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9.2 ウラジオストクにおける日露首脳会談は東アジアの戦後体制を掘り崩す起爆剤となるか?

白髪頭でズバリと斬る -じじ放談-  2016年09月07日

はじめに

ロシアのプーチン大統領が主宰する「東方経済フォーラム」に招請され日露首脳会談を行うことにつき、米国は「参加すべきでない」と執拗な妨害工作を行った。この情報はテレビや新聞でも繰り返し報道されたから知らない者はいない。つまり、日露首脳会談はオバマ政権から「米国の国益に反する行為」と認識されていた。これが米国の国益を損なうということを意味するのか?それとも「中共の国益」を代弁したライス大統領補佐官が中共の要請を受け、又は意向を忖度してオバマ政権の外交を紊乱したのではないか?との疑念の声もある。

5月の連休中、安倍総理はソチで日露首脳会談を行ったが、以来4か月、日露両国は今回の「東方経済フォーラム」に向け緻密な検討と準備作業を行ってきた。今回の日露首脳会談は日露経済協力を深化させ、実行速度を加速させることで合意した。今回の合意は相互補完関係にある日露両国の経済協力を深化させ、北方四島の帰属問題に決着をつけることを展望する。ロシアの狙いは「中国一辺倒からの脱却」であり、我が国の狙いは成熟産業の需要を開発途上国(ミャンマー・カンボジア・アフリカ・中南米・ロシア等)に求めたとなる。

今回の「東方経済フォーラム」に招待された主な首脳は「日本と韓国」で、いずれも日本海に面している。ロシアはウラジオストークを環日本海通商の拠点に発展させたいと考えているほか、これを契機にして、日米同盟・米韓同盟に楔を打ち込む戦略を立て日韓両国首脳を招請した側面もあろう。狙いは一つではない。

第1:東アジアにおける米国の「分断支配」

ヨーロッパにおいて、米国(英国)の「仮想敵国」はソ連(ロシア)であったから、「敵と味方」の色分けに戸惑うことはなかった。米国はヨコの軍事同盟(NATO)を締結し、ソ連が率いる軍事同盟ワルシャワ条約機構軍と対峙した。

東アジアにおいて、米国は、国共内戦の途中から国民党支援から「中国の赤い星(中共)支援」に転換、中国共産主義革命を成功させた。東アジアにおいては米国の「仮想敵国」は中華人民共和国ではなかったし、国連常任理事国を国民党政権(台湾)から剥奪して中華人民共和国に贈与したこともある。米国が陰に陽に中共を保護してきたことは歴史的諸事実が立証している。つまり、ソ連邦が崩壊した1991年をもって、日米軍事同盟、米韓軍事同盟は「仮想敵国」を失ったのだ。そこで、米国は日米軍事同盟、米韓軍事同盟を維持して「日本と韓国」を管理する必要上、新生ロシアを「仮想敵国」に仕立て上げた。この幻想が崩れないよう「ロシアには接近するな」と圧力をかけ続けた。

また、米国の思惑と許容範囲を超えて日・中・韓が接近することは「米国の国益に反する行為」と認識されているから、米国は日中韓3国が接近し、団結し過ぎないよう「対立の種を蒔く」こともある。江沢民・胡錦濤・習近平が強行した「反日宣伝と反日洗脳教育」は中国共産党の反人民的性向を隠蔽する明確な意思で継続されてきた一面と、田中角栄と周恩来が米国の頭越しで推進した「日中共同宣言」に危機感を抱いた米国(キッシンジャー大統領補佐官)が、日中離間策を仕掛けたことがなかったとはいえない。米国が「日中韓を分断し、支配することは米国の国益に適う」と考えたとしても不思議ではない。さらに、米国の経済覇権に挑戦する日本国を制裁する手段の一つとして、中韓両国指導者に歴史問題を捏造させ煽動したとしても何の不思議もない。歴史問題も謀略・煽動・情報戦の一素材に過ぎないのであって、事実か否かは問題ではない。ウソも100回唱えると真実になる(ナチス党宣伝局長ゲッペルス)という世界なのだ。

