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トランプ氏100日間の唯一の功績と最大の疑問

外から見る日本、見られる日本人 2017年04月28日10:00

アメリカ大統領が就任して100日間はその手腕を見極める為にマスコミもさほど騒がないというのが慣例であります。残念ながらそれは打ち破られるためにあるのか、トランプ大統領が喧嘩を売ったからなのか、そこはともかく、マスコミが全面的に参戦してあぁだ、こうだ、と100日未満の仕事ぶりを評価してきました。

結果は言うまでもなくトランプ大統領の惨敗であります。正直申し上げるとトランプ大統領がいてもいなくても国家は廻るとも言えるかもしれません。何を吠えようが、どんな失敗をしようが結局、株価は高値を更新し、誰もショックを感じていません。期待感が低いが故に税制改革案が発表されても「そんなもの、そう簡単に実現できるわけない」とそっぽを向かれています。就任当初からレームダックになった大統領も珍しいかもしれませんが、逆にこれ以上悪くならないという見方があるのも事実。よって、私はいずれ見直されるのだろうと思っています。

その中で割と評価が高かったのが突然のシリアに対するミサイル攻撃であります。共和党が大統領を持ち上げたのはもちろん、ヒラリークリントン氏ら民主党の有力議員まで支持しています。「人道的」という意味合い、ディールをすると思われたプーチン大統領への挑戦状、そして習近平国家主席とステーキを食べている際の自慢話になった点が評価につながった可能性があります。

では私が考える最大の疑問ですが、その習近平国家主席との会談で美酒に酔い、いい気になってしまい、中国が北朝鮮対策に深く踏み込むことを許したのではないかという点であります。まだ予断は許しませんが、もしも仮に金正恩氏があがきを諦めたとしたらいくつかの背景があると思います。そのうちの一つが中国側の北朝鮮に対する締め上げだろうと思います。この締め上げは軍を北朝鮮国境そばに配置するであるとか、石油を止めるなどのより強固な北朝鮮制裁であります。(ただし、パイプラインの石油を完全に止めるとそう簡単に復旧できないので止まってはいないはずです。)

そして最も効果的だったのは真偽がはっきりしないですが、習近平氏が述べたとされる「朝鮮半島は中国の一部だったことがある」との発言であります。この後に北朝鮮の国営放送は中国を暗に非難する発言を行っています。

この意味を考え抜くと中国による朝鮮半島管理体制をトランプ大統領が認めたのではないか、という気がしてなりません。シナリオとしては北朝鮮に中国の傀儡国家を一時的に作り、その上で韓国と統一交渉を行い最終的に朝鮮半島問題の解決を画策したのではないかと考えられないでしょうか?

ではアメリカは今回の問題で何をしたかといえば遅まきながらもカールビンソンを朝鮮半島近海に配備し、THAADは韓国大統領選を考慮し、とてつもなく早く準備するなど戦略としての準備を整えてきました。これは金正恩氏としては中国とアメリカに包囲されているようなものであがきようがない形勢であります。

一方、韓国ですが、揺れ動いた挙句、大統領候補は文在寅候補が安哲秀候補を20%ポイント以上の差をつけてしまい、独走している点に注目しています。アメリカが北朝鮮に軍事行動を起こすなら大統領選挙前、正に今が最後のタイミングだったのですが、文候補に圧倒的支持が集まり始めています。理由ですが、韓国が北朝鮮とけんかをしたくないという心理そのものなのだろうと思います。

ソウル市民にとって一瞬のうちに火の中に包まれるシーンは想像したくないでしょう。ならば対話をもって解決したいと思う気持ちが出てくるのは分かります。金正恩氏は北朝鮮に融和的大統領が誕生するなら刺激を急がなくてもいい、と考える可能性もあります。中国にとってこれは実に好都合なのであります。

このストーリー、一見平和裏に解決する美談にも感じますが、日本にとっては頭痛のタネになるでしょう。一つはアメリカが中国の膨張を黙認したことになります。アメリカ軍は韓国から喜んで撤退するでしょう。そうすれば防御ラインは日本列島になりますから在日米軍は強化する必要が出てこないでしょうか

朝鮮半島から日本になだれ込んでくる韓国人も増えるかもしれません。韓国とビジネスをしている日本企業も企業戦略の練り直しが求められるかもしれません。

こう考えるとトランプ大統領と習近平国家主席との会合は何だったのか、そしてなぜ、習氏はニコニコしてご機嫌で帰国したのか、辻褄があってきます。北朝鮮国境近くは江沢民派ですから習氏の力を顕示するにも都合がよいのです。つまり、中国に「百利あって一害なし」だったのではないでしょうか?

もちろんこのストーリーは私が様々な事実から組み合わせた可能性の話でありますのでこのようになるのかどうかは分かりません。が、トランプ氏はもともと東アジア外交に興味がないのは当初からの分かり切った話でさっさとケリを付けるという姿勢だったのだろうと察しています。

では日米関係はどうなるのか、ですが、個人的にはトランプ政権の時は「愛がない形式だけの日米関係」になると思います。だったら安倍首相はプーチン大統領ともっと踏み込んでもいいのではないか、という外交的判断も可能になってくるのかもしれません
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