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「中国マネー」で汚染された米国

バッシングもカネも効かぬ「トランプ流」に歯ぎしりの中国

まぐまぐニュース! / 2016年12月7日 17時30分

先日掲載の記事「トランプ氏が中国を挑発。台湾総統への電話会談に習近平がイライラ」でお伝えした、トランプ氏と台湾・蔡英文総統との電話会談に対する中国政府の反応。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、前回結論付けた「中国が抗議してもトランプは変わらない」という点について、世界情勢に造詣の深い北野幸伯さんがさらに深く掘り下げて解説しています。

トランプ、中国をさらに挑発

前号で、トランプさんが台湾の蔡英文総統と電話で話し、中国が激怒しているという話をしました。
● トランプ氏が中国を挑発。台湾総統への電話会談に習近平がイライラ

<トランプ氏・蔡氏>米中関係の緊張必至…断交後初の協議
毎日新聞12/3(土)22:28配信

【ワシントン会川晴之、台北・鈴木玲子、北京・石原聖】トランプ次期米大統領は2日、台湾の蔡英文総統と電話協議し、安全保障などの「緊密な結びつき」を確認した。政権移行チームが発表した。

それにしても、トランプさんと蔡英文総統が電話で話すと、なぜ中国は激怒するのでしょうか?

中国は台湾を主権国家とは認めておらず、台湾を中国の一部と主張する「一つの中国」原則の順守を米国に求めてきた。トランプ氏が台湾独立志向の強い民進党の蔡氏と安全保障問題を協議したことで米中関係の緊張は必至だ。

米メディアによると、就任前を含めて米大統領が台湾総統と電話で協議したことが公になったのは、米台が国交を断絶した1979年以降では初めて。

(同上)
アメリカ大統領が台湾総統と電話で協議したのは、国交が断絶した1979年以降、初めて! 中国は激怒し、抗議しました。

中国外務省の耿爽(こう・そう)副報道局長は3日、「米国の関係方面に厳粛な申し入れを行った」との談話を発表し、抗議したことを明らかにした。

その上で「一つの中国は中米関係の政治的基礎。中米関係が不必要な妨害を受けないよう促す」として、歴代米政権の「一つの中国」政策を継承するようトランプ氏に求めた。
(同上)

そして、昨日のメルマガで、「中国が抗議してもトランプは変わらない」と書きました。すると、早速次のリアクションが出てきました。12月5日AFP=時事から。

トランプ氏は4日夜、ツイッターに「中国は彼らの通貨を切り下げること(つまり米企業の競争を困難にすること)、中国向けの米製品に重税を課すこと(米国は中国製品に課税していないのに)、南シナ海(South China Sea)のど真ん中に巨大軍事施設を建設することなどに関して、われわれに了承を求めたか? そうは思わない!」と投稿した。

つまり、「中国は、アメリカの許可を得ず好き勝手やっている。俺が台湾の総統と話したぐらいで、あれこれ言うな!」と。最も注目すべき発言は、これですね

南シナ海(South China Sea)のど真ん中に巨大軍事施設を建設すること

トランプが初めて、「南シナ海埋め立て」を問題視する発言をしました。いろいろな国務長官候補、国防長官候補と会っているうちに理解が深まったのでしょうか? いずれにしても、日本には朗報です。

従来の中国の「手口」はトランプには通用しないのか

「言い返す」のが「トランプ流」

今回のアメリカ大統領選は、とても下品で低俗でした。しかし、トランプさんのおかげで非常に面白く、ロシアでも毎日のように報道されていた。

トランプさん、昔の卑猥な会話の録音テープが公開され、非常に苦境に立たされた。すると、ビル・クリントンのセクハラ被害者女性4人を集めて、記者会会見を開いた。そして、言いました。「俺は、口で言うだけだが、ビル・クリントンは実際にやっている。ビルのほうがもっと悪い。ヒラリーは、被害者の女性をいじめてきた」。すると、「いや、私はトランプにセクハラされた!」という女性が11人も出てきた。トランプは、「やつらは嘘つきだ!」と一蹴しました。

こういうやり取りを見ると、トランプさんは、「言われたら言い返せ!」「やられたらやり返せ!」という信念をもっていることがわかります。だから、中国に対しても遠慮がありません。

強力になるであろうトランプバッシングと、親中派に迫る危機

伊藤貫先生の名著『中国の「核」が世界を制す』、あるいは、全国民必読の名著『China2049(ピルズベリー)』を読むとわかりますが、アメリカの政治家(特に民主党)、メディア、大学教授の多くは、「チャイナ・マネー」で汚染されています(要するに、中国から金をもらっている)。

中国側としては、当然この人脈を使って、トランプバッシングを強化することでしょう。ただ、トランプは、選挙戦をとおして、「バッシングにめちゃくちゃ強い」ことが明らかになっています。
(合法的に)税金を長年払っていなかったこと。
「私はトランプにセクハラされた!」という女性が11人も登場したこと。

日本だった完璧にアウトなケースを、サバイバルしてきた。中国は、どういうネタでトランプを叩くのでしょうか?

そして、これからトランプを叩く「親中派」、あるいは「隠れ親中派」は、「中国との裏のつながり」を捜査される可能性が出てきます。「独裁国家」中国の強さは、「国の金を使って、アメリカの政治家、学者、メディアを買収できること」です。しかし、ビジネスはともかく、チャイナ・マネー(賄賂)抜きでトランプは大統領になった。

「扱いにくい男が大統領になったのう…」

と習近平は、頭を悩ませていることでしょう。

image by: a katz / Shutterstock.com

『ロシア政治経済ジャーナル』 著者/北野幸伯
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