「分断支配」の要諦は「団結させず、対立(紛争)を激化させない」という微温状態に止めおくことであるが、事態が米国の想定を超えて「良くない方向に傾く」こともあり得る。この場合、米国は強権的に介入し調整せざるを得ない。米国は日中韓の対立状態を温存し活用して各国を「アメとムチ」で飼いならす。米国にとって最もウマミのある「分断支配」を死守したいと考える。米国のエスタブリッシュメント(超党派)が、外交オンチのトランプ候補を非難し攻撃するのも無理はない。戦後、営々と築き上げた特権を失うのではないかと恐れているのだ。

第2:韓国は周辺大国に服属し延命を図る

東アジアにおける米国の主要同盟国(日韓)の首脳がプーチン大統領が主宰する東方経済フォーラムに招請され出席したから、米国(オバマ政権、エスタブリッシュメント)は腸が煮えくり返るほど激怒していることであろう。飼い犬(二匹)に足を噛まれたと感じているはずだ。安倍総理と朴槿恵大統領のいずれかが(米国から見て)不祥事を起こした場合は格差をつけて処遇すればよいが、日韓両国が一致してロシアに接近するのは想定の範囲外であったろう。主要同盟国を冷遇してロシア側に追い込むのも得策ではないし、米国の東アジア戦略が根本から揺らぐ。

朴槿恵大統領はオバマ大統領の意向に反して、中共が主宰するAIIBへの参加を決断、中共主宰の「反ファシズム・抗日戦勝利70周年記念の大軍事パレード」にも列席した。「米国からの離反」と「中共への擦り寄り」を鮮明に打ち出した。韓国が中国経済への依存度を高めてきたという現実と、中共が北朝鮮の核実験を阻止してくれるのではないかという甘い期待で視野が狭窄になった。北朝鮮は中共の意向を無視して核実験を強行したが、中共は国連安保理でも北朝鮮を擁護する立場を捨てることができなかった。朴槿恵大統領は半狂乱状態に陥り、即座に在韓米軍のTHAAD配備を了承した。

米韓両軍は「北朝鮮に先制攻撃を加え、核ミサイル関連施設等を破壊する合同軍事演習を行っている」といわれているが、オバマ大統領にはこの軍事作戦を実行する意思がない。単なる役割演技と底が割れているから北朝鮮も脅えていない。さらに米国の次期大統領候補各位も国益第1(孤立主義)を公約しているから、米国が朝鮮半島で先制攻撃を行う可能性も全くない。

という訳で、北朝鮮は核弾頭の小型化とミサイル技術の性能向上を進め着実に核保有国への階段を駆け上る。韓国は「核武装」と「原潜建造」で対抗したいと考えているが、米国が韓国の核武装を認めないから、朴槿恵大統領が「国家存亡の危機」と焦燥感を募らせ切歯扼腕しているのも無理はない。米国がダメなら中共、中共がダメならロシアと事大先を変えても不思議ではない。これが、周辺大国に隷属し延命を図ってきた韓族二千年の歴史なのだ。事大主義を国是とする韓国の哀しい宿命(さだめ)といってよい。

中国経済の低迷→崩壊は中国経済への依存度が高い韓国経済に深刻な打撃を与え始めた。世界有数の海運企業が破産。財閥系企業でも倒産の嵐が吹き荒れる兆しがある。もともと国民が過剰消費型(借金漬け)で、これ以上内需に期待できない開発途上国型韓国経済にとって命の綱は外需であり、世界経済の縮小(デフレ)が即、韓国経済を直撃する。反面、韓国には独力で難局を切り開く基礎体力がないから、米国・中国・日本・ロシア等周辺大国の軒下を借りて商売する以外にない。日露経済協力が具体的に動き始めたのを察知した韓国は「私も同じ船に乗りたいわ」と申し出た。いつもの手口だ。

義理人情や信義誠実のカケラもなく、名誉・報恩・羞恥の観念が欠落している韓族は、時々の「最大利益」を求め世界中を徘徊する。安保は米国に、経済は中国に依存する二股外交(ツートラック)に注力する。事大先を米中2か国から、米中日露4か国に増やして難局を切り抜けたいと考えている。彼らは「周辺大国の周囲を韓国が回っているのではなく、周辺大国が韓国の周囲を回っている」と妄想し自らを慰める。

