の投入を検討し始めた。
今までのようなECBからの国債担保の融資では間に合わなくなって、直接政府資金(したがって税金)を投入しなければならなくなりつつある。
ECBからの融資であれば正常取引を装うことができるが、政府資金が入るとそうはいかない。
経営者の責任がまず問われるし、イタリア銀行の融資はマフィアに対する融資が多いからそれが暴かれて政治問題になるし、不良債権もさらに厳しい見直しがされるだろうからイタリアがギリシャになる日は目前になってきた。

 普通の人は知らないが金融機関の融資などには魑魅魍魎の世界があって、通常は何とかそれを正常にみせているのだが、政府資金が導入されることになれば徹底的な調査がおこなわれて、今まで隠してきた諸悪がいっぺんに出てくる。
簡単に言えばパンドラの箱を開けたようなもので、次はスペイン、ポルトガルといった西欧南部諸国の金融機関の経営問題に発展するだろう。
「もういやだ、わが国だけで不良債権を支えるなんてまっぴらだ。ギリシャもイタリアもスペインもポルトガルもEUから出ていけ」そうドイツが叫ぶ時が目前に迫ってきた。
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