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米・トランプ大統領誕生で世界が再編される?

ASAGEIplus Posted on 2016年11月27日 17:55

(1)「日・米・印・英」同盟によって中国を包囲?

「トランプ政権誕生」は、超大国の価値観が転換した象徴である。その激震は世界全体に及び、短期的に地球を3つに割る!

 しばらく主要先進国は、「グローバリズム」を基本としてきた。「ヒト・モノ・金」の移動制限をなくし、「競争」こそ善であるとする主義である。結果、世界は99%の貧困層と1%の金持ちに分断された。好例は「シャッター通り商店街」の増加である。

「トリクルダウン」「アライアンス」など、使う本人さえ意味が理解できているのか疑問を覚える英語を使い、煙に巻くヤカラが量産されたのもこの影響だ。トランプ氏の主張した、

「メキシコ国境に壁を作る」

 とは人の移動制限で、訴えたのはグローバリズムの否定だ。欧州連合(EU)もまたグローバリズム派だが、6月にイギリスが国民投票により離脱を決定した。米英の脱・グローバリズムがもたらす今後の世界像を経済評論家・渡邉哲也氏が解説する。

「米英は間違いなく、より緊密な関係となります。ヨーロッパ大陸から離脱する英国は太平洋側、つまりアメリカを見るしかないからです」

 日本はアメリカと「日米同盟」をより緊密化し、トランプ氏はこれを、

「卓越したパートナーシップで、特別な関係を強化したい」

 と明言している。一方、英空軍は最新鋭戦闘機・ユーロタイフーンを日本に派遣。10月中旬から、航空自衛隊と青森県三沢基地で“初”の共同訓練「ガーディアンノース16」を実施した。国際情勢に詳しいジャーナリストの山田敏弘氏が続ける。

「日英は12年から首相間で、防衛安全保障強化の覚書を交わしています。今回の反グローバル化の影響で、その協力はさらに強くなるでしょう。安倍政権は集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法を制定したことで、日米同盟を強化する方向で動いてきました。この関係を補完するという目的で日英の『準同盟』構築を模索しているという話もあります」

 この日米英の同盟に加わるのが「インド」だ。

「今年6月に日印の防衛相会談が行われ、日米印の防衛協力強化が確認されました。狙いは海洋進出する中国への牽制です。親中路線だった前キャメロン政権が倒れて以後、英国は『親印』に転向しています。日英には、インドを介して両国の関係も強化する狙いがある。『日・米・印・英』によって中国は包囲されるでしょう」(前出・渡邉氏)

 11月12日には、日本からインドへ、条件付きながら原発を輸出する協定に署名がなされた。やはり4カ国の関係はますます緊密なものとなっている。

(2)来年のヨーロッパ選挙イヤーで地球が「3つに割れる」 Posted on 2016年11月28日 05:55

 では、中国はどう対峙するのか──それには「ドイツ」の現状を解説しなければならない。

「ヨーロッパのグローバリズムで、最も得をした国こそドイツです。ギリシャの債務不履行(デフォルト)の原因の一端も、ドイツにある。欧州の多くの国ではドイツが悪者となっています」(渡邉氏)

 今年、サッカーの欧州選手権「ユーロ2016」が開催された。ドイツの代表チームは他の代表チームに比べ、はるかに多彩な人種で構成されており、そのことからもドイツがグローバリズムを推進してきたことがわかる。

「孤立を深めたドイツが近づける国こそが、中国。ドイツの中核自動車メーカーのフォルクスワーゲンと中国との関係は、トウ小平(トウの字は登+おおざと)時代からのもの。今年上半期の同社の中国での販売台数は、前年比6.8%増です。両国は金融面でのつながりも深い」(前出・渡邉氏)

「アジアインフラ投資銀行」の設立でも明らかなように、習近平国家主席(63)は中国を中心としたグローバル化志向が強い。両国が接近することで4カ国同盟と対峙する、「枢軸国」化する可能性は十分にあると、前出の渡邉氏は指摘する。

 もう一つの大国ロシアはどうなるのか──実は、日・ロの間で、大きな問題が頓挫しつつある。ある自民党関係者が明かす。

「原油価格下落と、14年のクリミア問題を原因とした金融規制で、ロシアはあえいでいました。モスクワのスーパーに商品が並ばなくなったほどです」

 そこでロシアが頼ろうとしたのがジャパンマネー。「北方領土返還」のカードを切ってプーチン大統領(64)は、安倍総理との会談を行う構えを見せていた。

「ところが原油価格が上がり、アメリカの政権も変わった。金融規制解除を働きかける糸口が見えたと考え、北方領土問題について態度を硬化してきたのです」(前出・自民党関係者)

 ロシアは「連合」「枢軸国」どちらともくみせず、緊張関係を維持しながら独自路線を進むことが予想されている。

 では、世界が落ち着くのか、というとそうではない。

「来年、ヨーロッパは選挙イヤーです。フランスのオランド大統領(62)落選は確実視されていて、ル・ペン氏率いる『国民戦線』の声が大きくなっています。当のドイツも首相選挙ですが、フランス同様、脱グローバリズムの勢力が強くなっています」(前出・渡邉氏)

 地球を3つに割る激動は、「トランプ大統領誕生」が生んだものばかりではなく、グローバリズムに疲れた人々が求めた「世界再編」の結果でもあるようだ。
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