韓族の無原則的事大主義が歴史を回転させる原動力となることもある。米国の反対を押し切って「AIIBに加盟」し、天安門楼上で中露を初め反米国家らの首脳と「反ファシズム戦争勝利70周年記念の大軍事パレード」を祝った。そして、今回、朴槿恵大統領はプーチン大統領から「東方経済フォーラムの主賓」として招待され参列した。米国が嫌がる「安倍・プーチン会談」の緩衝材役を演じてくれた。

第3:日露経済協力の推進と日露平和条約の締結が狙うもの

ロシア経済は、原油や天然ガスの暴落による国家財政の破綻、通貨ルーブルの暴落による輸入物価の急騰(インフレ)等の未曾有の危機状態にある。外貨を取り崩し又は国有財産を切り売りしている。地下資源に依存する国家(ロシア・サウジアラビア・ウズベキスタン・アフリカ・ベネズエラ・ブラジル・南アフリカ等)は国家破産の危機にある。安定した国家財政を構築するには、地下資源依存型経済から脱皮し、外資系企業を誘致し、雇用を拡大する殖産興業政策に切り替えるべきと考えている。資金を蓄え、技術を磨いてきた我が国企業に対する誘致合戦が始まった。

戦後、日本経済を牽引してきた電気・自動車・電力・原子力・鉄鋼・化学・土木・建築・商社等いわゆる成熟産業は少子高齢化が進む国内の需要では「ジリ貧」を免れることはできない。成熟産業から人工知能を活用した新たな産業構造に転換するか、又は開発途上国のインフラ整備事業に投融資して、蓄積してきた技術と眠っている資金を有効活用して稼ぐか、息の長い取り組みが求められている。

安倍総理が経団連傘下の企業経営者を伴いミャンマー、インド、ベトナム、中近東、アフリカ、中南米、中央アジアそしてロシアに出かけ経済外交を行っているのは、成熟産業を「守り」から「攻め」に転換させたいと考えているのだろう。我が国経済は円高・デフレの20年で、「輸出依存型」から、「出稼ぎ・仕送り型」に転換した。長期にわたる貿易赤字を海外からの仕送りで弁済してきた。企業は治安や法的整備が不十分な開発途上国に進出するのを躊躇するから、政府が先導して投資を促す。

ロシアにとって、日露経済協力が進展すれば、米国、EU(独仏)、中共に対する交渉力は飛躍的に向上する。専守防衛から反撃防衛に転換できる。中共から「格下の同盟国」と馬鹿にされている現状を覆し対等な中露関係を構築できる。

我が国にとって、日露経済協力が進展すれば(1)北方四島の帰属への道筋を描くことができる、(2)日米同盟の双務化を図り、防衛装備品の国産化を加速することができる、(3)安全保障面での日露対話と日露海軍の合同軍事演習を定例化することで、東シナ海・南シナ海の制海権掌握と中央アジアの属国化を狙う中共の膨張路線(一帯一路)を牽制することができる。中共が東シナ海と南シナ海で行っている制海権掌握の策動と北方・西方国境地帯(ロシア・中央アジア)の平穏維持は密接にからんでいる。中共はロシア(中央アジア)との関係が微妙になると、現代版「万里の長城」の建設に忙殺され海洋進出を狙う余裕が乏しくなる。

第4:米大統領選と長期化する米政権のレームダック状態

ヒト・モノ・カネが瞬時に世界を駆け回る忙しい現代、1年以上もかけて大統領予備選・本選を競わせ、最後まで勝ち残った者が大統領に就任するというシステムは、民主主義の極致なのか?それとも民主主義を骨抜きにするために考案されたものなのか?が問われなければならない。今回の大統領予備選で勝ち残った民主党ヒラリー候補と共和党トランプ候補の不支持率はいずれも50%を超えた。米国民は「大統領不適格者とみなすヒラリーとトランプのいずれか」を大統領に選出せざるを得ない。民意が反映されない米大統領選は民主主義といえるのか?

