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【断末魔の中韓経済】日本経済に「中国は不要」と断言できればわが国は完全復活する

zakzak 2016.09.06 三橋貴明

 現在の世界は、貿易の増加率がGDP(国内総生産)成長率を下回る「スロー・トレード」という問題を抱えている。すなわち、各国の経済が成長したとしても、輸出入が増えないのだ。

 スロー・トレードのきっかけは、もちろん中国経済の失速である。過剰投資と過剰債務に悩む中国は、国内の実体経済が縮小し、海外からの輸入を減らし始めた。

 別図の通り、中国の輸入はリーマン・ショックの影響があった2009年を除き、14年まで一貫して増加を続けた。ところが、15年の中国の輸入は、対前年比で15%も減ってしまった。

 16年に入って以降も中国の輸入減少は続いており、直近のデータである16年7月は、対前年同月比で12・5%の減少。15年はすでに対前年比で輸入が落ち込んでいたが、さらに減少しているという話だ。

 中国の輸入縮小は、中国経済への依存度が高かった国々の経済を痛めつけている。

 例えば、ブラジルにとって、中国は最大の輸出相手国だった。中国の輸入は7割強が「資源」である。ブラジルは中国に資源を売り込み、経済成長を続けていた。中国経済が失速し、過剰設備問題が顕在化し、輸入に急ブレーキがかかった15年、ブラジル経済はマイナスに沈んだ。

 ブラジルの15年の経済成長率は、マイナス3・85%。リオデジャネイロ五輪を翌年に控えた国が、4%近いマイナス成長になるなど、前代未聞だ。しかも、ブラジルは16年も3%を超すマイナス成長になると予想されている(国際通貨基金=IMF=推計)。

 中国経済の問題が、過剰投資や過剰設備である以上、解決には相当長く時間がかかる。何しろ、過剰設備を解消するためにはリストラを推進する必要がある。リストラを進めると、失業者が増え、国内の消費が伸び悩み、設備の過剰が終わらないという悪循環に陥ってしまう。

 中国の過剰設備問題が解決しない限り、スロー・トレード時代は継続すると理解すべきだ。そんななか、わが国は、どうすべきなのか。

 日本国は、国内の需要を中心に経済成長が可能な経済規模と潜在力(供給能力)を保有している。もともと、日本国は米国と並ぶ内需大国なのだ。

 中国ビジネスから断固、撤退すべき-などと主張するつもりはない。とはいえ、現実問題として中国の需要が急回復する局面はしばらく訪れない。少なくとも、日本政府は中国などの外需ではなく、「内需」を拡大させる政策を推し進めるべきだ。

 日本経済にとって、中国は不要である。と、日本の政治家、国民、経営者が断言できるようになって初めて、わが国の経済の「完全復活の日」が訪れるのだ。 =おわり

 ■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は「経世論研究所」所長。著書に『2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本』(徳間書店)、『第4次産業革命 日本が世界をリードする』(同)など多数。
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