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米国、「お目付役」中国の一帯一路工事費を精査し「ミャンマー支援」

勝又壽良の経済時評 2019-04-12 05:00:00


米国は、中国の一帯一路プロジェクトの工事費試算を精査し、ミャンマーが過剰債務を背負わされる難を免れた。中国は、悪徳企業と同じでミャンマーで不要な工事を強制し、工事費を割高にさせようとしていたのだ。

中国が、こういう不実な振る舞いを続けて、相手国から信頼を得ようということ自体無理である。日本がGDPで中国に抜かれた後、中国を尊敬するような言動をしないと怒っていた時期がある。日本に言わせれば、GDPで抜かれたといってもそれだけのこと。中国の本質は変らない以上、尊敬にも値しない。私は、ブログでそう書き続けてきた。今回のミャンマーで見せつけた悪徳国家の振る舞いは、まさに軽蔑対象でしかない。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月10日付け)は、「一帯一路に対抗 米国は途上国に「知恵」提供」と題する記事を掲載した。

(1)「ミャンマーは昨年、中国が巨大経済圏構想『一帯一路』の一環として金融支援を提供している深海港や工業地帯の整備計画について、中国と条件を再交渉し、開発規模や将来の債務負担を大幅に削減した。ミャンマー政府は再交渉にあたり、港湾施設はそこまで巨大である必要はなく、多額の債務も不要だと主張。立場の弱い国に対し、交渉で譲歩せず、一方的な合意を迫ることで知られる中国を説得し、なんとか新たな取り決めを交わすに至った」

ミャンマーが、中国の魔手から逃れられたのは、米国の専門家集団がアドバイスした結果だ。こういう米中の動きを見れば、中国は悪(わる)、米国が善人というハッキリした色分けがつく。これでは、中国に仲間ができない訳である。絶えず、関係した相手を「食い物」にするという油断できない相手だ。

(2)「実は、ミャンマーは外部からの支援も得ていた。試験プログラムとしてミャンマーに派遣されたエコノミストや外交官、弁護士らで構成する米国のチームが中国の契約を精査し、悪い条件には警鐘を鳴らすことで、中国の政府機関や企業との間で条件を改善するようミャンマーを後押ししていたのだ。現・旧の米当局者が明らかにした。これはとりわけ、中国が外交・経済・軍事面における影響力拡大をうかがうアジア・太平洋地域において、米国にとって中国に対抗するうえで恒常的な戦略となる可能性がある。米国務省はこのようなチームを使い、他の国・地域でも、融資や投資を使って影響力を及ぼしている中国に立ち向かいたいと考えている」

米国からミャンマーへ派遣されたチームは、エコノミストや外交官、弁護士らで構成されたという。これでは、中国の悪徳業者がミャンマーに敵わないはずである。米国務省は、ミャンマーで成功したので、このようなチームを今後、中国の関連するプロジェクトへ派遣したいという。「債務漬け」の被害国を増やさないためには不可欠である。

(3)「ミャンマーの試験プログラムについて、これまで公表されていなかった。専門的な一連のサービスを備えることができれば、開発案件が果たして経済の持続可能性や将来の向上といった要件を満たすのか、支援を受ける側が理解するのを手助けできるという。その当局者によると、この試験プログラムは米国際開発庁(USAID)が主導した。

USAIDの専門知識を生かし、『最終的には、当該の開発案件の中身はどうなっており、支援を受ける国にとって本当に理にかなうものなのか、一段の透明性を提供するということだ』と話す」

ミャンマーが、中国から食い物にされなかったのは、米国際開発庁(USAID)が専門スタッフを送った結果である。米国は今後、USAIDを活用して「一帯一路」のお目付役にしたいという。こうなると、中国はお手上げだ。米国からみた中国の世界覇権論も、こういう弱点があちこちにあるに違いない。米国は、それを一つ一つ潰していくのだろう。

(4)「ミャンマーの事情に詳しい元米当局者によると、米国はインフラ建設契約の細かい条件を精査する専門家をミャンマーに派遣し、地元当局者に助言を行ったという。また、ミャンマー政府は契約見直しにあたり、『隠れたわな』が潜んでいないかどうか確認するため米国に支援を求めた、とある関係筋は明かす。英国やオーストラリアなど、他の西側諸国も同様の支援を提供したという。その関係筋は、交渉は『ミャンマー当局者が主導したが、米国などの助言を受けて理論武装していた。そのため、この部分は大丈夫だが、これは債務の条件に問題があるなどと中国側に反論することができた』と語る」

先進国が、ミャンマーに対する中国の横暴を阻止すべく、協力体制を敷いて知恵を出し合った。これは今後、中国囲い込みのヒナ型になるだろう。所詮、中国が一国で「ワル」を始めても、必ず囲い込まれる運命である。そういう教訓が、このミャンマーの一件からくみ取れるはずだ。中国も、年貢の納め時である。
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