トランプは大衆迎合主義の煽動で勝ち残り、ヒラリーは国務長官時代の国家機密情報の漏洩疑惑問題やエスタブリッシュメントに対する忌避感情の高まりによってサンダース候補に苦戦。ウォール街の金融資本から集めた数千億円の政治献金を活用し、マスメディアを総動員しているが人気は低迷したままだ。米国民は多くが、ヒラリー陣営とトランプ陣営の暴露合戦に「もう少し、米国の明るい未来を語る政策論争をしてよ」と感じているはずだ。

良質な候補が振るい落とされ、もっとも質(たち)の悪い候補が勝ち残るシステムには重大な欠陥がある。ウォール街の金融資本が「民主主義らしく見える手法」を編み出して大統領を選出するシステムを考案したのではなかろうか。知恵のある大統領よりも操り易い阿呆の大統領が選出されるようにだ。英明な指導者、例えば、リンカーンやケネディのように金融資本に歯向かうような大統領は国民多数からは歓迎されるであろうが、金融資本の利権を脅かすこともある。

米大統領の任期満了1年前から、マスメディアは大統領予備選・本選を取り上げ喧伝する。情報操作によって、米国民の関心は現在進行中の政治ではなく大統領選に向かう。大統領のレームダック状態は任期満了の1年以上も前から始まる。オバマ大統領は「核廃絶」の呪文を唱え、レガシーづくりに励む。オバマ大統領の8年は「リーマン・ショックからの経済立て直し」以外にめぼしい成果がない。外交は迷走し、全戦線で退却一路の道程であった。米国の権威は失墜、同盟国は離反傾向を強め、米国の勢力圏は縮小した。

列強は米大統領の長過ぎるレームダック状態(有効な対策がとれない)を奇貨とし、米国に対抗して利権や勢力圏拡大を企てる。昆虫が古い甲殻を脱ぎ捨てる(脱皮)時間は外敵に狙われ易い危険な状態であるが、国家でも政権交代時のレームダック状態はなるべく短期間で終え、すみやかに新政権を樹立すべきなのだ。1年以上もかけて大統領選を行うなんてマンガというほかはない。

第5:日露平和条約の締結は戦後体制を変える

戦後、我が国は連合国軍司令部(GHQ)の軍政下に置かれ主権を剥奪されたが、朝鮮戦争(1950-1953)の最中に、米英仏等当時の西側陣営49か国との間でサンフランシスコ講和条約を締結して独立を回復した。ソ連邦とは日ソ共同宣言(1956)によって、一応国交回復したものの、北方四島の帰属を巡って合意に達しなかった。同宣言9項で「引き続き、平和条約交渉を行う」と明記されたが、諸般の事情により一歩も前進せず60年が過ぎた。

米ソ冷戦下、我が日本列島は東西対立の最前線であったから、自衛隊は在日米軍(太平洋軍)の補完部隊として育成され活用された。自衛隊は北海道に重点配備され、ソ連原子力潜水艦の動向を探知する偵察機を米国から大量購入した。結果、我が海自は世界有数の対潜水艦作戦部隊に成長した。冷戦時代、米国が日露接近を喜ばず、妨害したのも(米国から見ると)合理的な理由があったといえるが、冷戦終了後も、米国が日露接近を喜ばず妨害するのはなぜか?が問われなければならない。

戦後、我が日本列島の安全保障は世界最大・最強の軍事力を有する米4軍(陸・海・空・海兵隊)に全面的に委任することを基本とした。日本国憲法第9条は「日本国の安全保障を米第7艦隊を初めとする在日米軍に委ね、日本国を米国の軍事統制下に置くこと」が前提となっていた。サンフランシスコ講和条約の施行日と同日付けで旧日米安保条約が締結されたのも、連合国軍(GHQ)による軍事占領体制を日本国の独立以降も温存するためであった。

