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安倍晋三首相が安定政権で育てる2人の後継候補

産経  【阿比留瑠比の極言御免】  2016.8.4 01:00更新

 「私たち連立与党は参院において、戦後最も安定した政治基盤を獲得できた」

 安倍晋三首相は3日夜、内閣改造・自民党役員人事を受けての記者会見で、7月の参院選がもたらした政治的資産についてこう総括した。今後、その稀有(けう)な資産をどう生かし、何をするかが問われることになる。

 2日午前9時10分ごろ、首相官邸。安倍首相は政府与党政策懇談会を終えて立ち去ろうとした稲田朋美政調会長を呼び止め、防衛相への起用を告げた。一瞬で表情を引き締めた稲田氏に対し、首相はこう心構えを説いた。

 「あなたは法律家(弁護士)でもある。国会の安全保障論議も法律論が多い。答弁については、(臨時国会までの)約1カ月間でしっかり準備してくれたらいい。ただ、それよりも大切なのは、防衛相は自衛隊という実力組織の長であることだ。彼らはあなたの命令で命を懸けるのだから」

 これに対し稲田氏は「すごく、緊張してきました」と率直に答えたという。

 安倍首相は平成24年12月の再登板時に稲田氏を行政改革担当相として初入閣させ、26年9月の人事では衆院当選3回の稲田氏を、「女性議員の星にしたい」と党三役の一角である政調会長に抜擢(ばってき)している。

 重用の目的は、安倍首相が稲田氏を将来の首相候補として育てようとしていることにある。安全保障分野では稲田氏は門外漢だが、首相を務めるためには外交・安全保障に関する見識が必要不可欠と考える首相が、あえて試練を与えたということだろう。

 安倍首相は2日夜には、今回の人事の狙いに関して周囲にこう話していた。

 「まず安定感だ。主要閣僚はそのまま留任にして、かつ女性が活躍する新たなポストを用意した。丸川珠代氏の五輪相起用も、次世代を担う女性政治家としてのことだ。さらに、加藤勝信1億総活躍担当相も将来を考えて残した」

 麻生太郎財務相、菅義偉官房長官ら内閣の主要な骨格は保って安定した政権運営を図りつつ、「ポスト安倍」の育成も狙うというわけだ。安倍首相は、新設の働き方改革担当相を兼務させる加藤氏についてもかねて高く評価しており、稲田氏同様、将来の首相候補の一人と見なしている。

 党役員人事でも、外交・安全保障や歴史認識問題などでは必ずしも意見が一致しないものの、「戦略的互恵関係」(安倍首相)にのっとって役割分担で協力し合える重鎮の二階俊博氏を幹事長に据えるなど、安定感を重視している。

 「自民党で最も政治的技術を持った人だろう」

 安倍首相は3日の記者会見でこう二階氏起用の理由を説明した。「政治的技術」とは、首相が参院選翌日の7月11日に、憲法改正の進め方に関して用いた言葉である。改憲に前向きとはいえない連立相手の公明党をはじめ、自民党内の消極派、野党や無所属の改憲派議員をどう説得し、協力させるのか。二階氏の調整力への期待をのぞかせた場面だった。(阿比留瑠比)
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