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大塚家具は何をどうしたいのか?

外から見る日本、見られる日本人 2018年08月15日10:00

数多くある上場会社の一つでしかない大塚家具がこれほどメディアに注目されるのは派手な親子喧嘩、父親からの経営権奪取、しかしその後、その経営ビジョンは見事に外れ、今や上場企業としては致命的な「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン)」が14日に発表された半期決算でついてしまったことでしょう。

事の成り行きを見るのは経営者の端くれとして大変興味ありますし、私ならどうするか、ということをずっと考えています。正直な今の感想は「このままではこの会社は終わる」であります。

まず、売り上げの減少に歯止めがかかりません。この半期は前年同期に比べ12%減。にもかかわらず売上原価は上昇しています。その悪い成績表を取り繕うように有価証券売却益と固定資産売却益、さらにはまだ持っていたのかと思いましたが、ゴルフ場会員権の売却で16億円余りの特別利益を作り必死に決算の体裁づくりをしたというのがよく分かります。

また、短期借入金としてついに8億円借り入れています。これは50億円の借入枠のコミットメントがあるようなのですが、一定の財務制限条項が付いている場合もある、と記されており、一部報道ではすでにこの8億円は返済されたと報じられています。つまり、決算対策上の見かけ上の借入だった可能性があり、6月末の現金残高である22億円から8億円はすでにないと見た方がよいようです。

なぜ、8億円だったか、は四半期キャッシュフローステートメントで前年同期で同じぐらいの数字に仕上げ、投資家や従業員への不安感を一蹴する目的だったと思われます。個人的にも銀行がこの期に及んで貸し付けをするとは思えません。

ではうわさが飛び交う事業提携先ですが、貸し会議場運営会社のTKPの名前が取りざたされています。確かに同社は大塚家具のリストラに伴う空きスペースを転用するという意味においての提携先としては都合がいいのですが、家具屋とは全然関係がありません。言い換えればTKPと一緒になる経営的意味は皆無であり、それなら家具屋をやめた方がいいと言わざるを得ません。その点からすれば大塚久美子社長は経営能力を失っており、いかにコストカットし、流出するキャッシュを減らすしか考えられなくなっているように見えます。

その中、唯一、光が見えたのはアマゾンへの商品提供を通じてEコマース部門が大きく伸びていることでしょうか?

一般の方に「最近家具を買いましたか?」と聞けば多くの方がもう何年も買っていないとおっしゃるのではないでしょうか?昔は大型のごみをずいぶん見かけたのですが、最近はめっきり減りました。おまけに回収してもらうにはお金と手間がかかります。これが家具を買う気をそぐ最大の理由です。(もちろん大塚家具をはじめ多くの家具屋は回収サービスをオファーしていますが、消費者マインドには重いようです。)

では同業ではニトリだけがなぜ伸びているのでしょう?家具を買うというより小物や家具周りのモノから家具に引き付けているように見えます。イケヤが売り上げを落としているのはまず家具を見せるという仕掛けが逆効果になっているのかもしれません。(あぁいいわね、で終わっているのとイケヤの小物はあまりかわいいとは思えません。)

言い換えればあなたの部屋の家具を入れ替えませんか?というアプローチではなく、ビフォーアフターのようにこんなに変わるというストーリー性が欠落し、家具という金額的ハードルだけが目立つ結果になっているのだろうと思います。

最後に、お前ならどうするのか、といわれば一般消費者向けについては雑貨店と合併、久美子社長には降りてもらうというシナリオだと思います。雑貨店のイメージとしてはフランフランや東急ハンズ、ロフトのような会社で、家具と消費者の距離感を埋めるしかないと思います。

もう一つは法人営業を徹底的に強化し、ホテルなどのアカウントを根こそぎ奪うぐらいの営業努力が必要だと思います。あとは新しいスタイルのオフィスの創造をお手伝いするという切り口もあります。いずれにせよ、経営メンバーをごっそり変えないと無理かもしれません。

決算短信からは将来期待できるような抜本的アイディアは全く記載されておらず、迷走の真っただ中、という感じがいたします。これ以上の時間はかけられません。もう、待ったなしだと思います。
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