以来65年。現在でも、首都圏に厚木(海軍)・横田(空軍)・座間キャンプ(陸軍)・横須賀(海軍)の米軍基地がある。米国務長官や米太平洋軍(艦隊)司令官はいつでも米空軍横田基地から入国できる。(我が国から見て)超法規的存在たる米太平洋軍(艦隊)は70年前と同じ感覚で、日本国の安全保障を担っていると考えている。彼らの70年前の意識は現在でも変わっていない。戦後、我が国の独立承認と抱合せで成立した「日米安保体制」は開閉扉のない密室空間であったから、いかに理不尽と思えるジャパン・バッシング(虐待)にも我慢せざるを得なかった。「日米同盟以外の選択肢を考えてはならない」とされた。

米国が「日本国を隷属させ、密室に囲い込んで独占するという特権」を自らの意思で手放すことはあり得ない。日露平和条約の締結が日米同盟の枠組みを壊すことはあり得ないが、日米同盟の密室空間に扉を設け、行動の選択肢を拡大する効果は期待できる。米国の孤立主義(不関与主義)がさらに深化すれば、自由に外部世界を闊歩できる日が早まるかもしれぬ。それまでは、大喧嘩を避けて穏便に事を運び「なし崩す」以外にない。黒人奴隷は白人の恩寵によって解放されたのではない。仮に、黒人奴隷が白人の恩寵を待っていただけであれば永遠に解放されなかった。黒人が自らの意思で奴隷解放運動を担い、多くの尊い血を流すことで勝ち得たのだ。「求めよ、さらば与えられん」だ。

まとめ

4・5年前、胡錦濤とプーチンが「米国の一極支配は許さない」と鶏冠(とさか)を立てて走り回っていたが、2016年夏、「米国の一極支配」という言葉を使う者はいない、死語になった。

第2期オバマ政権は「シリア国民を毒ガス兵器で虐殺したアサド政権を処罰するとの国際公約を履行できず放置した件」によって米国の権威を大きく失墜させた。世界は、米国の経済力・軍事力が世界の警察官(覇権国家)としての役割を背負うことができないほど弱体化している「現実」を知った。

習近平やプーチンが米オバマ大統領を見下すかの如き「露骨な嫌がらせ」を示して見せるのも、米国の権威をさらに傷つけようと企てているからにほかならない。レームダック状態のオバマ大統領を怒らせても、奴は何もできないだろうと。お願いする側は米国、嘆願を受け付け善処してやる側は中露両大国と考えている。

米国の同盟国は「国益第1」を優先するようになった。

1.欧州においては、独仏が米国の頭越しにロシアと談合してウクライナの停戦合意を決めた。中国が主宰して立ち上げたアジアインフラ投資銀行(AIIB)には、米国の意向を無視して、英国初め欧州連合主要国が雪崩をうって参加した。

2.中東においては、オバマ政権の「アサド政権に対する中途半端な対応」と「核保有国を目指しているイランへの融和策」がイスラエル・サウジ・トルコなど同盟国を窮地に追い込んだ。オバマ政権の二股外交に翻弄された同盟国はロシアや中共に接近し「米国一辺倒」からの脱却に踏み出した。

3.東アジアにおいては、韓国朴槿恵政権が米国の要請よりも中共の要求を優越させて「AIIB」に加盟、「反ファシズム等70周年大軍事パレード」にも参列。我が安倍内閣は米国の執拗な反対を押し切って日露首脳会談を繰り返す。

米国と同盟国間に意思の不疎通が生まれた背景は米国(英国)の国益と同盟国の国益が一致しなくなったということだろう。ロシア(ウクライナ)、イラン(シリア)及び中国の脅威は米国にとっては「観念」に過ぎないが、同盟国にとっては「切実な死活問題」なのだ。米国には二股外交(ダブルスタンダード)を取捨選択する余地があるが、同盟国は逃げ場のない「背水の陣」で対応せざるを得ない。

安倍総理が日米同盟基軸を堅持しつつ、豪州・インド・ベトナム・フィリピン・タイとの軍事交流を深め、中共と韓国、中共とロシアの蜜月関係に楔を打ち込み離間させる外交を仕掛けているのも、中共の推進する膨張主義を最大の脅威と考えているからだ。油断すると中共は戦争を仕掛けてくるかもしれぬと。

