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トランプ氏のアメリカ  中国とメキシコに甚大な影響を与える!!

おゆみ野四季の道  新 (29.1.4)

 NHKスペシャルで「トランプのアメリカ」という報道番組を正月元旦に放送していた。
出演者は芸能人3名と専門家3名で、正月早々だからあまり固い番組にしないようにする配慮があったようだが、ことし最大の波乱要因がトランプのアメリカであることには変わりがない。
出演者にトランプ政権を肯定的に見るか否定的に見るか問うていたが、ほとんどの出演者が否定的だったのは当然だろう。

 トランプ氏の騒がしい言説の中で本質的なものは「アメリカンファースト」であり、「黒い猫でも白い猫でもアメリカにとっていい猫がいい猫だ」という完全に割り切った主張になっている。
今までのアメリカ大統領と異なりイデオロギーは皆無ですべてはビジネスというスタンスだから、ビジネスにならない相手は無視するか敵視するかのどちらかだ。

 ロシアのプーチン政権との和解に前向きなのもクリミアやウクライナなどといったアメリカから遠く離れた場所での紛争には全く関心がないからで、「もともとロシアの土地だろう」ぐらいの感度しかない。
またメキシコと中国を敵視しているのはアメリカの白人ブルーカラーの職場をこの2国が奪っているからで、アメリカから工場が中国やメキシコに移転することを極度に嫌っている。
最近ツイッターでGMのメキシコ工場を非難していたのはその例で、フォードは慌ててメキシコでの工場建設を撤回した。

 現在アメリカの株価が大幅に上昇しているのは、アメリカの産業が復活すると市場が予想しているからで、今まで中国やメキシコに進出していたアメリカ企業が再びアメリカに戻ってくると予測している。
「もし、アメリカに戻らなければそうした企業の製品に対し35%の関税をかける」とトランプ氏がいうのは確実で、世界は自由貿易の時代から保護貿易の時代に突入する。

 日本にとってはトランプ氏のアメリカは良くも悪くもないといったところだろう。
保護貿易が強化されれば例えば自動車産業などは日本からの輸出を控えアメリカ工場での生産を拡大するだけで、アメリカ各地にすでに工場が建設されている。
日本は1980年代の貿易摩擦戦争に懲りてアメリカ向け輸出産業の多くがアメリカに工場を建設している。
また電子部品などは日本製しかないようなものが多く、こうしたものは嫌でも購入せざる得ない。

 また安全保障の面ではトランプ氏は多額の傭兵料を要求しているが、妥協できる範囲で増額は止む負えない。世界最強のアメリカ軍は民主主義を守るためでなく傭兵料を稼ぐためのビジネス軍隊に様変わりする。
日本には核兵器がなく、一方中国や北朝鮮といったならず者国家は核兵器での脅しを常套手段としているので、日本はアメリカの核の傘で守ってもらう以外に選択肢はない。
当面の措置としては非核3原則の廃棄がもっとも効果がある。
日本には「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という3原則はあるが、最後の持ち込ませずは形がい化されていて、アメリカの空母や原潜には核兵器が搭載されている。
この原則を放棄するだけでも中国と北朝鮮に対するけん制効果はある。

 対中国政策ではトランプ大統領は中国に厳しく当たっているが、中国との貿易のアンバランスを解消しなければアメリカの白人ブルーカラーに明日がないからだ。
中国を無視して台湾と直接に交渉してここにも傭兵料の徴収を約束させたようだが、トランプ氏にとっては傭兵料を払ってくれる猫がいい猫ということのようだ。

 すでに中国が世界の生産基地である時代は終わりつつあるが、これに決定的な影響を与えるのがトランプ氏の通商政策になる。アメリカのアップルやグーグルといったIT産業はハードを中国本土で生産しているが、早晩これがやり玉に挙げられるのは間違いない。
「アメリカ製品を中国で生産し逆輸入する場合は35%の関税をかける」
中国でOEM生産をし、労働費を浮かす時代はトランプ氏の登場で終わることになる。
トランプ氏のアメリカが中国とメキシコに最も厳しい影響を与えることになるのは確実だ。
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