我が国はようやく防衛ラインの重心を北海道から南西諸島に移動させた。ソ連が最大の脅威であった冷戦型から、中国が最大の脅威となった21世紀型に相応した防衛ラインを構築することになった。ひとたび、日中間で緊急事態(戦争)が発生すれば、陸自の対艦・対空ミサイル、海自のイージス艦(護衛艦)と哨戒機、空自の戦闘機、そして潜水艦部隊が連携して日本列島の全海峡を幾重にも封鎖できるよう態勢を整える。日米潜水艦部隊は連携してフィリピン・バシー海峡を封鎖する。中国の暴走を抑止するのは核武装だけではない、インド・ベトナム・韓国・ロシアとの連携だけでもない。中共の軍艦や戦闘機だけではなく、中国に出入国するすべての船舶や漁船の通行禁止、民間航空機の通行禁止等の全面的「経済封鎖」を実行できるよう態勢を整備しておくことが中国の暴走を食い止める最大の武器となる。この経済封鎖が断行されたならば中国経済は数ヶ月で崩壊する。

世界には、米国に代わって秩序を形成するだけの能力を有する超大国がいない、群雄割拠時代よいってよい。テーマごとに離合集散を繰り返す不安定な世界だ。列強が生き残りを賭けて権謀術数を駆使する戦国乱世にあっては、優柔不断な理想主義者の出番はない。

無差別空爆、無差別テロ、武力による弾圧(虐殺)と武装蜂起等、暴力肯定の思想が世界を闊歩する。戦国乱世では「奸智に長けた国」が栄え、生き延びるという原則もない。誰からも信頼されず、「カネを配って友達になってもらう関係」は親密そうに見えても長続きしない、カネの切れ目が縁の切れ目となる。

信義誠実、真実一路を貫きながら、かつ敵の奸計にハメラレないよう知恵を磨きながら、着実に信用を獲得した国が将来のリーダーとなる。「愚鈍さ」を貫徹しながら、情況に応じて「身軽」に対応できる柔軟さを兼ね備えた国が将来のリーダーとなる。
      白髪爺 at 04:55

この記事へのコメント

1. Posted by 大和は国のまほろば 2016年09月07日 21:30
日露ではないのですが・・G20での話です
オバマ大統領のお出迎えにタラップもなく、赤い絨毯もなく(安倍さんにはあったけど)いったいどうしたっていうの?
この間までラブラブだったのにね(笑)・・

まあオバマ大統領もかなり理想主義なところもあって、フィリピンの大統領との会談がキャンセルになったり、また会談がセットされたり・・目まぐるしいです
来年のことを言うと鬼が笑うって言いますが、世界中が経済不振でなんだかため息が出ます

2. Posted by 大和は国のまほろば 2016年09月07日 22:10
話は全く違うんですが・・

蓮舫さんの二重国籍問題はどう思われますか?
1、知っていて二重国籍のままにしていた
2、国籍に関して全く知識がなかった

こんな人が総理大臣になりたいなんてちゃんチャラおかしいですね

3. Posted by 白髪爺 2016年09月07日 23:03

オバマ大統領に対する非礼な対応や、国旗抜きで日中首脳会談を設定する等、客人に格差をつける姑息なやり方は「華夷秩序そのもの」だと思います。出先の係官が間違えたのでもなく、政敵の謀略でもなく、習近平の意思だと思います。華夷秩序には「平等に扱う」という観念がないのだと思います。彼らは「世界の常識の方が間違っている」ので、中国式規範(華夷秩序)を世界の規範にしたいと考えています。これでは世界の「嫌われ者」になってもやむを得ないのではないでしょうか。
華僑(華人)はもともと「国家」や「国民」という意識が希薄ですし、おそらく二重国籍や三重国籍などが問題になるとは考えたこともないのでしょう。今回、マスメデイアで騒がれ不安になったから調べてみたら台湾籍が残っていた。そこで、あわてて台湾籍を捨てる手続をとったということではないでしょうか。
日本国民としてのアイデンティティが希薄な女性が民進党(民主党)の国会議員となり、党代表になって総理を目指そうというのですから、今後、さらに風当たりが強くなるのではないでしょうか。
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